中村敏也 ブログ コラム 保育 療育 児童発達支援

「多幸感」と「子育て」

「多幸感」と「子育て」

「なんだか最近疲れているなぁ」って感じている方、多いと思います。

私自身も、なんだか肩が重いなぁ。寝ても疲れが取れないなぁと感じることが多いです。

もともと楽観的な性分で、あまり気分が落ち込むことがないのですが、最近はふと疲れたな。早く寝よっとと、21時に過ぎにはベッドに潜り込み子ども達とともに寝て、途中で目が覚めて、眠れなくなるということがあります。

しかし働き盛り世代としては、仕事で悩みが多いのは当たり前だし、もっと頑張らないとって思いがちです。特には日本人は総じて真面目だし辛いの当たり前、もっとがんばれ信仰が根強いです。

しかし、頑張り過ぎて身体を壊してしまうのもなんだかオカシイ話でしょと最近すごく思います。

特に、この新感染症の影響で、毎日暗いニュースがTVで報道され、テレビを消してネットサーフィンをしても、ネットニュースでも、そのことばかり。。。

無意識に心が疲れてしまっている方が多いのではないでしょうか?

そこで、少しだけ毎日が元気でいられるコツをお伝えします。

それは、身近な「小さな幸せ」に気づくことです。

朝起きがけに子どもをハグする
朝起きて、コーヒー豆を挽き、香りを楽しむ
今流行りの高級食パンを思い切って買ってみて、朝トーストにして食べる
アロマオイルを加湿器に入れて気持ちをリフレッシュする
朝、子どもと一緒に今日やりたいこと、放課後の楽しみなどを話す
出勤時に好きな音楽を聴く
朝の冷たい空気を、寒いと思うではなく新鮮だーと錯覚する
お昼休みに15分の「昼寝」をして頭をスッキリさせる
疲れたらリフレッシュで好きなお菓子を一口頬張る
仕事は早めに切り上げ、我が子のお迎え時に、ただいまーって思いっきりハグしてみる
帰宅したらまずお風呂に入って、ゆったりする。
ご飯は手抜きして、冷凍ご飯を献立に入れてみる。
夕食時は、子どもとの会話を思いっきり楽しむ。変なことを話してみんなで笑う。
我が子とyoutubeのあやとり動画をみて、変な解説に面白いねーと言いながら一緒にあやとりを楽しむ
意味もなく子どもをハグする
寝る前に、絵本を一緒に読んで、役者ばりの声の強弱をして役になりきる。
子どもと手をつないで寝る

など、生活の中で、楽しいな、面白いな、幸せだなっていう瞬間を楽しむことだと思います。これが「多幸感」なのかなと思います。

先のことを考えても今はわからない。

だからこそ、家族や子育ての中でのエピソードを大切にして、日々の楽しみを見つけると良いと思います。

すると、自然と疲れが溜まりにくくなり、気持ちも軽くなるように感じます。

「笑顔で元気に楽しく」

を続けると、自然と暖かい気持ちになり、暖かい人たちに囲まれると思います。

元気キッズの職員はみんな元気で明るく楽しい先生ばかり。

感謝感謝です。

それではまた。

 

元気キッズ
代表 中村敏也

令和3年の御挨拶

新年あけましておめでとうございます。

皆様にとって素晴らしい年になりますようお祈り申し上げます。

さて、一年の始まりは、今年何をしようかと思いながらノートにマインドマップを書いていくのでですが、昨年からの大きな変化を迎えている今日、これからの時代を生きる子ども達にとって大切なことは何かを深く考える元日でした。

現在、世界的に猛威を振るう新型感染症ウイルスは、とても怖い病気ですが、歴史を見ていくと、このようなパンデミックを境に時代が変わっていく側面があります。

ヨーロッパでは14世紀の黒死病のあと、新しい機会や創造性や富が生まれ、そこからルネサンスの芸術や文化や概念が開花し、近代ヨーロッパが始まったと言われていたり、 19世紀初頭のフランスのコレラ菌の流行で、公衆衛生や法律が整備されていったなど、社会の大きな変化のきっかけを起こすのが、感染症であると言う側面があります。

大きなトレンドを考えると、現在の資本主義の評価に疑問を持つべきかなと。

アメリカが有利になるために開発されたGDP(国内総生産)と言う手法ですが、GDPが高いからと行って国民全体が幸せかというと近年は疑問符がつくと思う。

かつて、日本は戦後から復興していく中、高度成長期を経験し、物、所得が増えていくこと=幸福と言う価値観が生まれました。その中で、GDPと言う手法はとても効果的だっと思います。

しかし、現在は、ある程度の生活水準が保たれ、公衆衛生や公共交通機関の発達など、社会的インフラも整った中、戦後の復興と、現在とは違った尺度が必要だと思います。

所得や学歴などで誰かと比べて、私の方が優れているという価値観を助長しかねないのが単に所得の増減の手法のGDP。でも、もう大きな所得の改善をしなくても、ある程度生活できる日本や成熟国家では、あまり意味がないのではないかと。

それよりも、より個が幸せと感じることが大切だと思うのです。

自分が知りたいことを知る喜び、大好きな人とともに過ごし、地域の生活を大切にし、心地よく生きる喜び、誰かと比べ続けて疲弊するのではく、自分が何を大切し、何に感動し、何をしたいかという自分軸を持つ=主体的な生き方が大切だと思います。

さて、このように大きな変化の時代に、我々世代は子ども達に何を残すことができるのでしょうか?

それは、これからの世界で充実した人生を歩んで行けるようにサポートし、また道を整えていくことだと思います。

不確定な時代、何が正解なのかはわからない。

BESTな正解は見つけられないが、BETTERな選択を一人一人がし続けることで、次の世代に今よりもちょっと良い社会を受け渡しできると思います。

そのためのキーポイントが、

自分軸をもち(主体性)、
たくさんの経験、知識を学び(探究学習)、
仲間と協力し、地域で豊かに過ごす(社会性)を身につける
ことだと思います。

家族での食事を楽しんだり(対話)、
散歩し季節の移り変わりを感じたり(興味・好奇心)、
近所の異年齢の友達と遊び込んだり(メタ認知能力)、
すれ違う方に挨拶をして、挨拶をし合うと気持ち良いを感じたり(社会性、共感性)、
農作物直売で生産者の顔をみて買い物したりなど(地域との繋がり、食への興味)、日常のちょっとした幸せを感じること(多幸感)
が大切だと思います。

社会を変えるのは、誰か一人の英雄ではなく、小さな一人一人の行動の変化です。

これからの子ども達のために、何ができるかを考え実行していく一年にしていきます。

今年もよろしくお願い申し上げます。

 

 

元気キッズ
代表 中村敏也

ピラミーデメソッドの保育のカタチ

前回、真の子ども主体の保育の実現のためにピラミーデを導入するとお伝えしました。

具体的にピラミーデ保育とはどのような保育なのかを説明する前に、私が何を大切にして保育園を運営しているかをお伝えします。

 

「遊び」こそがこれからの時代に必要な生きる力を育みます

この大きな変化の時代、不確実性な荒波の中を、子ども達は生きて行かなければなりません。
そのような時に頼りになる力はとはどのような力でしょうか?
きっと保護者の皆様も、IQのような知力やテストの結果で判断される学力が唯一の力とはお考えにならないでしょう。

マルチプルインテリジェンス(MI理論)いう言葉をご存知でしょうか?

1983年、ハーバード大学教育大学院認知心理学教授、ハワード・ガードナーがMultiple Intelligences Theory (MI理論)を発表、従来の知能という概念を大きく前進させました。

彼の理論によると全ての人間には

①言語的知能
②論理・数学的知能
③空間的知能
④音楽的知能
⑤身体運動的知能
⑥対人的知能
⑦内省的知能
⑧博物的知能

という8つの知能が備わっていると明言しています。

海外ではこの広義の知能が認知され、既に教育の世界にも導入されていると言えます。
日本では、いまだに知力とは①言語的知能や②論理・数学的知能を指していることが多いと思います。
しかし、実際に生きていく上で必要な知識は、空間的知能だったり音楽的知能だったりと多岐に渡ります。
このような知能をバランスよく育むことが、これからの不確実な世界でよりよく生きるために必要なことなんだと私は考えます。

話しが長くなりましたが、言いたいことは、我々保育者としては、どうしたらこのような知性が育まれるのかということです。

そのカギが「遊び」なのです。

子供たちは、遊びに夢中になっている時、物凄い集中力を発揮します。

お友達同士で遊ぶ時、独自のルールが出来上がります。そこで、個々の力に差がある場合は、誰もが楽しめるようなルールを勝手に作っていきます。
遊びこそが、自分が知りたいことを主体的に探究し、創造性を刺激し、また対人コミュニケーション能力を発達させます。

まさにこれからの社会に必要な、「創造性」「主体的に考え行動できる力」「人に共感し、協力しながらやり遂げる力」などが遊びを通じて育まれます。

そうすると、私たち保育者が、保育の現場でやらなければならないことは、子供達への「遊びの保証」です。
継続的に遊びができる環境が必要不可欠です。

 

「環境設定」を整える

子ども達が十分に遊べるため、まずやらなければならないことが、保育環境を整えることです。

そのためには次のサンマ(3つ間)が大切です。

【人間】
保育室の中で子どもとの関係。
保育者はあくまで誘導する立場。
子ども達が主体的に遊びを選択できるように誘導する。

【空間】
視覚化=子どもの視点から見て、誰でも見てわかるような環境「量」と「質」にこだわったおもちゃ。
質が良くても数が少なければ十分に遊びが発展していきません。良質なものを十分な量を用意することが大切です。
コーナー保育「積木」「おままごと」「製作」「絵本」「レゴ」など、それぞれのコーナーで子ども達が集中して遊べるコーナーを用意する。
「動」と「静」の2つのタイプに分かれ、それぞれの環境を阻害しない配慮は大事。

【時間】
たっぷりと遊ぶ時間を保証する
乳児期にはそれぞれのリズムに合わせた活動を行う。

 

一斉保育ではなく、子どもが自分で活動を選ぶ自由保育

子どもが主体的に活動することがもっとも大切なことであるとすると、今まで日本で主流であった一斉保育だと保育設計に無理ができます。
皆が同じことをするとなると。どうしても先生が主導する保育になってしまい、子どもが主体的に選んで活動することができなくなります。
子ども達は、自分が選んで決めたことは、しっかりと集中してやります。
私たち大人でも。人に指示されてやることほど、乗り気にならないことはありませんよね。
ただし、まだまだ幼い子ども達、自分だけで決めることがむずかし場合があります。
そんな時に、保育士は、そっと手助けをし、遊びを誘導することが大事です。

 

プロジェクト型保育

自由保育と言っても、ただ自由に遊ばせるということではありません。
月ごとや季節ごとにテーマを設定し、子ども達に学んで欲しい、触れて欲しいことを保育者は準備をします。
例えば、12月であれば、秋から冬に切り替わる時期。この季節の移り変わりをテーマにした場合は、1週目に興味が出そうな絵本や、写真などを子ども達の目に触れるようにしたり、お話を読み聞かせたりします。2週目に実際の自然に触れる活動をし、落ち葉を集めに公園に行ったりします。気温が低く寒くなることが予想される日には、前日に前もってバケツに水を張って、氷ができる様子を見てもらったりします。
このように、保育士はテーマごとの準備をしっかりすることで、子ども達に学んで欲しいことを誘導していくことが大切です。

 

怒らない・叱らない 伝える保育

元気キッズでとても大切にしていることがあります。
それは保育士は、むやみに怒らない・叱らない。ちゃんと気持ちを伝えることを大切にしています。
子どもの行動には必ず理由があります。その理由を理解することが保育者の大切な仕事です。
望ましくない行動をした時に頭ごなしに怒ってもなんの解決もなりません。むしろ子ども達の自尊感情を大きく損わせることになります。
保育士は全身全霊で、子どもの気持ちを汲み取ることこそが仕事です。

 

導入を進めて感じたこと

このような考えでピラミーデ保育を導入を進めている真っ只中ですが、物凄い手応えを感じております。
例えば、コーナー保育をしていくと、走り回る子が激減し、やりたいことに没頭している姿を多く見られます。
夏前に比べ、レゴの出来がどんどん複雑になっていたりしてびっくりしました。
何より、今までにもまして、子ども達が楽しそうに保育に参加し、まるで我が家のようにリラックスしている様子が見受けられます。

まだまだ道半ばですが、これからもピラミーデの保育理論を基本として、子ども達にとって最高の場所になるよう職員一同励んでまいります。

 

保育園、児童発達支援事業所
元気キッズ
代表 中村敏也

元気キッズが目指す、真の子ども主体の保育(ピラミーデメソッド)について(導入編)

昨年度の終わりに、保護者の皆様へお伝えしたことがあります。

「子ども主体の保育を実現するために、乳児部は乳児担当制、幼児部は縦割り保育、自由保育に切り替えていくと」

変革の年として、変容する保育にご協力をお願いしたところ、御父兄の皆様が賛同いただけたことにより、職員も安心して変化をしている段階でございます。皆様のご協力、心より御礼申し上げます。

さて、元気キッズが目指す子ども主体の保育を説明いたします。

1.ピラミーデメソッド導入のキッカケ

令和1年12月より、認可保育所に自由保育、縦割り保育などをどのように導入すべきかを委員会を立ち上げ、勉強をして参りました。他の保育園への視察や、モンテッソーリ、シュタイナーや、日本初の赤い鳥の保育理念など、他の子供主体と言われる保育の本の読み合わせなど行い、万全ではないが、まずはやってみるという形で本年度がスタートしました。

新型コロナウィルスの影響で、大きな不安が渦巻く中、子ども達に過度な影響が内容少しづつ変化していく保育内容でしたが、これといった見本がない中前に進むのはとても難しかったです。

そんな中、本年度開所の 認可保育所 元気キッズ第二朝霞根岸台園のチームが提案してきたのが”ピラミーデ”という保育手法でした。

世界一、子どもが幸せな国のオランダで生まれたピラミーデメソッド。イエナプランというアクティングラーニングに最も最適だと思われる教育手法への接続プログラムとして機能している保育手法です。

私自身も10年以上前からその存在は知っており、本も読み込んでいてとても素晴らしい保育理論だと知っていたので、職員の申し出を受けすぐにオンライン研修を申込、希望する職員に参加してもらいました。

平日の夜だというのに本当に多くの職員が率先して参加し、改めて、意欲の高い職員に囲まれて幸せな環境だと思うのと、見本を示すことができていなかった責任を痛感いたしました。

この研修は本当に大きな大きな衝撃を皆に与えてくれました。

 

.ピラミーデが目指す保育

ピラミーデメソッドが目指す保育環境とは

「子どもの自尊と自律を育てる保育環境」

研修では、子どもの最善の利益を守る当たり前のことを再度認識、またその方法論も根本から考えさせられました。

子ども達の発達にとってとても大切なことはまずは安心感だということ。

空間 安心の中で、遊びに没頭できる環境
人間 先生との関係、お友達との関係
時間 たっぷりとやり込める時間、生活リズムにあった時間

全てが子ども目線で環境設定を見直し、先生との関係を見直し、時間の捉え方を一変していきました。

今までのように、先生が指示を出して子ども達がそれにしたがっていくスタイルでは、

自分の人生をコントロールするための主体性が育まれ難いということを、多くの事例により学びました。

1に、子ども目線、2に子ども目線、3に子ども目線。

全てが子どもからみた視界で物事を見ていくと、真の子ども主体が見えてくる気がしてきます。

 

具体的な導入時期

とても大きな大きな衝撃を受けた研修でしたが、実際、どのように自分達の園で実現していくのかというのが大きな課題になりました。

そこで、コロナが落ち着いた10月に実際にピラミーデの講師を園にお呼びし、具体的な研修を行いました。

そこから環境設定や、保育の手法について具体的なアドバイスをいただき、現在段階的に導入を進めています。

まずは環境設定から変えていき、より主体的な保育ができるよう保育内容も変化していきます。

次回は、ピラミーデメソッドが提案する保育のカタチをお伝えいたします。

 

保育園、児童発達支援事業所
元気キッズ
代表 中村敏也

メルマガ 中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.10

参考:メルマガバックナンバー 2020.10.01 配信

中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.10 地域社会を変える保育園への道5

 


中村敏也の元気キッズ保育園の秘密


こんにちは。
株式会社SHUHARI 中村敏也です。

前回はかなり勢いよく多店舗運営を始め、勢いづいていた中村青年。
しかし今回は、そういう時にこそ大きな穴があるという、
「経営ってやっぱり人だよ! 理念だよ!」ってお話です。

3施設まで順調に開所を進めていましたが、

実は心のうちに、多くのモヤモヤがありました。

・なんだか雰囲気がよくない
・職員の離職が多い
・3つの施設の仲がよくない!
・代表の僕がいつも先生たちにお伺いを立てている
・自分の立ち上げた施設なのに、自分がやりたいことができない。
・子どもたちが笑顔ではない。。。

このようなモヤモヤが日々募っていきました。

では、どうしてこのようなことになってしまったのでしょうか?
今ならはっきりとその原因が分かります。

当時の私は、次のような振る舞いをしていました。

1園目、
一生懸命保育に没頭

2園目、
2園目にかかりっきりで、1園目は主任にまかせ半ば放置
そして、1園目から不満の声。
2園目の施設長は外部からなので、1園目と2園目とは文化の共有がない。
お互いが歩み寄らない。

3園目、
人材が育っていないため、自分自身が施設長になり指示。
保育に自信がないために、職員の言われるがままに自由に保育をさせる。

このころになると、各園ごとに好き勝手に保育をするようになり、
それぞれの園で全く違う保育が行われていました。

このままでは収拾がつかないと焦った中村青年は、
当時、一番意見を言って責任感もある人材を引き上げ、全てをまかせて保育内容の統一化を目指していきました。

ガツガツと保育を仕切っていく姿に頼もしさを感じ、
素敵な保育園にしてくださいねと、全ての権限を渡して現場から遠ざかる中村青年。

ふぅ、これで一安心だー!!

……なーんてことにはならなかったのです。

保育内容は統一されつつあるし、服務規定も整ってきて、なんとなく組織っぽくなってきてはいるが、なぜか離職が続出。
保育中に怠慢な態度を見せる職員が続出!!

権力を手にした一人の職員によって、その人に絶対に逆らってはいけない雰囲気ができあがり、
私よりもその職員の意見次第で保育方針が決まっていく異常な状態になってしまいました。

ある日、保育現場を覗くと、
子どもたちが先生の指示通りにきちんと整列し、起立し、挨拶をしていました。
そして、指示にしたがってじっと座っている姿にゾッと寒気さえしたのです。

なぜなら、子どもらしさがどこにも感じられなかったからです。

子どもたちの最高の笑顔が溢れる保育園を目指していたのに、これでは全く真逆な世界ではないかと…

そんなある日、
開園当初から通っていただいたある保護者に言われたひと言で、
目が覚める思いをしました。

「園長先生が創業した園なんだから、先生がやりたい保育をしてください。応援しています」

それはそれはとても優しい口調でした。。

そのころの自分は、毎日悲壮感に溢れ、目も耳も塞ぎ、全く覇気がなかったのだと思います。
そんな姿に、見かねて、声をかけてくれたのだと思います。

保育に自信がないからと、大切な保育方針まで他人まかせの保育をしていた
自分に対して、急に恥ずかしくなりました。

なんと無責任だったんだと。

その日を境に、
保育のことを、幼児教育のこと、赤ちゃんのこと、発達のことを
もっともっと学ばねいけないと、貪るように本を読み込み、
保育や発達のこと、障害のことについての知識を吸収していきました。

またあの分厚い「保育所運営ハンドブック」を全て読み込み、
行政に対してもしっかりとした知識の元、対応できるようにしていきました。

そして、知識、理論を手に入れた中村青年は、
保育現場でも自信を持ってふるまうようになりました。

職員会議では自分で紡いだ言葉で話をし、それが理念となっていき、
職員に伝えていくうちに、少しづつですが
「園長先生についていきます」と言う職員が増えていきました。

その頃から、
4つの約束「挨拶、礼節、話を聞く耳を持つ、自分の意見を言う勇気を持つ」
を伝えはじめました。

分かりやすいルールができると、このルールに共感した先生たちが集まり出したのです。
誰もが意見を言い、お互いを認めあう文化が育ちはじめました。

ようやく長かったトンネルを抜け、変化の兆しが見えてきたのです。

意見が言いやすい空気が流れることによって、
今まで我が物顔で幅を効かせていた職員グループがどんどんやめていき、
反対に心根の優しい、本当に子ども達のための保育をしたいと思う職員が集まってきたのです。

そして、今の元気キッズを支えてくれている職員が揃っていきました。
それはまるで漫画のワンピースのように、一人づつ個性的な仲間が集まる旅のよう。

今思えば、創業から多店舗展開をする中で、超えなければいけない壁だったのだと思います。
もし、ここを乗り越えなかったら、
離職率が高止まりした、保育の質を追求していない、ただ営利目的に保育所を運営している施設に成り下がってしまっているところでした。

話は変わりますが、
保育運営の相談を受ける時に、
「どうしたら離職が少ない、風通しの良い組織ができるのですか?どうやってこの文化ができたのですか?」
と質問をいただくことが少なくありません。

私は、
「文化は移植できません。自分たちなりの文化をつくっていかなければならないです」
と伝えています。

自分がやりたいことをしっかりと言葉で表現して、伝えていけば、自分が理想とする文化ができると。

保育の土台がやっと固まった中村青年。
次はもっと深い支援を模索するのでした。

次回は、「発達支援を考えたきっかけ編」をお届けします。

 

***セミナー結果報告***

先日9月23日に開催した「自園の保育の強みを見いだし、発見するワークショップ」
10数名の先生方にご参加いただきました。
貴重なお時間をいただき誠にありがとうございます。

アンケートでは、ほぼ全ての方に、
知り合いにすすめたいと言ってていただけ、大変励みになりました。

「中村さんのお話が、分かりやすかった。自園でこれからやっていきたいこと、やりたくないことを確認する機会がもらえた。いろいろな方のお話を聞けた」

「自園の強みを知るきっかけになった事と、現在やらないといけない事が知れました。すべて解決できたわけではないですが、考えるきっかけになったと思います。それを他の園でも、きっかけになるかと思いますので、お勧めしたいと思いました」

「様々な経験をされ、前向きに頑張っておられる中村先生のお話を聞くことで、私自身、勇気をいただきましたし、これからどのように今を乗り越えていけばよいのか、ヒントをいただけました」

「保育の知識・技術に関する研修は多いが、経営者目線からのセミナーはとても貴重だと考えます」

「考える機会になり良かったです」

「自園の強みについて再度確認し、気づきがありました。もっと多くの園の方と意見交換ができたらいいと思いました」

「もっと深いところまで話を聞きたくなりました」

など、たくさんのご意見をいただけました。

今後もこの様な小規模でのセミナーを開催していきますので、
またご参加いただければと思います。本当にありがとうございました。

 

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株式会社SHUHARI
保育園元気キッズ 代表 中村敏也

発行:株式会社SHUHARI
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中村 敏也

Nakamura Toshiya
埼玉県内に、保育園、児童発達支援施設、保育所等訪問支援事業所、病児保育室、放課後児童クラブ、相談支援事業所を運営。子どもが笑顔で過ごせる保育園にするためには、職員が楽しめる職場であることが重要。職員が意見を言いやすい職場の雰囲気作りや福利厚生面など、働きやすさも重視した環境作りに力をいれている。
株式会社SHUHARI代表取締役
株式会社sopo代表取締役
新座市子ども子育て会議委員
中村敏也