中村敏也 ブログ コラム 保育 療育 児童発達支援

中村敏也のメルマガ vol.42「保育園は日本を救う鍵となる!2025年もよろしくお願いします!」

参考:メルマガバックナンバー 2025.1.14 配信

中村敏也のメルマガ vol.42「保育園は日本を救う鍵となる!2025年もよろしくお願いします!」

 


中村敏也のメルマガ


中村敏也のメルマガ vol.42
「保育園は日本を救う鍵となる!2025年もよろしくお願いします!」

株式会社SHUHARI 中村敏也です。
あけましておめでとうございます。
本年も張り切っていきましょう!
今年は1ヶ月に1本はメルマガを書きたいと思っています!
2025年もよろしくお願いいたします。

さて、昨今の気になるニュースから
私たち児童福祉に関わるものたちにとって実際に直面している問題はこちら。

▼不登校の小中学生 過去最多34万人余に 11年連続で増加 文科省(NHKニュース)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241031/k10014625011000.html

▼「闇バイト加担で中学生逮捕」の衝撃。我が子が闇バイトに手を染めないよう、親にできる対策は(マイナビ子育て)
https://news.yahoo.co.jp/articles/a3c74ff26a15a5066465a9daecd5d78d98458b04

▼2024年の出生数は68.5万人、婚姻数は47.5万組の見通し(日本総研)
https://www.jri.co.jp/page.jsp?id=109244

不登校と闇バイト問題はなんとなく関連している気がしていますし、
出生数の激減は、私たち保育事業者にも責任があると感じております。

最初に不登校と闇バイト問題。
なぜ不登校と、闇バイトの問題が関連しているかというと、簡単に言うと、不登校により引きこもりになることによって世間から孤立してしまい、必要な社会経験がなされなかったり、必要な社会的スキルが身に付かなかったりして、就職が難しくなる結果、若年性貧困に陥ったりするからです。
すると、簡単に手の届くSNSなどで「うまい話」や限定された情報を見て、先に起こるだろうリスクを予想できずに犯罪に巻き込まれたり、加担してしまうことになるのは想像しやすいと思います。

▼若者の貧困を拡大する5つのリスク―その原因と対応策― 日下部 元雄 (著)
https://amzn.to/4afVs1h

この本によると、
「貧困」の最大の増加要因は幼児期の親子関係にあるという。
従来は、貧困の原因は、主として非正規雇用の増加や若年無業者の急拡大などの「雇用問題」や、「子どもの貧困」などの社会階層の固定化が指摘されてきました。
しかし調査による「幼児期からのリスクの連鎖」の分析を踏まえると、
若者の貧困拡大に最も大きな影響を与えるものとして
第1位に「しかるしつけ」「父親との接触が少」など、幼児期からの親子関係があることが確認されたとしています。
家庭の社会階層を見る一つの指標である「少年期貧困」は、大人になってからも貧困に陥る要因の第3位。「非正規雇用」は第12位、「若年無業者」は22位となっています。

ノーベル経済学賞を受賞したヘッグマン教授は
「幼少期、特に5歳児までの教育が人生に大きな影響を与えている」
と言っていますし、
幼少期のアタッチメント(愛着)が子どもの心理的、社会的発達において非常に重要であることは、多角的な調査を経て、ゆるぎないことであると思われます。

 
もう少し説明します。
「父親との接触が少」や「しかるしつけ」がなぜ貧困リスクを大きくするのか?
それは「幼児社会性を育むチャンスを減らすから」です。
家庭で遊ぶ経験をたくさんした子、父親に限らず、近隣の友人や大人等とのたくさんの接触のある子は、保育園などの集団生活でも積極的にお友達と遊びこむことができます。
一方、愛情がない「しかるしつけ」を受けた子どもは、親にやられたような理不尽は言動を、周りのお友達にすることが多く、そうするとお友達も嫌になり、一緒に遊ばなくなり、幼児社会性を豊かにするチャンスが少なくなります。そして社会性が欠如したまま成長していくことになり、将来的に引きこもりや、若年性貧困の要因になったりします。

 
興味深い研究が東北大学から発表されニュースになりました。

▼保育施設の早期利用は子どもの発達を促進する 3歳児神話に科学的な根拠はない(東北大学)
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2024/12/press20241209-03-child.html

東北大学の研究により、「3歳児神話※」には科学的根拠がないことが示され、早期の保育施設利用が子どもの発達にポジティブな効果を与えることが分かりました。
「子どもの健康と環境に関する全国調査(「エコチル調査」)」の約4万人のデータを解析した結果、1歳未満から保育施設を利用した子どもは、言語や運動能力など5つの発達領域で3歳時点の発達が良好であることが明らかになりました。この研究は早期保育の利点を科学的に裏付けています。
※「3歳児神話」とは、子どもは3歳までは家庭において母親の手で育てないとその後の成長に悪影響を及ぼすという考え

 
極端な話をすると、「闇バイト問題」をなくすためには、幼少期からの愛着の土台、親子関係への啓蒙、幼児社会性を豊かにする保育園、幼稚園などの施設が大変重要なだということになります。
つまり、保育園の関わり方次第で、「闇バイト問題」をなくすことができるのです!

 
もうひとつの気になるニュースは
私たち幼児教育に関わるものとっても死活問題となる、出生数の激減です。
つい最近100万人切った、80万人切ったと騒いでいたら、あっという間に70万人をきってしまった出生数。
保育園を作りに作って、少子化対策に励んできたのに、出生数は減る一方なのです。

保育園をたくさん作ったことは、絶対に愚策ではなかったし、もし作らなかったとしたら、もっと悲惨なことになっていたと思います。

しかし、それでも少子化対策で充実してきた保育施設に目を向けてみると、
「ただ保育をしてきただけ」…待機児童はいるのが当たり前だから施設をせっせと作り、保育内容はある程度犠牲にしてきた面は否めないと思います。
ただ保育内容を突き詰めるだけで、それが自己満足で終わっていないだろうか?

埼玉県久喜市の栗原地区で「こどもむら」を運営する柿沼学園の柿沼先生とご一緒にセミナーを企画した際、打ち合わせ時に先生がおっしゃっていたことが、今の私に大きな影響を与えています。

『20年前に50人の児童しかいない幼稚園を引き継いで、児童が一人でも利用してくれるために何が必要か考えた時に、子どもが生まれる環境を作れば良いのだと、とにかくガムシャラにやってきた。
愛着から始まる保育、子ども主体の保育内容は、レッジョ・エミリアにも何度も行ってアートやプロジェクト活動ははただの手段であり、社会が保育することの大切さを学んだ。
その延長線上にできたのが完全ボランティアでの無償の産前産後ケア。
そこで出産することへの不安、産後の不安を解消し、また質の良い保育を提供する場所を増やすことで、さらに子どもたちの生き生きと成長してく姿を楽しめるようにサポートする。そうすると、長時間保育ではなく短時間(一号認定)で預けようという家庭が増えていった。
世帯収入が決して高いわけではなく、そこに多幸感があるから、子どもをもっと欲しくなるのではないか』

たくさん実践をした上で、「こどもむら」の周りだけ、人口減少が止まり、出生数が上がってきたというのです。たった一つの学校法人が社会を変えたのです。

柿沼先生の話を聞いて、
もっと保育園が、
園児が減ってしまったどうしようなどと
自分を主語にして考えるのではなく
子どもや保護者たちを主語に考えることで、
本来の子育て支援が目指すものが見えてくるのだと確信に至りました。

結論、「保育園は日本を救う鍵となる!」のです。
みんなで日本を盛り上げて行きましょう!!!

 
さて、ここからは告知です
【2月27日、埼玉の障害福祉の力を集結させましょう!】
全国介護事業者連盟 障害福祉事業部会 埼玉支部 設立総会のご案内

埼玉県で障害福祉に携わる仲間たちがつながり、力を合わせる場を作りたい。
そんな想いから、このたび
全国介護事業者連盟 障害福祉事業部会 埼玉支部
を立ち上げることになりました!
2月27日、この日が私たちのスタートラインです。
埼玉県内の障害福祉事業所の力を集結させ、未来に向けて一歩踏み出す日。
あなたの経験や想いが、この新しい支部を形作る大切な一部になります。

こんな方にぜひ来てほしいです!

  • 福祉の現場で感じる課題を共有したい方
  • 同じ志を持つ仲間とつながりたい方
  • 埼玉の障害福祉をもっと盛り上げたい方

当日は大野埼玉県知事や政治家、首長もいらっしゃいます。ぜひ直接声を届けましょう!

≪イベント概要≫
日時:2025年2月27日(木)
  17:00~19:00(受付16:00~)
場所:大宮ソニックシティ 小ホール
  「JR大宮駅西口」から徒歩3分
内容: 設立総会
参加費: 無料(事前のお申込みが必要です)

埼玉の障害福祉を次のステージへ――。
あなたの力が必要です!一緒に新しい未来を作りましょう!
当日、皆さんとお会いできることを楽しみにしています!
▼お申し込みはこちらから
https://kaiziren.or.jp/event/request/2024/saitama0227/
全国介護事業者連盟 障害福祉事業部会 埼玉支部

よろしくお願いいたします!
 

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株式会社SHUHARI
元気キッズグループ 代表 中村敏也

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中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.41「大変革がどうしてできたのか」

参考:メルマガバックナンバー 2024.10.17 配信

中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.41「大変革がどうしてできたのか」

 


中村敏也の元気キッズ保育園の秘密


中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.41
一斉保育から子ども主体の保育へ、大変革がどうしてできたのか

こんにちは。
株式会社SHUHARI 中村敏也です。

ありがたいことに、大変多くの方に、私たち元気キッズの保育と療育にご興味を持っていただき、現在、ほぼ毎週のように視察を受け入れています。
たくさんの方が視察にお越しになるので、
現場が疲弊してしまわないかと心配になり、職員に聞いてみたところ
「自分たちが信念を持って作り上げている保育環境のことを、多くのみなさまにお話しできるのが嬉しいです」
と大変前向きな返答をもらい、なんて頼りになる仲間たちなんだと、誇らしい気持ちでいっぱいになりました。ありがたいです。

元気キッズに視察にいらっしゃる方たちの主な目的はというと
「保育と療育の連携」なのですが、
保育園・幼稚園関係の方たちは、必ずと言って良いほど、最初に
元気キッズの『コーナー保育の環境』と『子ども主体の保育』に興味津々になります。
例えば、乳児担当制、サークルタイム、探求学習へのアプローチなど。

熱心な先生ほど、職員の説明を食い入るような目をして聞き、鋭い質問が飛びだします。
ここではいつも時間オーバーになります。
毎回、なんて豊かな時間なのだろうと思います。
こんなふうに『子どもの真ん中』をみんなで考えていけたら最高だなといつも思います。

このように保育環境を褒められるようになった元気キッズですが、初めから子どもが主体の環境や保育内容を行ってきたわけではありません。
いわゆる「一斉保育」の形で創業より運営していました。

おもちゃを先生が選び、部屋の真ん中にどかーっと置いて、「さあ、このおもちゃで遊びなさいな」とか、朝の会で全員横一列に整列して、点呼して「はい!」と大きな返事を期待する。何か活動を始める前に横一列に並んで壁ぺったんをする。まるで囚人のように。。。
こんなことを平気で行っていました。

今考えると、なんて無知で何も考えずにそれまでの慣習で保育をしていたのだろうと思います。
思いだけは立派で、中身が伴っていませんでした。
恥ずかしい限りです。
しかし職員たちはとても一生懸命に子どものことを考え、先生たちが知る知識の中で大切だと思えることをやり切っていました。
そこに足りなかったのは、
私の知識と経験値、そして、常識と言われるものに対抗する覚悟でした。

…20年前の保育の実態は、きっとほとんどの保育所が同じような感じだったと思います。

元気キッズでは、少しづつ「子ども主体とは何か」考え、職員みんなで工夫をして保育を改善していきましたが、それでも一斉保育からはなかなか脱却ができませんでした。

時代は流れ
いよいよ2015年の「OECD教育2030」にて、VUCA※の時代がくる。不確実性の高い世の中に突入するぞ。と発表されました。
(※VUCAの時代=Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとった造語)

どこの団体にも所属していない私は、情報源が限られていて、その頃はOECDのいうことが絶対でした。
そして、
2018年の頃に
いま変わらねば子どもの未来に責任を持てなくなる
と、心が震え出し、
いま変わるんだ
と、保育を変える決断をしました。
元気キッズはトップダウンなことはあまりしないのですが、この時ばかりは、不退転の覚悟で職員に伝えました。
2018年12月だったと思います。

まず行ったのは、
職員、保護者への説明。
YouTubeを使いオンライン講座を数回実施し、アーカイブをYouTubeで限定公開。
職員むけには、リーダ以上を集めたミーティングで、未来から逆算した思考法(フューチャーマッピング)を使い、3年後の姿から今を導き出し、何をすべきかを明確化。
環境構成の基本的な考え、自由保育への足がかりで試す一年が始まりました。

2019年は本当に模索の一年でした。
何をしていいかわからず、とにかく本を読んだり、実践したりしました。
ただ、これは、本だけではダメだとすぐに気が付き、試行錯誤しているうちに、
ある職員から「ピラミーデメソッド(ピラミッドメソッド)」の提案がありました。
ピラミーデメソッドは以前より文献などは拝読・精読していて、とてもすてきな保育だと知っていたので、すぐに講師の勝山先生をお招きして改革へ。
3日間の研修を年に数回行い、職員たちも必死についてきてくれました。

私自身も、YouTubeで講座を作り、ピラミーデとは、乳児保育とは、環境構成とは、ドキュメンテーションとは、などをライブ配信し収録。
職員は代表が本気なんだと感じとってくれたと思います。

YouTubeアーカイブ

たくさんの時間と労力をかけました。
職員のみんなは本当によく頑張ってくれました。
保護者のみなさまも不安の中、ついてきてくれました。

そんなことを1年、2年と続けていった結果、
職員たちの顔が変わりはじめました。
最初の頃は遊んでいるだけでいいのか?と不安な顔があった先生たちも、子どもたちが黙々と楽しそうに遊び込む姿を目にし、また、先生の声がほとんど聞こえない静かな保育室で、子どもたちの静かな話し声が聞こえる穏やかで心地よい空気を実感しはじめました。
遊び込むための「おもちゃの質と量」と「時間の大切さ」を肌身に感じとり、
遊びに集中できる子どもたちと、発達課題がある子どもたちが、ともに遊び込めるよう、遊び込めない時がないよう、しっかりとフォローできる余裕もできました。

このような環境が作りあげられていく過程は、本当に感動の連続でした。

3年後に職員から、とても嬉しい言葉をもらいました。
「代表が3年後の未来を考える機会をくださったおかげで、今の環境ができました。あの時、行動変容して大変だったけれど、変化の手応えを感じながら過ごした時間がとても心地よかったです。」
 

私が行ったことは、

  • ビジョンを共有し、何が必要かを主要メンバーで考える時間を作ること。
  • 代表自ら、勉強し、伝えていくこと。
  • 研修の機会、時間をしっかりとること。
  • 保護者を疎かにしないで、しっかり意図を伝えていくこと。
  • なぜイベントが少なくなるのか?なぜ一斉保育をしないのか?小学校で大丈夫なのかを丁寧に伝えていくこと。
  • 環境構成への費用は惜しまず、積極的に使うこと。
  • 質の良いおもちゃをたくさん用意すること。

保守的な保育業界ですが、変わろうと思えば変えられます。
理事長先生、代表の先生の決意と、職員の熱意があれば変えられます!

ぜひ、子どもたちのために、保育の質を高めて行きましょう!!

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株式会社SHUHARI
元気キッズグループ 代表 中村敏也

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中村敏也メルマガ vol.40 スウェーデン視察研修 旅行記(回想3)

参考:メルマガバックナンバー 2024.9.24 配信

中村敏也メルマガ vol.40 スウェーデン視察研修 旅行記(回想3)

 


中村敏也メルマガ


中村敏也メルマガ vol.39
スウェーデン視察研修 旅行記(回想2)

こんにちは。
株式会社SHUHARI 中村敏也です。

先週、今年の大きな目標の一つであった
「あたらしい保育イニシアチブ2024」を開催。
今回は実行委員だけでなく、セッションリーダーという大きな役目を頂きました。
セッションは登壇者の皆様のおかげで満員御礼、立ち見、入場制限となりました。オンライン参加を含め、お聞きにいらしてくださった皆さまに心より御礼申し上げます。
また今度、そこでどんな話をしたかをメルマガにしてみたいと思っています。

さて、本日のメルマガは、
前回に引き続きスウェーデンのお話です。
障害者の支援施設
日本でいう生活介護の場所と、ジョブコーチの施設に伺いました。

日本では生活介護事業所にあたる施設である『LILJAN』

『LILJAN』

ILJANは集合住宅が立ち並ぶ駅近の住宅街のビルの中で運営されています。
利用者の皆さんは、たくさんのアクティビティから、やりたいことを選択します。

LILJANにて
LILJANにて

利用者の皆さんが制作した作品
シルクスクリーンでのプリント
シルクスクリーンでのプリント

毛糸を使っての編み物
毛糸を使っての編み物
ダイナミックでユニークな作品

休憩できる場所もお洒落
休憩できる場所もお洒落
絵画は利用者の方の作品

充実した活動プログラムの他にも、
利用者はそれぞれやりたいことをサークルとして取り組んでいます。
演劇サークルなどの作品も見せていただきました。
次回の劇に使う小物を製作中とのこと。
次回の劇に使う製作中の小物
次回の劇に使う製作中の小物

 
主活動の他に余暇の活動グループなどに属して、それぞれが自分らしくいられる場所。
何かをさせられるのではなく、自分で選ぶ世界。
日本の生活介護では、余暇と仕事に別れていますが、決まったことをルーティーンでこなす事業者が多く、大きな差を感じます。

ここLILJANで一番印象的だったのが、利用者の自治のあり方です。

支援者の隣に、利用者の方が一緒に

施設に滞在中ずっと支援者の隣に、利用者の方が一緒にいてくださいました。
この方は、全てのアクティビティの場所で、それぞれ利用者の方を紹介してくださり、作品についてもたくさん教えてくれました。

どうしてなのかなと思っていたら、
なんとここには利用者の労働組合があり、そこのリーダの方だったのです。

障害者の通所施設に、利用者の労働組合があるのってなんとも素敵な驚きです。
労働組合は、事業所の自治にしっかりと参加して、処遇の改善や、アクティビティへの意見をしっかり伝える仕組みがありました。

ただ支援を受けるだけでなく、しっかりと意見が言える仕組みに感動!
まさに民主主義が全ての領域に行き渡っていることを実感しました。

 
午後に訪問した場所は、
ジョブコーチの施設『MISA』
ジョブコーチの施設『MISA』にて
MISAにて

今年の前半に日本で職場適応援助者(ジョブコーチ)の認定を受けたばかりの私。
福祉先進国のスウェーデンの仕組みをいざ学ぼうと前のめりに話を伺う。

MISAにはジョブコーチとの面談や、机上課題のプログラムを受けにオフィスを訪れる利用者がリラックスして過ごせる環境があります。
いかにも事務所のような雰囲気が多い日本の就労支援移行の事業所に比べて、圧倒的におしゃれでした。

素敵なソファと静かなBGM
素敵なソファと静かなBGM

支援内容は、日本と大きな差がなく
利用者のニーズをふまえ、就労に必要な技能の習得
生活基盤を整える支援
そして、就労先を探す営業
がジョブコーチの役目でした。

福祉先進国のスウェーデンは、効率的な社会の仕組みに定評があります。
しかし効率性が進んだ結果、人的な資源が必要な場面が少なくなってきていて、人的資源として活用されてきた障害者の就労先が少なくなっているという。
社会課題はいつまでたってもあり続けるものなのだろう。

ジョブコーチと利用者さんと記念写真
最後にジョブコーチと利用者さんと記念写真

普段は写真はNGとのことですが、
利用者の方に気軽にOKと言っていただけました。
ジョブコーチとの繋がりの深さを感じます。

 
話は変わりますが、街を歩いていると素敵な公園ばかり
素敵な街並みに気持ちが和みます。

素敵な公園

時折、何匹もの犬を散歩している人を見かけます。
しかも何人もそのような方います。
犬のベビーシッターの方達でした。

スウェーデンには犬にも人権ならぬ、犬権が保証されていて、飼い主は6時間以上放置してはいけないという法律があるとのこと。そのため犬を飼う人で日中世話人がいない方は、犬の幼稚園や、犬シッターを雇うのだそうです。
そして、このシッターさんこそ、就労支援での就労先の受け皿にもなっているとのことです。

様々な場所、仕組みで、循環社会が形成されているスウェーデン。
循環を目指すのではなく、民主主義を進めてきた結果の姿なのだと腑に落ちます。社会民主主義こそが、次に向かう社会なのではと思います。

また次回もスウェーデンの回想録を配信予定です!

 
最後に、宣伝です。
10月7日(月) 午前9時30分より
元気キッズの保育施設、療育施設の見学ツアー第2弾
を行います。
今回は午前中のみで、私の講演などはなく、現場見学メインでのツアーです。
前回予定があわず参加ができなかった方、もっと中村と話してみたい方などいらっしゃいましたらぜひご参加ください。

▼詳細は以下リンク先をご参照ください(事前のお申し込みが必要です)
元気キッズの保育施設、療育施設の見学ツアー第2弾バナー
https://genki-kids.net/1463

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株式会社SHUHARI
元気キッズグループ 代表 中村敏也

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あたらしい保育イニシアチブ2024

「あたらしい保育イニシアチブ2024」
大変多くの保育関係の皆さんが東大に集い、子どものたちの今と未来を考える保育の祭典が、無事に終わりました。

保育業界には大きな団体がいくつかあるのですが、いろんな壁をぶっ壊してみんなで集い、みんなで盛り上がりました。

今年は実行委員とセッションリーダーを務めさせて頂き、
「ふつうって何?」というテーマで、
埼玉が誇る子ども村を運営する柿沼学園の柿沼理事長、
日本を代表するアーティストであり、武蔵野美術大学の教授である高橋理子さん
をお呼びし、熱いセッションを繰り広げました。

普通とは程遠い方達に、「ふつう」を話してもらう
なんとも難しいファシリテーション。
笑いあり、本音が飛び出す場面があり、とても有意義な場所になりました。

高橋さんから、
『普通は私の隠れ蓑』という言葉。
義務教育時代、いかに自分が目立たないようにしていたか。目立つと叩かれるし、いいことないと思ってたと。
いやいや、僕としてはそれでも溢れんばかりの才能を見せつられてきたけどと思ったけど(笑
(高橋さんとは小学校からの友人なのです)

柿沼さんから、
『人として当たり前のことをする大切さ、ふつうってそれぞれに違うんだから、認め合うこともそっとしとくことも必要。困っていればただ手を差し伸べればよい。
それってふつうだよね』と。

私からは
『定員割れするから児童発達支援をするわけじゃない。そこに手を差し伸べなければならない必然があり、たまたま児童発達支援が必要ならばやるべき。
目的と手段を間違えないことが大事。』

このセッションの目標は、
聞き手の皆さんに考える余地を渡すこと、なんかモヤモヤするけど、ふとした時に思い出して考えてみることができる情報とかきっかけを作りたいと思っていました。

聞いてくれた方、何人かから『改めて振り返って考えてみたい』という言葉を頂けよかったです。
おかげ様で、満員、立ち見、入場制限が出るほどのセッションになりました。
お二人の魅力のおかげです!
会場の皆さまのおかげです!
あー!楽しかったー!!

株式会社SHUHARI
元気キッズ 代表 中村敏也

中村敏也メルマガ vol.39 スウェーデン視察研修 旅行記(回想2)

参考:メルマガバックナンバー 2024.9.9 配信

中村敏也メルマガ vol.39 スウェーデン視察研修 旅行記(回想2)

 


中村敏也メルマガ


中村敏也メルマガ vol.39
スウェーデン視察研修 旅行記(回想2)

こんにちは。
株式会社SHUHARI 中村敏也です。

スウェーデンの視察研修から帰国し、回想1を配信後、忙しさの波に飲み込まれてしまい2ヶ月以上メルマガを放置してしまいました。少し時間は経ってしまいましたが、回想2を書いていきます。

2日目からは
スウェーデンの保育園の就学前学校に実習へ。

こちらは、大変異例なことで、個人の人権に大きなリスペクトがあるスウェーデンで、部外者を保育に参加させるということは、かなり警戒されて難しいらしく、
国の視察団でも聞いたことがないと聞きました。

ChaCha Children & Co.の30年の海外研修の実績、スウェーデンとの結びつきで初めて実現したとのこと。そんな機会に参加できた私はなんと運の良いことか。

初日に訪問した施設は
Orgona Förskolaオルゴナ就学前学校(私立)

住宅街にある就学前学校
すぐ近くに森があり、園庭も自然があり遊びの環境が充実している。

自然が多く遊びの環境が充実の園庭
自然が多く遊びの環境が充実の園庭

 
園庭にいる子ども達の声のみ聞こえ、保育者の声はほとんど聞こえない。
とても穏やかに皆が過ごしている。

保育者の配置も5対1であり、人的にも余裕がある。

環境も人も余裕が感じられるため、子どもたちが安心して過ごせている。

補食時間になり、
園庭にてりんごが配られる。
みんなで集まって食べ、小さなサークルタイムが始まる。
先生が日本人の私たちを紹介してくれて、質問などしてくれた。
子ども達には、ポケモン、ナルトは鉄板だ。
つかみはOK。

探究学習へのアプローチ
探究学習へのアプローチ

 
保育室に入ると、
狙いのある環境、探究学習へのアプローチ。

特にレッジョエミリアアプローチを取り入れている就学前学校なので、科学的な思考と、アートへ対する取り組みが際立っている。
アートとサイエンスがしっかりと幼児教育の中心にあり、やっていこうとしていること、やりたいことなどが伝わってくる。

保護者との関わりも、保育に参加してくれる仕組み作りが上手で、
子ども達が取り組む造形課題と同じ素材を保護者会の時に用意し、親にもチャレンジしてもらったりして、いかに子ども達が素晴らしいことをしているか、大人でも難しいことにトライしているかを体験してもらっていた。

午後は、
スウェーデンと日本の教員同士でお互いにプロジェクトの発表を行った。

保育室でのプロジェクト発表
保育室でのプロジェクト発表

 
スェーデン側の発表からは、
科学的アプローチの大切さを、真実を発見する楽しさを3歳のころから積み上げて行くことの大切さが伝わってきた。
何事も育ち積み重ね、連続することが大切であることを学ぶ。

日本側も発表。
そこで私は、医療的ケアが必要な子への保育の実践例を発表。



中村の発表

 
英語のプレゼンでとても緊張したが、
発表の最後に「日本の希望だ」という言葉をいただけた。

そもそも、スウェーデンでは発達障害などの障害を抱えている子は保育を受ける順位が一番高い。障害があろうがなかろうが100%保育を受けられる。
ただし医療的ケアが必要な児童は、
特別なチームがいる施設で保育を受けるのが通常。
一般的な保育施設では安全面で難しいという発言もあった。

やはり安全への配慮問題は、世界共通だ。

そして、
保育をインクルーシブで行うことが、
当事者にも、周りの方にも、
とても良い関係が生まれることを再認識できた。

スウェーデン視察研修 旅行記は、
時を見てまた配信いたしますので気長にお待ちください(笑)

 

さて、一つ告知です。

来週9月16日(月・祝日)に、
東京大学で保育の大きなイベントがあります。
あたらしい保育イニシアチブ2024

今年で3回目となる、保育の今と未来をみんなで感じるイベントです。
保育、幼児教育に関わる方はぜひご参加ください。

多くのセッションがあり、どれも見応え、聞き応えあるものばかり。
きっと、素晴らしいインスピレーションが得られると思います。
実際に会場へ行けない方はオンラインでの参加もできます。
ぜひこの機会に、保育の『イマとミライ』を感じてください。

ちなみに私もセッションを持っておりますので、
中村の顔を久々に見ようかなって方がいらっしゃいましたら、ぜひお顔を見せてください。ものすごく喜びますw
お申し込み期限は9月12日(木)まで。締め切り間近です!!
よろしくお願いいたします!

※参加には事前チケット購入必要です
※チケットの販売締め切りはリアル参加、オンライン参加ともに9月12日(木)になります。
詳しくは以下リンク先のぺージをご参照ください。
あたらしい保育イニシアチブ2024バナー
https://hoiku-initiative.jp/event/hoiku2024/

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困っている保育所の足元を見た高額な人材紹介会社に頼らず、自力で採用できる力を、すべての保育所が持つことができれば、より良い保育環境が広がるはずです。

子どもたち、保護者、保育士にとって、とても幸せな世界になることを願って、少しでもお力になれれば幸いです。

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中村 敏也

Nakamura Toshiya
埼玉県内に、保育園、児童発達支援施設、保育所等訪問支援事業所、病児保育室、放課後児童クラブ、放課後等デイサービス、相談支援事業所を運営。子どもが笑顔で過ごせる保育園にするためには、職員が楽しめる職場であることが重要。職員が意見を言いやすい職場の雰囲気作りや福利厚生面など、働きやすさも重視した環境作りに力をいれている。
株式会社SHUHARI代表取締役
新座市子ども子育て会議委員
中村敏也