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中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.11

参考:メルマガバックナンバー 2021.1.21 配信

中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.11 地域社会を変える保育園への道6

 


中村敏也の元気キッズ保育園の秘密


こんにちは。
株式会社SHUHARI 中村敏也です。

随分と日にちが空いてしまいましたが、久々のメルマガ配信です。

「発達支援を考えたきっかけ編」をお話させていただきます。

子どもたちが最高の笑顔になる場所を増やして行くぞーと、
気合たっぷりに施設数を増やしていった中村青年ですが、
施設が増えるごとにあるモヤモヤが増えていきました。

それは、発達に課題がある子どもに出会う数が増えていっていること。

厚労省によると、人口の6.8%に障害を抱えているというデータがあります。
素直に数字を児童に合わせていくと、20人のクラスに1人は、何かしらの障害を抱えている計算になります。
実際の現場では、その数以上に発達に課題感がある子どもたちに出会うという印象があります。
10人に1人程度の実感です。

本来ではあれば、発達に課題がある子どもも保育園で、定形発達の子ども達とともに育つことが大切です。
しかしながら、当時の私たちの本音はというと…

あ、きてしまった。。。

という気持ちにどうしてもなってしまっていたのです。

なぜかというと、
どうして、話を聞いてくれないの?
どうしてみんなと一緒に保育に参加してくれないの?
どうして会話をしてくれないの?
どうして座っていてくれないの?

と、どうしていいか分からないので、とっっっっっっっっても不安でした。

いっぱいいっぱいになった保育園は次にどうするかというと、
こう言ってしまうのです。

「保育園では支援できないから、療育に通ってください!」

と。。。

受容していないご家庭にそんなことを伝えたらどうなるか。

「そんなことない!」と怒られたり、
「うちの子を障害児呼ばわりするな!」と怒られたり、
「ひどい・・・」と怒られたり、、、

色々と怒られます。

怒るということは・・・、つまりは、保護者を思いっきり傷つけてしまっていました。

そんなことを何度も繰り返すうちに、子ども達を笑顔にしたいのに、できない
というモヤモヤというが溜まりに溜まり、
「どげんかせんといかんとです!っ」という想いが湧いてきました。

そして、同じ想いを抱えた職員とともに構想を練り、
平成27年1月にお預かり型の療育施設、児童発達支援元気キッズを立ち上げました。

今、思い返すと、
立ち上げの相談に市役所へ行った時には「本当にできるの?」という冷たい目線や、周りからも「またなんか始めたよ」なんて陰で言われたりしていたようですが、全く気になりませんでした。
「この施設ができればきっと何かが変わる」と確信みたいなものがなぜかあったのです。

周りの冷ややかな目線を受けながらの開所でしたが、
平成26年12月にチラシとホームページへのPPC広告のみでの告知活動をしたところ、大きな大きな反響がありました。

平成27年1月の時点で、1日の定員10名のところ6名程度の稼働が望める状況になり、平成27年4月からは待機児童が出る状況になりました。

経営的にも新しい事業が生まれたことにより基盤ができたということもありますが、もっと良いことの発見があったのです。
この施設を立ち上げて大きく変わったことが2つあります。

●1つは、私たちの気持ちの面。

以前は、課題感のある児童への支援が難しく、
子どもが来るたびに、どうしよう。。。と不安になっていたのですが、
児童発達支援ができたことで「どうぞ来て来て?」と言えるようになったのです!

もう雲泥の差です。
やっと、ちゃんと子どもに向き合える場所ができたことは大きな変化でした。

●そして、もう1つは、保護者。

どこへも行く場所がなかった子どもたちに、毎日通える場所ができたこと。

保育園ではなくて、療育施設なので、「就労要件」はないため、
子どもを預けている間、保護者は何していても良いのです。。
家事をしても、買い物をしても、お友達とランチ会をしても、寝てても良いのです。

課題感を抱えた子どもの保護者は24時間、我が子のことを考え、悩み、
うまくいかない子育てに苛立ち、そして、私の子育てが間違っていたのかな?
と自分を責め立てたりすることもあるでしょう。
きっと心が休まる時ってないのではないかなと思います。

そんな時に、療育の場所が、保育機能を持って、預かりながら療育をすることで、
保護者の相談にも乗りながら、保護者は少し、心と体を休める時間が取れるのです。

子どもの発達にとって大切なことは、
「安心、安全」の保証です。

保育でいうと、養護。
子どもはまず、「ここにいていいんだ。安全なんだ。認めてくれる」という環境があって初めて冒険に出ることができます。

安心安全の基地があることが、自発的な行動を誘発します。
それこそが発達にとって、とても大切なことです。

ただ、発達の基本はどこかというと、やはりご家庭です。

家庭が安心安全の基地になるためには、まず生活が安定しないと難しい。
そこで、保育型の児童発達支援が、保護者のレスパイト(一時休止・休息)になり、肩の力が少し抜けて、笑顔が出てくる。
それは、子どもにとって安心安全な場所になるのです。

このように保護者の顔にも笑顔を見られるようなったのが、大きな大きな変化でした。

12月のチラシを撒いた時に、そのチラシを持って面談にきた保護者から
「ポストにこのチラシが入っていたの見て、サンタさんからのクリスマスプレゼントだと思いました」
と言ってくれたのが忘れられません。
きっと藁にも縋りたい思いだったのでしょう。

本当にこの事業を立ち上げてよかったと思いました。
あの時、決断して本当によかったと思います。

次回は、「療育施設の中だけで笑顔じゃだめじゃん! 編です」

【お知らせ】
時代の流れにのって、元気キッズでYouTubeチャンネルを開設しました。
https://www.youtube.com/channel/UCsFNS2fUxCBLQXAeGKc4sXg

基本的に保護者向けに作成をしていきますが、
いまこのタイミングで情報の発信の手段を持つことがとても大切だと思います。
手探りかつ手作りでやっていきますが、
保育園経営や幼児教育にとって何かのヒントになる情報を発信して参りますので、
ぜひチャンネルの登録をお願いします。

 

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株式会社SHUHARI
保育園元気キッズ 代表 中村敏也

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「多幸感」と「子育て」

「多幸感」と「子育て」

「なんだか最近疲れているなぁ」って感じている方、多いと思います。

私自身も、なんだか肩が重いなぁ。寝ても疲れが取れないなぁと感じることが多いです。

もともと楽観的な性分で、あまり気分が落ち込むことがないのですが、最近はふと疲れたな。早く寝よっとと、21時に過ぎにはベッドに潜り込み子ども達とともに寝て、途中で目が覚めて、眠れなくなるということがあります。

しかし働き盛り世代としては、仕事で悩みが多いのは当たり前だし、もっと頑張らないとって思いがちです。特には日本人は総じて真面目だし辛いの当たり前、もっとがんばれ信仰が根強いです。

しかし、頑張り過ぎて身体を壊してしまうのもなんだかオカシイ話でしょと最近すごく思います。

特に、この新感染症の影響で、毎日暗いニュースがTVで報道され、テレビを消してネットサーフィンをしても、ネットニュースでも、そのことばかり。。。

無意識に心が疲れてしまっている方が多いのではないでしょうか?

そこで、少しだけ毎日が元気でいられるコツをお伝えします。

それは、身近な「小さな幸せ」に気づくことです。

朝起きがけに子どもをハグする
朝起きて、コーヒー豆を挽き、香りを楽しむ
今流行りの高級食パンを思い切って買ってみて、朝トーストにして食べる
アロマオイルを加湿器に入れて気持ちをリフレッシュする
朝、子どもと一緒に今日やりたいこと、放課後の楽しみなどを話す
出勤時に好きな音楽を聴く
朝の冷たい空気を、寒いと思うではなく新鮮だーと錯覚する
お昼休みに15分の「昼寝」をして頭をスッキリさせる
疲れたらリフレッシュで好きなお菓子を一口頬張る
仕事は早めに切り上げ、我が子のお迎え時に、ただいまーって思いっきりハグしてみる
帰宅したらまずお風呂に入って、ゆったりする。
ご飯は手抜きして、冷凍ご飯を献立に入れてみる。
夕食時は、子どもとの会話を思いっきり楽しむ。変なことを話してみんなで笑う。
我が子とyoutubeのあやとり動画をみて、変な解説に面白いねーと言いながら一緒にあやとりを楽しむ
意味もなく子どもをハグする
寝る前に、絵本を一緒に読んで、役者ばりの声の強弱をして役になりきる。
子どもと手をつないで寝る

など、生活の中で、楽しいな、面白いな、幸せだなっていう瞬間を楽しむことだと思います。これが「多幸感」なのかなと思います。

先のことを考えても今はわからない。

だからこそ、家族や子育ての中でのエピソードを大切にして、日々の楽しみを見つけると良いと思います。

すると、自然と疲れが溜まりにくくなり、気持ちも軽くなるように感じます。

「笑顔で元気に楽しく」

を続けると、自然と暖かい気持ちになり、暖かい人たちに囲まれると思います。

元気キッズの職員はみんな元気で明るく楽しい先生ばかり。

感謝感謝です。

それではまた。

 

元気キッズ
代表 中村敏也

令和3年の御挨拶

新年あけましておめでとうございます。

皆様にとって素晴らしい年になりますようお祈り申し上げます。

さて、一年の始まりは、今年何をしようかと思いながらノートにマインドマップを書いていくのでですが、昨年からの大きな変化を迎えている今日、これからの時代を生きる子ども達にとって大切なことは何かを深く考える元日でした。

現在、世界的に猛威を振るう新型感染症ウイルスは、とても怖い病気ですが、歴史を見ていくと、このようなパンデミックを境に時代が変わっていく側面があります。

ヨーロッパでは14世紀の黒死病のあと、新しい機会や創造性や富が生まれ、そこからルネサンスの芸術や文化や概念が開花し、近代ヨーロッパが始まったと言われていたり、 19世紀初頭のフランスのコレラ菌の流行で、公衆衛生や法律が整備されていったなど、社会の大きな変化のきっかけを起こすのが、感染症であると言う側面があります。

大きなトレンドを考えると、現在の資本主義の評価に疑問を持つべきかなと。

アメリカが有利になるために開発されたGDP(国内総生産)と言う手法ですが、GDPが高いからと行って国民全体が幸せかというと近年は疑問符がつくと思う。

かつて、日本は戦後から復興していく中、高度成長期を経験し、物、所得が増えていくこと=幸福と言う価値観が生まれました。その中で、GDPと言う手法はとても効果的だっと思います。

しかし、現在は、ある程度の生活水準が保たれ、公衆衛生や公共交通機関の発達など、社会的インフラも整った中、戦後の復興と、現在とは違った尺度が必要だと思います。

所得や学歴などで誰かと比べて、私の方が優れているという価値観を助長しかねないのが単に所得の増減の手法のGDP。でも、もう大きな所得の改善をしなくても、ある程度生活できる日本や成熟国家では、あまり意味がないのではないかと。

それよりも、より個が幸せと感じることが大切だと思うのです。

自分が知りたいことを知る喜び、大好きな人とともに過ごし、地域の生活を大切にし、心地よく生きる喜び、誰かと比べ続けて疲弊するのではく、自分が何を大切し、何に感動し、何をしたいかという自分軸を持つ=主体的な生き方が大切だと思います。

さて、このように大きな変化の時代に、我々世代は子ども達に何を残すことができるのでしょうか?

それは、これからの世界で充実した人生を歩んで行けるようにサポートし、また道を整えていくことだと思います。

不確定な時代、何が正解なのかはわからない。

BESTな正解は見つけられないが、BETTERな選択を一人一人がし続けることで、次の世代に今よりもちょっと良い社会を受け渡しできると思います。

そのためのキーポイントが、

自分軸をもち(主体性)、
たくさんの経験、知識を学び(探究学習)、
仲間と協力し、地域で豊かに過ごす(社会性)を身につける
ことだと思います。

家族での食事を楽しんだり(対話)、
散歩し季節の移り変わりを感じたり(興味・好奇心)、
近所の異年齢の友達と遊び込んだり(メタ認知能力)、
すれ違う方に挨拶をして、挨拶をし合うと気持ち良いを感じたり(社会性、共感性)、
農作物直売で生産者の顔をみて買い物したりなど(地域との繋がり、食への興味)、日常のちょっとした幸せを感じること(多幸感)
が大切だと思います。

社会を変えるのは、誰か一人の英雄ではなく、小さな一人一人の行動の変化です。

これからの子ども達のために、何ができるかを考え実行していく一年にしていきます。

今年もよろしくお願い申し上げます。

 

 

元気キッズ
代表 中村敏也

ピラミーデメソッドの保育のカタチ

前回、真の子ども主体の保育の実現のためにピラミーデを導入するとお伝えしました。

具体的にピラミーデ保育とはどのような保育なのかを説明する前に、私が何を大切にして保育園を運営しているかをお伝えします。

 

「遊び」こそがこれからの時代に必要な生きる力を育みます

この大きな変化の時代、不確実性な荒波の中を、子ども達は生きて行かなければなりません。
そのような時に頼りになる力はとはどのような力でしょうか?
きっと保護者の皆様も、IQのような知力やテストの結果で判断される学力が唯一の力とはお考えにならないでしょう。

マルチプルインテリジェンス(MI理論)いう言葉をご存知でしょうか?

1983年、ハーバード大学教育大学院認知心理学教授、ハワード・ガードナーがMultiple Intelligences Theory (MI理論)を発表、従来の知能という概念を大きく前進させました。

彼の理論によると全ての人間には

①言語的知能
②論理・数学的知能
③空間的知能
④音楽的知能
⑤身体運動的知能
⑥対人的知能
⑦内省的知能
⑧博物的知能

という8つの知能が備わっていると明言しています。

海外ではこの広義の知能が認知され、既に教育の世界にも導入されていると言えます。
日本では、いまだに知力とは①言語的知能や②論理・数学的知能を指していることが多いと思います。
しかし、実際に生きていく上で必要な知識は、空間的知能だったり音楽的知能だったりと多岐に渡ります。
このような知能をバランスよく育むことが、これからの不確実な世界でよりよく生きるために必要なことなんだと私は考えます。

話しが長くなりましたが、言いたいことは、我々保育者としては、どうしたらこのような知性が育まれるのかということです。

そのカギが「遊び」なのです。

子供たちは、遊びに夢中になっている時、物凄い集中力を発揮します。

お友達同士で遊ぶ時、独自のルールが出来上がります。そこで、個々の力に差がある場合は、誰もが楽しめるようなルールを勝手に作っていきます。
遊びこそが、自分が知りたいことを主体的に探究し、創造性を刺激し、また対人コミュニケーション能力を発達させます。

まさにこれからの社会に必要な、「創造性」「主体的に考え行動できる力」「人に共感し、協力しながらやり遂げる力」などが遊びを通じて育まれます。

そうすると、私たち保育者が、保育の現場でやらなければならないことは、子供達への「遊びの保証」です。
継続的に遊びができる環境が必要不可欠です。

 

「環境設定」を整える

子ども達が十分に遊べるため、まずやらなければならないことが、保育環境を整えることです。

そのためには次のサンマ(3つ間)が大切です。

【人間】
保育室の中で子どもとの関係。
保育者はあくまで誘導する立場。
子ども達が主体的に遊びを選択できるように誘導する。

【空間】
視覚化=子どもの視点から見て、誰でも見てわかるような環境「量」と「質」にこだわったおもちゃ。
質が良くても数が少なければ十分に遊びが発展していきません。良質なものを十分な量を用意することが大切です。
コーナー保育「積木」「おままごと」「製作」「絵本」「レゴ」など、それぞれのコーナーで子ども達が集中して遊べるコーナーを用意する。
「動」と「静」の2つのタイプに分かれ、それぞれの環境を阻害しない配慮は大事。

【時間】
たっぷりと遊ぶ時間を保証する
乳児期にはそれぞれのリズムに合わせた活動を行う。

 

一斉保育ではなく、子どもが自分で活動を選ぶ自由保育

子どもが主体的に活動することがもっとも大切なことであるとすると、今まで日本で主流であった一斉保育だと保育設計に無理ができます。
皆が同じことをするとなると。どうしても先生が主導する保育になってしまい、子どもが主体的に選んで活動することができなくなります。
子ども達は、自分が選んで決めたことは、しっかりと集中してやります。
私たち大人でも。人に指示されてやることほど、乗り気にならないことはありませんよね。
ただし、まだまだ幼い子ども達、自分だけで決めることがむずかし場合があります。
そんな時に、保育士は、そっと手助けをし、遊びを誘導することが大事です。

 

プロジェクト型保育

自由保育と言っても、ただ自由に遊ばせるということではありません。
月ごとや季節ごとにテーマを設定し、子ども達に学んで欲しい、触れて欲しいことを保育者は準備をします。
例えば、12月であれば、秋から冬に切り替わる時期。この季節の移り変わりをテーマにした場合は、1週目に興味が出そうな絵本や、写真などを子ども達の目に触れるようにしたり、お話を読み聞かせたりします。2週目に実際の自然に触れる活動をし、落ち葉を集めに公園に行ったりします。気温が低く寒くなることが予想される日には、前日に前もってバケツに水を張って、氷ができる様子を見てもらったりします。
このように、保育士はテーマごとの準備をしっかりすることで、子ども達に学んで欲しいことを誘導していくことが大切です。

 

怒らない・叱らない 伝える保育

元気キッズでとても大切にしていることがあります。
それは保育士は、むやみに怒らない・叱らない。ちゃんと気持ちを伝えることを大切にしています。
子どもの行動には必ず理由があります。その理由を理解することが保育者の大切な仕事です。
望ましくない行動をした時に頭ごなしに怒ってもなんの解決もなりません。むしろ子ども達の自尊感情を大きく損わせることになります。
保育士は全身全霊で、子どもの気持ちを汲み取ることこそが仕事です。

 

導入を進めて感じたこと

このような考えでピラミーデ保育を導入を進めている真っ只中ですが、物凄い手応えを感じております。
例えば、コーナー保育をしていくと、走り回る子が激減し、やりたいことに没頭している姿を多く見られます。
夏前に比べ、レゴの出来がどんどん複雑になっていたりしてびっくりしました。
何より、今までにもまして、子ども達が楽しそうに保育に参加し、まるで我が家のようにリラックスしている様子が見受けられます。

まだまだ道半ばですが、これからもピラミーデの保育理論を基本として、子ども達にとって最高の場所になるよう職員一同励んでまいります。

 

保育園、児童発達支援事業所
元気キッズ
代表 中村敏也

元気キッズが目指す、真の子ども主体の保育(ピラミーデメソッド)について(導入編)

昨年度の終わりに、保護者の皆様へお伝えしたことがあります。

「子ども主体の保育を実現するために、乳児部は乳児担当制、幼児部は縦割り保育、自由保育に切り替えていくと」

変革の年として、変容する保育にご協力をお願いしたところ、御父兄の皆様が賛同いただけたことにより、職員も安心して変化をしている段階でございます。皆様のご協力、心より御礼申し上げます。

さて、元気キッズが目指す子ども主体の保育を説明いたします。

1.ピラミーデメソッド導入のキッカケ

令和1年12月より、認可保育所に自由保育、縦割り保育などをどのように導入すべきかを委員会を立ち上げ、勉強をして参りました。他の保育園への視察や、モンテッソーリ、シュタイナーや、日本初の赤い鳥の保育理念など、他の子供主体と言われる保育の本の読み合わせなど行い、万全ではないが、まずはやってみるという形で本年度がスタートしました。

新型コロナウィルスの影響で、大きな不安が渦巻く中、子ども達に過度な影響が内容少しづつ変化していく保育内容でしたが、これといった見本がない中前に進むのはとても難しかったです。

そんな中、本年度開所の 認可保育所 元気キッズ第二朝霞根岸台園のチームが提案してきたのが”ピラミーデ”という保育手法でした。

世界一、子どもが幸せな国のオランダで生まれたピラミーデメソッド。イエナプランというアクティングラーニングに最も最適だと思われる教育手法への接続プログラムとして機能している保育手法です。

私自身も10年以上前からその存在は知っており、本も読み込んでいてとても素晴らしい保育理論だと知っていたので、職員の申し出を受けすぐにオンライン研修を申込、希望する職員に参加してもらいました。

平日の夜だというのに本当に多くの職員が率先して参加し、改めて、意欲の高い職員に囲まれて幸せな環境だと思うのと、見本を示すことができていなかった責任を痛感いたしました。

この研修は本当に大きな大きな衝撃を皆に与えてくれました。

 

.ピラミーデが目指す保育

ピラミーデメソッドが目指す保育環境とは

「子どもの自尊と自律を育てる保育環境」

研修では、子どもの最善の利益を守る当たり前のことを再度認識、またその方法論も根本から考えさせられました。

子ども達の発達にとってとても大切なことはまずは安心感だということ。

空間 安心の中で、遊びに没頭できる環境
人間 先生との関係、お友達との関係
時間 たっぷりとやり込める時間、生活リズムにあった時間

全てが子ども目線で環境設定を見直し、先生との関係を見直し、時間の捉え方を一変していきました。

今までのように、先生が指示を出して子ども達がそれにしたがっていくスタイルでは、

自分の人生をコントロールするための主体性が育まれ難いということを、多くの事例により学びました。

1に、子ども目線、2に子ども目線、3に子ども目線。

全てが子どもからみた視界で物事を見ていくと、真の子ども主体が見えてくる気がしてきます。

 

具体的な導入時期

とても大きな大きな衝撃を受けた研修でしたが、実際、どのように自分達の園で実現していくのかというのが大きな課題になりました。

そこで、コロナが落ち着いた10月に実際にピラミーデの講師を園にお呼びし、具体的な研修を行いました。

そこから環境設定や、保育の手法について具体的なアドバイスをいただき、現在段階的に導入を進めています。

まずは環境設定から変えていき、より主体的な保育ができるよう保育内容も変化していきます。

次回は、ピラミーデメソッドが提案する保育のカタチをお伝えいたします。

 

保育園、児童発達支援事業所
元気キッズ
代表 中村敏也

中村 敏也

Nakamura Toshiya
埼玉県内に、保育園、児童発達支援施設、保育所等訪問支援事業所、病児保育室、放課後児童クラブ、放課後等デイサービス、相談支援事業所を運営。子どもが笑顔で過ごせる保育園にするためには、職員が楽しめる職場であることが重要。職員が意見を言いやすい職場の雰囲気作りや福利厚生面など、働きやすさも重視した環境作りに力をいれている。
株式会社SHUHARI代表取締役
新座市子ども子育て会議委員
中村敏也