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中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.36「危険察知をするために大切な違和感」

参考:メルマガバックナンバー 2023.11.2 配信

中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.36「危険察知をするために大切な違和感」

 


中村敏也の元気キッズ保育園の秘密


中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.36
「危険察知をするために大切な違和感」

こんにちは。
株式会社SHUHARI 中村敏也です。

大変ありがたいことに、
最近、たくさんの方の前でお話をする機会をいただいています。
今まで私たち元気キッズグループがやってきたこと、価値観、これからについてなど、私自身の推察を含めてお伝えしているのですが、嬉しいことに良い評価をいただけているようで少し安心しています。

このようにアウトプットをが続ける中でも、
保育や障害福祉を取り巻く環境が劇的に変化しているため、
インプットも大忙しです。

保育の分野では、
誰でも通園制度、安全計画の再度の徹底など

参考)こども誰でも通園制度(仮称)の本格実施を見据えた試行的事業実施の在り方について
令和5年9月21日 こども家庭庁成育局保育政策課 PDF

この検討会では、保育所だけでなく、児童発達支援事業所も対象になる論議もされています。

参考)保育所等における安全計画の策定に関する留意事項
厚生労働省子ども家庭局保育課
令和4年12月15日 事務連絡 PDF

不適切保育や送迎バスの問題は、
「普通にやっていれば起きることはない」
と思っていてはいけません。
誰でも起きる可能性があること認識し、
自施設にあった計画を作らねばなりません。

また
障害福祉では報酬改定へ向けて様々な意見が飛び交っています

参考)
障害保健福祉部が実施する検討会等
障害福祉サービス等報酬改定検討チーム
厚生労働省ホームぺージ

私も全国介護事業者連盟、障害福祉部会の役員に名を連ね、障害福祉の改定のための意見出しのチームに所属していますが、とにかく現場の事業所が声を上げなければ、一部の思想の人たちだけであり方を決められてしまう恐ろしさを身をもって感じています。

このような様々なことが動いているときにこそ、
自分の立ち位置をしっかり意識しなければいけないと思うのです。

 
今まで元気キッズグループでは大きな事故もなく、外部から見たら順風満帆に進んでいるように見えることでしょう。実際は、いつも必死でもがき続けているのですが・・・。
それでも、大きな事故がなかったり、周りから応援いただけるのは、これはただ単に、今まで運が良かっただけだと思っています。

もう一度言います。
大きな事故や誹謗中傷が無いのは、
ただただ、運が良いだけなのです。

今、事業がうまく行っているのは、もちろん各法人の努力と、働く皆さんの力であるのは間違い無い事実なのですが、それでも大きな問題が起きていないというのは、ただ単に運が良いだけなのだと思います。

ニュースで流れていた不適切保育や、送迎バス問題は、おそらく社内の緊張が少し薄まったことで起きてしましまったのだと考えられます。
性被害などの問題も、採用選考で判断ミスをすれば容易に起きてしまうでしょう。

では、
そんな事態が起きてしまった時のこと、
また起こさないようにするためには、
何をしていけばよいのか。

①情報(事実)をしっかり見据え、
②自分で考え、
③実行すること

が大切であると考えます。

このような心構えをしておくことで、
大きな事態がおきた時にも乗り越えられるのでは無いかと思います。
反対に準備を怠れば、大きな波に飲み込まれてしまうでしょう。

では、具体的にどうすれば良いのでしょうか?

①情報を正確にとる

2019年に話題となった書籍
「FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」ハンス・ロスリング , オーラ・ロスリング他(著)
には、
実際の数字と、自分の感覚には大きな差があること
に警告を与えています。

例えば
貧困の過大評価:一般的な思い込みの一つは、貧困が世界中で悪化しているというものです。しかし、データによれば、過去数十年間で世界の極度の貧困率は減少しており、多くの国々で生活水準が向上しています。

では、なぜこのような思い込みがあるのかというと、メディアの情報を鵜呑みにしているからだというのです。
メディアは、より過激で視聴率が稼げる情報を提供します。
紛争があれば善悪のポジションをとり報道するもの。
より心を惹きつけるコンテンツが購買数、視聴率に繋がるから、事実を報道してはいるものの、よりインパクトがあるように、数が少ないものも多く見えるように報道したりします。視聴者は実数よりも容易に多く感じてしまうでしょう。

 
日本における少子高齢化問題に目を向けると、
待機児童問題は、保育園が一気に作られたことで解決できました。
一方で、今までは保育所が足りないから、作ればすぐに定員になって安定してきた保育事業は、出生率が下がった今、どのくらい入所率が落ちてきているか、
ちゃんとした数字(実数)をみている方は少ないのでは無いでしょうか?
なんとなく不安はあるけど、行政だって色々考えてくれるだろし、周りもそんなに焦って無いから今までどおり大丈夫だろうと思っていたら・・・3年後に後悔しているかもしれません。

 
②自分で考える

「①の情報を正確にとる」には、
そもそもなんの情報をとるかも自分で気づかないといけません。

私の場合「なぜか気になるなぁ」と思うことが時々があります。
ニュースを見聞きした時ならば、すぐにネットでチェック。
本屋さんに行った時に気になるタイトルがあればとにかく買っちゃう。
本を読んでいて気になればメモをとり保管します。
お話を伺っている時に気になることがあれば、相手にお断りを入れてから携帯にメモをとります。

とにかく、自分がわからないことや、モヤモヤっとしたときは、あとで考え直せるような習慣(ルール)を生活に取り入れています。

そしてそのモヤっとした気になる感じは、
頭で考えてというよりも「感覚」を大切にしています。
なんとなくの違和感だったり、
スッキリしないという感覚を放置しないで、
向き合うことが大切なんだろ思います。

 
③実行する

メモを取ったからと安心してはいけません。
「知っている」と「わかった」には大きな隔たりがあるといいます。

SDGsを知っている方は多いと思いますが、実際に世界の状況、環境問題の現状を、体験を持ってわかっている方はどれだけいるのでしょうか?
例えば、金沢の兼六園は素敵だという話をよく聞きますが、実際に行くと、雨に日に行ったときと、晴れの日に行ったとき、または春に行ったのか、冬に行ったのかでも、きっと「わかった」の差は大きいのではないでしょうか?

とにかく、まずは、
取り入れた情報について、自分なりに考えてみる。
そして、それを確かめるために、経験者に話を聞きに行ったり、実際に自分をその場に置き、見聞きし、体験しに行くことで、初めて事態の深刻さや、ひらめきなどを体感できるのだと思います。

参考図書
「ものがわかるということ」養老孟司(著)
「身体は考える 創造性を育む松聲館スタイル」甲野 善紀 (著), 方条 遼雨 (著)

 
物事がうまく行っている時こそ、足元をすくわれてしまうものです。
私自身、お調子者な気質があり、最近色々なところでお話をさせていただいて、ついつい浮ついてふわふわしまいがちです。
自分が浮ついているなと思った時には、本を読み、映画を見て、文章を書くことで、心の中を整理しています。
特に、文章を書くためには、言葉を「知っている」から「わかった」状態にしないと書けません。

このメルマガの読者のみなさまは、マネジメント層が多いと思います。
ぜひ、メルマガやnoteなどで文章を作成してみることをお勧めします。

正直とても大変なのですが、記事を書くために無意識にアンテナをはることで、自分の中の違和感に気づきやすくなると思います。

 
ここから告知です!

2023年12月1日(金)
元気キッズグループツアー
保育と児童発達支援の施設見学&中村講演会

を開催します。

地域に根差した支援を続けてきた元気キッズグループのことを、
本やメルマガの情報だけでなく、
一度、見学体験してみませんか?
福祉業界の方以外でも、マネジメントなどでもきっと参考になることがたくさんあると思います。

詳細はこちらまで、
https://genki-kids.net/1102
たくさんの方にお会いできることを楽しみにしております。

 
 
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株式会社SHUHARI
元気キッズグループ 代表 中村敏也

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児童発達支援実践の教科書
 
保育園の教科書 中村敏也

 
 
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などをお送りしています。

困っている保育所の足元を見た高額な人材紹介会社に頼らず、自力で採用できる力を、すべての保育所が持つことができれば、より良い保育環境が広がるはずです。

子どもたち、保護者、保育士にとって、とても幸せな世界になることを願って、少しでもお力になれれば幸いです。

※メールが届かない場合、携帯メールの受信設定、迷惑メールの設定などをご確認ください。
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中村 敏也

Nakamura Toshiya
埼玉県内に、保育園、児童発達支援施設、保育所等訪問支援事業所、病児保育室、放課後児童クラブ、放課後等デイサービス、相談支援事業所を運営。子どもが笑顔で過ごせる保育園にするためには、職員が楽しめる職場であることが重要。職員が意見を言いやすい職場の雰囲気作りや福利厚生面など、働きやすさも重視した環境作りに力をいれている。
株式会社SHUHARI代表取締役
新座市子ども子育て会議委員
中村敏也