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中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.37「労働」の「喜び」を取り戻す

参考:メルマガバックナンバー 2023.12.21 配信

中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.37「労働」の「喜び」を取り戻す

 


中村敏也の元気キッズ保育園の秘密


中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.37
「労働」の「喜び」を取り戻す

こんにちは。
株式会社SHUHARI 中村敏也です。

大きな時代の変化を感じています。
パンデミックから始まり、
日本全体に強制的にICTの波が起き、
ついに2023年には生成AIが突如として実用レベルにまでになりました。
大きな戦争なんて経済的に非効率だから起こるわけないなんて言っていたのに、ウクライナ問題やパレスチナ問題などで各地で戦争が起きています。

日本の急速な超少子化に、過去最多の不登校児の問題。

2023年上半期の出生数35万2240人 去年同期比4.1%減 厚労省
参考:テレ朝news

令和4年度の国立、公立、私立の小・中学校の不登校児童生徒数が約29万9千件(過去最多)
参考:文部科学省:令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果及びこれを踏まえた緊急対策等について(通知)

大きな渦のような変化に
目が回る思いをしている方が多いのではないでしょうか?
私も経営者として、どのように構えていくべきか非常に悩ましいです。

特に少子化は、私たちのような乳幼児支援をしているものからすると死活問題です。今後3年間で多くの保育事業者が立ち行かなくなるのではないかと思います。

そんな不安もあり、今年の夏まで150を超えていた私の血圧。
なんと、最近は125前後で安定しています(笑)

ストレスフルなことが起きる毎日ですが、
実は最近「あること」を積極的にするようになり、
それが自分の健康にとって良い方向に働いているのではないかと密かに思っています。

それは、
地域のマルシェに積極的に出店、参加していること。

幸運なことに、弊社は
パン好きの店主が丁寧に手作りした
もっちりベーグルの専門店
GEs BAGEL WORKS(ジーズベーグルワークス)
https://www.instagram.com/ges_bagel_works/
を運営しており、
ありがたいことに、地域で一番人気のベーグルカフェになっています。
地域・近郊のマルシェにお声がけいただくことが増え、
週末ごとに、地元に近いマルシェに出店しています。

朝4時に起きて、ベーグルの仕込みをし、袋詰めなど時間ギリギリまで作業して出発。会場につき、そこから設営をして開始時刻ギリギリに準備完了。そして一日のんびりと販売していくという流れ。

正直、体力的にはきついのですが、心がなんとも豊かになるのです。

マルシェには、
自分の好きなものを作り売っている店主。
その店主と作られたものが好きなお客様が集まります。
また、何気なくふらっと地元の人たちが覗きにきて、自分の好きなものに偶然出会って、購入していく姿があります。
売り手の顔が見えて、買い手の顔も見える関係がここにはあります。

資本主義がいき過ぎた現代、能力の高さが評価指標に組み入れられていて、効率化がすべての分野で求められる、なんとも気を抜いていられない社会に向かっている中、マルシェには好きなものを作り、その好きなものを喜んで買っていただける方たちがいます。
こんな関係性がとてもとても素敵なのです。

「マルシェに出ると身体は疲れるけれど、心が豊かになる」
と考えていた時、ふと目に止まった本があります。

『ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す』山口周 (著)
https://amzn.to/3RjVtrO

この本には、
「労働の喜び」を回復させる
生産者と消費者の顔が見える関係にすることで、労働の喜びが回復する
ということが書いてありました。

ふと心に落ちてきました。

「どうあるべきか、こうせねばならない」と自分をがんじがらめにする必要はなく、「どうありたいか」を突き詰めた先に仕事があり、その先に喜んでくれる方たちがいる関係が素晴らしいなと思うのです。

 
社会の圧力で色々なプレッシャーを受け、押しつぶされをうになっている現役世代の若者、不登校になっている子どもたちは、「こうならなければならない」という、社会からどう見られているかという基準(実は自分の作り上げた思い込みのルール)にがんじがらめにされているのだと思います。
そりゃ苦しいですよね。

もっと自分に正直になって、
自分が好きなことを認めてあげることから始めてみよう。
きっとマルシェにはそんな風に自分を認めている人たちが集まっているのではないかなと思います。

『グッド・ライフ 幸せになるのに、遅すぎることはない』
ロバート・ウォールディンガー (著), マーク・シュルツ (著)
https://amzn.to/3GOoV4g

には、「人生を豊かに生きるコツは、贅沢をできるお金があることだったり、社会的地位というのは、そんなに大きな要因ではなく、人と人との良質な関係にある」と書いてありました。
つまり、夫婦関係、家族関係、友人関係が豊かな人ほど、良い人生だったと感じるとのこと。

こう考えていくと、やはりこれからの時代は、地域との関係、顔が見える関係がキーワードになっていくんでしょう。

労働が喜びになる仕掛け作り
を経営者は考えて行かなければなりませんね。

 
さて、話は変わりますが、
先日初めて開催いたしました
「元気キッズ施設見学ツアー」
ご参加いただいた皆様から素敵なコメントをいただきました。

アットホームな感じで非常に学びの多い時間でした。
包括的に事業を捉えることができていて、素晴らしいなと思いました。
どのように報酬改定がなされるか分かりませんが、自分たちの信念は大切にしながら、この苦難を乗り越えて、より地域社会に必要とされる事業所になるように努めて参ります。
今日見聞したことについて、質問がありましたら、質問させていただければ幸いです。
今後とも何卒よろしくお願いいたします。
中村さん、今回はこのような機会を作っていただきありがとうございました。お忙しい中、いつも視察のご対応をされている大変さ、お察しいたします。個人的には、今回有料だからこそ職員とともに参加しやすかった面もあり、有り難かったところです。
また、少人数で実施できたからこそ、時折、直接お話できたこともあり、おそらく参加される方のステージによって興味関心がちがったなかでも、貴重な学びの時間となりました。
今後、どの事業者も多機能化に迫られる中、このようなグループを試行錯誤されながらさきんじて実現されていることに本当に尊敬しております。まずできるところから、自法人も改善していきたいと思います。
などなど。

応援のメッセージ本当にありがとうございます。
開催までは実際とても不安でしたが、好意的なご意見をいただき正直安堵しました。
ご参加いただいた皆様に、この場をお借りして御礼申し上げます。

今回は日程が合わず参加できないという声もいただきました。
次の会を時期を見て実施していきたいと思いますので
またどうぞよろしくお願い申し上げます。

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株式会社SHUHARI
元気キッズグループ 代表 中村敏也

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中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.36「危険察知をするために大切な違和感」

参考:メルマガバックナンバー 2023.11.2 配信

中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.36「危険察知をするために大切な違和感」

 


中村敏也の元気キッズ保育園の秘密


中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.36
「危険察知をするために大切な違和感」

こんにちは。
株式会社SHUHARI 中村敏也です。

大変ありがたいことに、
最近、たくさんの方の前でお話をする機会をいただいています。
今まで私たち元気キッズグループがやってきたこと、価値観、これからについてなど、私自身の推察を含めてお伝えしているのですが、嬉しいことに良い評価をいただけているようで少し安心しています。

このようにアウトプットをが続ける中でも、
保育や障害福祉を取り巻く環境が劇的に変化しているため、
インプットも大忙しです。

保育の分野では、
誰でも通園制度、安全計画の再度の徹底など

参考)こども誰でも通園制度(仮称)の本格実施を見据えた試行的事業実施の在り方について
令和5年9月21日 こども家庭庁成育局保育政策課 PDF

この検討会では、保育所だけでなく、児童発達支援事業所も対象になる論議もされています。

参考)保育所等における安全計画の策定に関する留意事項
厚生労働省子ども家庭局保育課
令和4年12月15日 事務連絡 PDF

不適切保育や送迎バスの問題は、
「普通にやっていれば起きることはない」
と思っていてはいけません。
誰でも起きる可能性があること認識し、
自施設にあった計画を作らねばなりません。

また
障害福祉では報酬改定へ向けて様々な意見が飛び交っています

参考)
障害保健福祉部が実施する検討会等
障害福祉サービス等報酬改定検討チーム
厚生労働省ホームぺージ

私も全国介護事業者連盟、障害福祉部会の役員に名を連ね、障害福祉の改定のための意見出しのチームに所属していますが、とにかく現場の事業所が声を上げなければ、一部の思想の人たちだけであり方を決められてしまう恐ろしさを身をもって感じています。

このような様々なことが動いているときにこそ、
自分の立ち位置をしっかり意識しなければいけないと思うのです。

 
今まで元気キッズグループでは大きな事故もなく、外部から見たら順風満帆に進んでいるように見えることでしょう。実際は、いつも必死でもがき続けているのですが・・・。
それでも、大きな事故がなかったり、周りから応援いただけるのは、これはただ単に、今まで運が良かっただけだと思っています。

もう一度言います。
大きな事故や誹謗中傷が無いのは、
ただただ、運が良いだけなのです。

今、事業がうまく行っているのは、もちろん各法人の努力と、働く皆さんの力であるのは間違い無い事実なのですが、それでも大きな問題が起きていないというのは、ただ単に運が良いだけなのだと思います。

ニュースで流れていた不適切保育や、送迎バス問題は、おそらく社内の緊張が少し薄まったことで起きてしましまったのだと考えられます。
性被害などの問題も、採用選考で判断ミスをすれば容易に起きてしまうでしょう。

では、
そんな事態が起きてしまった時のこと、
また起こさないようにするためには、
何をしていけばよいのか。

①情報(事実)をしっかり見据え、
②自分で考え、
③実行すること

が大切であると考えます。

このような心構えをしておくことで、
大きな事態がおきた時にも乗り越えられるのでは無いかと思います。
反対に準備を怠れば、大きな波に飲み込まれてしまうでしょう。

では、具体的にどうすれば良いのでしょうか?

①情報を正確にとる

2019年に話題となった書籍
「FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」ハンス・ロスリング , オーラ・ロスリング他(著)
には、
実際の数字と、自分の感覚には大きな差があること
に警告を与えています。

例えば
貧困の過大評価:一般的な思い込みの一つは、貧困が世界中で悪化しているというものです。しかし、データによれば、過去数十年間で世界の極度の貧困率は減少しており、多くの国々で生活水準が向上しています。

では、なぜこのような思い込みがあるのかというと、メディアの情報を鵜呑みにしているからだというのです。
メディアは、より過激で視聴率が稼げる情報を提供します。
紛争があれば善悪のポジションをとり報道するもの。
より心を惹きつけるコンテンツが購買数、視聴率に繋がるから、事実を報道してはいるものの、よりインパクトがあるように、数が少ないものも多く見えるように報道したりします。視聴者は実数よりも容易に多く感じてしまうでしょう。

 
日本における少子高齢化問題に目を向けると、
待機児童問題は、保育園が一気に作られたことで解決できました。
一方で、今までは保育所が足りないから、作ればすぐに定員になって安定してきた保育事業は、出生率が下がった今、どのくらい入所率が落ちてきているか、
ちゃんとした数字(実数)をみている方は少ないのでは無いでしょうか?
なんとなく不安はあるけど、行政だって色々考えてくれるだろし、周りもそんなに焦って無いから今までどおり大丈夫だろうと思っていたら・・・3年後に後悔しているかもしれません。

 
②自分で考える

「①の情報を正確にとる」には、
そもそもなんの情報をとるかも自分で気づかないといけません。

私の場合「なぜか気になるなぁ」と思うことが時々があります。
ニュースを見聞きした時ならば、すぐにネットでチェック。
本屋さんに行った時に気になるタイトルがあればとにかく買っちゃう。
本を読んでいて気になればメモをとり保管します。
お話を伺っている時に気になることがあれば、相手にお断りを入れてから携帯にメモをとります。

とにかく、自分がわからないことや、モヤモヤっとしたときは、あとで考え直せるような習慣(ルール)を生活に取り入れています。

そしてそのモヤっとした気になる感じは、
頭で考えてというよりも「感覚」を大切にしています。
なんとなくの違和感だったり、
スッキリしないという感覚を放置しないで、
向き合うことが大切なんだろ思います。

 
③実行する

メモを取ったからと安心してはいけません。
「知っている」と「わかった」には大きな隔たりがあるといいます。

SDGsを知っている方は多いと思いますが、実際に世界の状況、環境問題の現状を、体験を持ってわかっている方はどれだけいるのでしょうか?
例えば、金沢の兼六園は素敵だという話をよく聞きますが、実際に行くと、雨に日に行ったときと、晴れの日に行ったとき、または春に行ったのか、冬に行ったのかでも、きっと「わかった」の差は大きいのではないでしょうか?

とにかく、まずは、
取り入れた情報について、自分なりに考えてみる。
そして、それを確かめるために、経験者に話を聞きに行ったり、実際に自分をその場に置き、見聞きし、体験しに行くことで、初めて事態の深刻さや、ひらめきなどを体感できるのだと思います。

参考図書
「ものがわかるということ」養老孟司(著)
「身体は考える 創造性を育む松聲館スタイル」甲野 善紀 (著), 方条 遼雨 (著)

 
物事がうまく行っている時こそ、足元をすくわれてしまうものです。
私自身、お調子者な気質があり、最近色々なところでお話をさせていただいて、ついつい浮ついてふわふわしまいがちです。
自分が浮ついているなと思った時には、本を読み、映画を見て、文章を書くことで、心の中を整理しています。
特に、文章を書くためには、言葉を「知っている」から「わかった」状態にしないと書けません。

このメルマガの読者のみなさまは、マネジメント層が多いと思います。
ぜひ、メルマガやnoteなどで文章を作成してみることをお勧めします。

正直とても大変なのですが、記事を書くために無意識にアンテナをはることで、自分の中の違和感に気づきやすくなると思います。

 
ここから告知です!

2023年12月1日(金)
元気キッズグループツアー
保育と児童発達支援の施設見学&中村講演会

を開催します。

地域に根差した支援を続けてきた元気キッズグループのことを、
本やメルマガの情報だけでなく、
一度、見学体験してみませんか?
福祉業界の方以外でも、マネジメントなどでもきっと参考になることがたくさんあると思います。

詳細はこちらまで、
https://genki-kids.net/1102
たくさんの方にお会いできることを楽しみにしております。

 
 
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株式会社SHUHARI
元気キッズグループ 代表 中村敏也

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中村敏也メルマガ vol.35「保育の多機能化と児童発達支援について」

参考:メルマガバックナンバー 2023.9.7 配信

中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.35「保育の多機能化と児童発達支援について」

 


中村敏也の元気キッズ保育園の秘密


中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.35
「保育の多機能化と児童発達支援について」

こんにちは。
株式会社SHUHARI 中村敏也です。

最近、ありがたいことに
私たち元気キッズの施設への見学依頼をたくさん頂きます。
私たちのやってきたことが世間に認められてきたのかなと思うのですが、
元気キッズで行っている「保育の多機能化」が最近の保育業界のホットワードになってきたからだとも思っています。

待機児童問題が解決したと同時に、
園児をいかに集めるか
「選ばれる保育園、幼稚園」になることが
死活問題になってきた保育業界。

参考)読売新聞オンライン
待機児童が過去最少の2680人、9割弱の自治体で「ゼロ」に…保育施設定員増や出生減で

最近の保育系のセミナーで人気なのは、
いかに「選ばれる園になるか」を事例を紹介しながら解説をしていくもの。
これらのセミナーで紹介される「うまくいっている事例」は、本当にためになり、すぐにでも試してみたいことが多いです。

これからの園児獲得に課題を感じている方は、ぜひ、このようなセミナーをはじめ、他の施設の事例を研究して、どんどん取り入れていってほしいです。

保育の「多機能化」というキーワード

多くの成功事例で出てきているのが
保育の「多機能化」というキーワードです。

これは、定員が埋まらず、空き部屋などが出てきたら、そこで他の支援をやってみてはどうかな?そうすれば利用者が減った分の穴埋めができるよね、という思考です。
経営者目線で言えば真っ当だし、やるべきだと思います。

参考)産経新聞オンライン
空き目立つ保育園 多機能化が打開のカギ

この流れの中で「児童発達支援」に注目が集まっているのです。

発達支援をする場所だから、
保育園や幼稚園との相性がよいし、
自園の子ども達のためになるし、
発達に課題のある子どもも預かることができるようになるし、
利用者の保護者も助かるし、
一石四鳥だね!
まさにいいことづくめの併設型 児童発達支援。

私たちの元気キッズでも
認可保育園に併設型の児童発達支援を運営していてますが、
本当に良いことばかりなので、大いに推奨したいです。

そのために、多くの施設見学を受け入れていたのですが、
見学者のお話を聞いていると、どうしても一抹の不安を感じてしまいます。

見学されたほとんどの方が、児童発達支援を併設することは
自園の子ども達にとって有益
自園の保護者にとって助かる
自園の保育士にとってとても勉強になる!
と口を揃えたようにおっしゃいます。
素晴らしい洞察と思いますが、
2つほど、決定的にかけている視点があるのです。

1つめは、
「地域社会にとっての自園の役割」という視点

児童発達支援事業は、社会資源として、発達に困り感がある子ども、そしてご家庭への支援をする場所であり、自園の特定の子ども達だけでなく、地域にいる全児童が対象になるものです。

幼稚園や保育園に通いたくても、加配が必要だから入れないと、大きな差別を受けてきている児童へ、どうか思いを馳せてほしいのです。

2つ目は、
「多機能化」ではなく、「多事業化」という視点

空き教室があるから、子どもに関わる発達支援をやろう。
と、あたかも一時保育事業をやるイメージで児童発達支援をはじめると、間違いなく、すぐに立ち行かなくなります。

それは、発達支援自体が、
保育の分野ではなく、介護、障害福祉の分野だからです。
自治体の管轄、資金の出本、専門職員など全て別なのです。

ということは、
児童発達支援を始める事は、
新しい事業を一から始めることになるのです。

もちろん今までの経験などの資産は使える部分は多いです。
しかし、職員の質、やるべきことなどは、全く別と思っていた方がよいです。

この心構えがないと、ほとんどの方が運営開始してもきっとトラブルばかりで心を病んでしまうことになります。

少しばかり脅かしてしまいましたが、
全く新しい事業で、地域にとって何ができるかをしっかり見据えた上で、
児童発達支援への多事業化を進めてほしいと願っております。
 
 

追伸
インスタグラムでも、
保育や児童発達支援の運営に関することをたくさん発信しております。
ぜひフォローをお願いします。
インスタグラム
@nakamura_shuhari

 
 
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「保育博ウエスト」の登壇を終えて

参考:メルマガバックナンバー 2023.7.24 配信

「保育博ウエスト」の登壇を終えて
 


 
「保育博ウエスト」の登壇を終えて

こんにちは。
株式会社SHUHARI 中村敏也です。

先日、7月19日(水)に
保育博ウエスト2023
主催者特別セミナーに登壇してきました。

タイトルは
「今まさに地域に必要とされるインクルーシブ保育の実践」

私たち元気キッズグループが、地域の課題に対して向き合ってきた結果としての、社会モデルの構築の過程をお伝えいたしました。

初日の最終枠ということで、人出はどうかなと思いましたが、席も満員になっていたようでひと安心。

熱心に頷きながら聞いてくださる方が多く、非常に話しやすく緊張もさほどせずに無事終えることができました。
ありがとうございました。

講演の内容を少しお伝えいたします。

今まさに必要とされるインクルーシブ保育の実践

私たち元気キッズグループは、埼玉県の志木市、新座市、朝霞市という3つの隣接した自治体にて複数の事業を行ってきました。

闇雲に規模の拡大を狙ったわけでなく、その時に必要だと思った支援の形を模索してきた結果、今のネットワークができてきました。

元気キッズグループ 埼玉南部を中心に地域に根づいた28施設を運営

結果として、このように3つの隣接した自治体に、根を張ることで、保育の世界だけでは見えてこない、様々な地域の課題を自分ごとに感じ、必要な施設を作っていったのです。

保育園や幼稚園単体でできることは限られています。
地域の社会資源をネットワークで繋がり、みんなで課題に向き合って行くことが大切だと肌で感じた19年間でした。

児童発達支援事業所を立ち上げることは、インクルーシブと言いつつ、分断の始まりを作っているのではないか?と感じる方もいると思いますが、私は真のインクルーシブに近づけるために必要なステップだと考えております。

何より、保育園、幼稚園の中で、多様な子ども達が共に育つことが大切となりますが、そこには大きな理解の壁があります。

それが「3つの理解の壁」です。

インクルーシブ保育を実践するために立ちはだかる3つの理解の壁

  • 働く保育士の発達に対する知識と理解
  • 定型発達児の保護者の理解
  • 地域の理解

それぞれに対して丁寧に対応してくことがとても大切です。

いきなりインクルーシブ保育だといっても、みんなが苦しくなっちゃいます。
だから一旦、
児童発達支援事業所で、療育経験の長い保育士や、ST(言語聴覚士)OT(作業療法士)PT(理学療法士)心理士などのセラピストを法人内で確保し、
まずは法人内で発達支援への知識、経験を蓄積し、
実際の保育の現場で必要な時に、さっと相談に乗れるような体制があれば、
保育士が救われます。
保育士に自信がつけば、保育現場が安定し、
子ども達にとって安心できる居場所になるのです。

講演では
「その先の社会構造について」
多く時間をさきました。

社会には様々なレイヤーが存在します。
1つのレイヤーの中にいるだけでは、その世界観しか知ることができません。

例えば、
事故にあって車いす生活になった瞬間に、障害のある世界の当事者になりその世界線を理解します。
妊娠して、妊婦の大変さを知り、出産して育児の大変さを知ります。

それらのレイヤーに、
子どものころから当たり前に見たり触れていたとしたら、
きっと大きなギャップを感じることなく、
様々な違いを受け入れて行くことが容易になると思います。

だからこそ、子どもの世界の健常児、障害児をインクルーシブにするというだけの視座ではなく、より大きな社会の多様性を受けいれる視座で、これからの地域を変えていくことが必要だと思っています。

このような話を講演でお話ししてきました。

まだまだ発展途上の我々ですが、今日より明日が、やさしい社会になるよう頑張っていきます。

 
 
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中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.34「出生数78万人の衝撃」

参考:メルマガバックナンバー 2023.6.29 配信

中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.34「出生数78万人の衝撃」

 


中村敏也の元気キッズ保育園の秘密


中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.34
「出生数78万人の衝撃」

こんにちは。
株式会社SHUHARI 中村敏也です。

令和4年度の出生数が先日発表されました。
薄々感じていましたが、実際の数を認識すると衝撃がすごいです。

新生児出生数 78万人 出生数 1.26ポイント
*参考:日本商工会議所 トレンドボックス
22年の出生数は80万人割れ、出生率は過去最低の1.26(厚労省人口動態統計)

人口を維持するための合計特殊出生率は2.06~2.07ポイントが必要だと言われており、明らかに急激な人口減となっています。
この出生率の低下は、日本だけでなく、先進国と言われている多くの国々で大きな問題となっているため、各国で様々な施策がすでに行われています。

世界で行われている施策は、大まかにいうと以下のようなものです。

  1. 育児支援の充実
  2. 労働条件の改善
  3. 住宅環境の改善
  4. 税制の見直し
  5. 教育制度の改革
  6. 社会的な意識の向上

出生率が改善している国は、積極的に上記なようなことを行っており、特に「6.社会的な意識の向上」「社会で子育てをすることを当たり前」な空気感をつくることが大きな効果につながっていると思います。

では、先日、6月13日に日本政府が発表した
『異次元の少子化対策』はどんなことかというと、
まずは3つの柱からなる『こども未来戦略方針』が閣議決定されました。

こども・子育て政策の強化は3つの基本理念を元に作成されています。

  1. 若い世代の所得を増やすこと
  2. 社会全体の構造・意識を変えること
  3. 全てのこども・子育て世帯を切れ目なく支援すること

とても素晴らしい理念です。

そして以下のような内容がつづきます。

  • 児童手当の拡充
  • 出産等の経済的負担の軽減
  • 高等教育費の負担軽減
  • 個人の主体的なリスキリングへの支援
  • 「年収の壁」への対応
  • 全ての子育て家庭を対象とした保育の拡充
  • ひとり親家庭の自立促進
  • 男性育休の取得促進
  • 育児期を通じた柔軟な働き方の推進 ~利用しやすい柔軟な制度へ~

*参考:補助金ポータル
異次元の少子化対策の具体例が明らかに!こども未来戦略方針とは

本当に素晴らしい内容で、私は大変期待感を持っています。

しかし、本当にこのような施策をして出生率は改善するのでしょうか?

アメリカ出身のお笑い芸人のパックンが
テレビでこんなことを言っていました。
「異次元感はあまりないと思うんですよね。今の少子化対策を少し拡充した気がしますけど」としたうえで、“そもそも論”として「日本の皆さんは子供の多い国を目指しているかどうか。そういう文化があまりをあまり感じないんですね。子供が欲しい、子供を持っている家庭は偉い、お母さん頑張ってる、凄いという雰囲気があまりないから。お金の問題の前に文化的な問題で子供を持ちたくない家庭が多いんじゃないかなと思いますね」

まさに私もここだと思います。

やはり今、社会全体が子育てを「自己責任」として、「家庭の問題」にしてしまっていると思います。これを、日本全体で「子育てはみんなで社会のみんなでやっていくんだよ」って変えていかなければならないと切実に思っています。

さて、そんなことを考えながら、日々モヤモヤしていたのですが、あることで、頭の中の雲が晴れていきました。

今月に入り2回鹿児島に視察に行く機会に恵まれ、
障害者への支援で日本、いや、世界からも注目を浴びる「しょうぶ学園」や、
就労支援事業とデザインを介して社会の繋がりが生まれるチョコレートを販売している特定非営利活動法人 Lankaが運営している「kiitos」

「しょうぶ学園」
https://shobu.jp/
「kiitos」
https://kiitos-cacao.com/

鹿児島市で、障害者支援の変化の中心にいる、ひろみよ株式会社が運営しているクラフトビールを製造販売している「ひろみよブリューイング」や、スパイスカレーを製造販売している「ちゃぶや咖喱堂」、障害がある方がライターとなり運営しているメディアの「HIFUMIYO TIMES(ひふみよタイムス)」

「ひろみよ株式会社」
https://hifumiyo.co.jp/
「HIFUMIYO TIMES」
https://1234times.jp/

などなど、思いっきり個性的で(特に代表がみんな癖が強い 笑)、それぞれが好きなことをやり、みんなが幸せな社会を作っている方々にお会いしてきました。

そこには、
何かができるからエライとか、何かプレッシャーを与えてやるとかいう概念ではなく、
できることの中から価値を生んでいたりとか、
とても自然で、そしてかっこいい世界がありました。

たくさんの情報を頭に詰め込みすぎて、ちょっと胸焼けしてしまったのですが、
ふと見上げた桜島をみて思いました。
桜島

あー、誰に対しても受け入れてくれる環境があることが、人を輝かせてくれるんだなと。

何かを比べたりすることで生まれる優越感とか、よりよく生きるためにという呪文に縛られて、「働くとはこういうことだ」「学ぶとはこういうことだ」って縛られないことが、いかに大切で、クリエイティブにもなれるのだと、ふと納得できました。

このような気持ちになった理由はなぜか?

それはどの施設でも、障害のあるなしにかかわらず、皆が笑顔で時間を過ごしていたこと。
障害のある方が一般の社会に行くためにストレスフルに多く頑張るのでなく、一般の人たちが、障害がある方たちの社会に出向き、そこのルールの中で過ごすことで、平和になる世界線があるのです。

そういう世界線があるということの理解がすすめば、インクルーシブなんて言葉はきっとなくなり、みなで支えあう社会が当たり前になるのだと思います。

話は戻りますが、
子育て環境についても、子育て最中の立場を、今の時代背景の中で、全ての世代が理解をすることがとても大切であり、それがなければ安心して子育てできる世界にはならないのだと思いました。

このメルマガの読者の皆様は、保育や福祉に興味がある方がほとんどと思いますが、保育や療育、教育などのジャンルだけで物事を考えずに、いろんな世界を見て、体験して、そして行動をすることが、きっと優しい社会へ繋がっていくのだと思います。
私自身ももっともっと自由な発想で、行動して行こうと思いました。

さて、最後に本の告知です。

私の第3冊目となる書籍が本日発売となりました!

書名:
『地域を変える施設になる 児童発達支援実践の教科書』
著者:中村敏也

3冊目は、児童発達支援施設の運営に関するノウハウが詰まった本です。

「社会性」と「事業性」を両立させる!
26事業所を展開するグループが実践してきた
地域に喜ばれる施設運営に必要なことすべて

地域を変える施設になる 児童発達支援 実践の教科書 中村敏也著

多くの失敗と、そのたびにチームで考え抜いて培ってきたノウハウ、様々な試行錯誤をしてきた、いま伝えられることを惜しみなくすべて詰め込みました。
まさに元気キッズグループ児童発達支援チームのすべてをお伝えします。

出版記念キャンペーン!本日6/29まで!
元気キッズの施設見学ツアーへのご招待や、
中村とオンライン上で直接お話しする相談会
などの特典をご用意しております。

期間:
2023年6月23日(金)~6月29日(木)
▼出版記念キャンペーンはコチラから!
中村敏也 書籍出版キャンペーン2023
(キャンペーンは終了いたしました)
 

6月29日発売
書名:『地域を変える施設になる 児童発達支援実践の教科書』
著者:中村敏也

詳しくはキャンペーンぺージをご参照ください。
ぜひともよろしくお願い申し上げます。

 
 
児童発達支援実践の教科書
 
保育園の教科書 中村敏也

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株式会社SHUHARI
元気キッズグループ 代表 中村敏也

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困っている保育所の足元を見た高額な人材紹介会社に頼らず、自力で採用できる力を、すべての保育所が持つことができれば、より良い保育環境が広がるはずです。

子どもたち、保護者、保育士にとって、とても幸せな世界になることを願って、少しでもお力になれれば幸いです。

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中村 敏也

Nakamura Toshiya
埼玉県内に、保育園、児童発達支援施設、保育所等訪問支援事業所、病児保育室、放課後児童クラブ、相談支援事業所を運営。子どもが笑顔で過ごせる保育園にするためには、職員が楽しめる職場であることが重要。職員が意見を言いやすい職場の雰囲気作りや福利厚生面など、働きやすさも重視した環境作りに力をいれている。
株式会社SHUHARI代表取締役
株式会社sopo代表取締役
新座市子ども子育て会議委員
中村敏也