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カテゴリー:メルマガ
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中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.41「大変革がどうしてできたのか」

参考:メルマガバックナンバー 2024.10.17 配信

中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.41「大変革がどうしてできたのか」

 


中村敏也の元気キッズ保育園の秘密


中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.41
一斉保育から子ども主体の保育へ、大変革がどうしてできたのか

こんにちは。
株式会社SHUHARI 中村敏也です。

ありがたいことに、大変多くの方に、私たち元気キッズの保育と療育にご興味を持っていただき、現在、ほぼ毎週のように視察を受け入れています。
たくさんの方が視察にお越しになるので、
現場が疲弊してしまわないかと心配になり、職員に聞いてみたところ
「自分たちが信念を持って作り上げている保育環境のことを、多くのみなさまにお話しできるのが嬉しいです」
と大変前向きな返答をもらい、なんて頼りになる仲間たちなんだと、誇らしい気持ちでいっぱいになりました。ありがたいです。

元気キッズに視察にいらっしゃる方たちの主な目的はというと
「保育と療育の連携」なのですが、
保育園・幼稚園関係の方たちは、必ずと言って良いほど、最初に
元気キッズの『コーナー保育の環境』と『子ども主体の保育』に興味津々になります。
例えば、乳児担当制、サークルタイム、探求学習へのアプローチなど。

熱心な先生ほど、職員の説明を食い入るような目をして聞き、鋭い質問が飛びだします。
ここではいつも時間オーバーになります。
毎回、なんて豊かな時間なのだろうと思います。
こんなふうに『子どもの真ん中』をみんなで考えていけたら最高だなといつも思います。

このように保育環境を褒められるようになった元気キッズですが、初めから子どもが主体の環境や保育内容を行ってきたわけではありません。
いわゆる「一斉保育」の形で創業より運営していました。

おもちゃを先生が選び、部屋の真ん中にどかーっと置いて、「さあ、このおもちゃで遊びなさいな」とか、朝の会で全員横一列に整列して、点呼して「はい!」と大きな返事を期待する。何か活動を始める前に横一列に並んで壁ぺったんをする。まるで囚人のように。。。
こんなことを平気で行っていました。

今考えると、なんて無知で何も考えずにそれまでの慣習で保育をしていたのだろうと思います。
思いだけは立派で、中身が伴っていませんでした。
恥ずかしい限りです。
しかし職員たちはとても一生懸命に子どものことを考え、先生たちが知る知識の中で大切だと思えることをやり切っていました。
そこに足りなかったのは、
私の知識と経験値、そして、常識と言われるものに対抗する覚悟でした。

…20年前の保育の実態は、きっとほとんどの保育所が同じような感じだったと思います。

元気キッズでは、少しづつ「子ども主体とは何か」考え、職員みんなで工夫をして保育を改善していきましたが、それでも一斉保育からはなかなか脱却ができませんでした。

時代は流れ
いよいよ2015年の「OECD教育2030」にて、VUCA※の時代がくる。不確実性の高い世の中に突入するぞ。と発表されました。
(※VUCAの時代=Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとった造語)

どこの団体にも所属していない私は、情報源が限られていて、その頃はOECDのいうことが絶対でした。
そして、
2018年の頃に
いま変わらねば子どもの未来に責任を持てなくなる
と、心が震え出し、
いま変わるんだ
と、保育を変える決断をしました。
元気キッズはトップダウンなことはあまりしないのですが、この時ばかりは、不退転の覚悟で職員に伝えました。
2018年12月だったと思います。

まず行ったのは、
職員、保護者への説明。
YouTubeを使いオンライン講座を数回実施し、アーカイブをYouTubeで限定公開。
職員むけには、リーダ以上を集めたミーティングで、未来から逆算した思考法(フューチャーマッピング)を使い、3年後の姿から今を導き出し、何をすべきかを明確化。
環境構成の基本的な考え、自由保育への足がかりで試す一年が始まりました。

2019年は本当に模索の一年でした。
何をしていいかわからず、とにかく本を読んだり、実践したりしました。
ただ、これは、本だけではダメだとすぐに気が付き、試行錯誤しているうちに、
ある職員から「ピラミーデメソッド(ピラミッドメソッド)」の提案がありました。
ピラミーデメソッドは以前より文献などは拝読・精読していて、とてもすてきな保育だと知っていたので、すぐに講師の勝山先生をお招きして改革へ。
3日間の研修を年に数回行い、職員たちも必死についてきてくれました。

私自身も、YouTubeで講座を作り、ピラミーデとは、乳児保育とは、環境構成とは、ドキュメンテーションとは、などをライブ配信し収録。
職員は代表が本気なんだと感じとってくれたと思います。

YouTubeアーカイブ

たくさんの時間と労力をかけました。
職員のみんなは本当によく頑張ってくれました。
保護者のみなさまも不安の中、ついてきてくれました。

そんなことを1年、2年と続けていった結果、
職員たちの顔が変わりはじめました。
最初の頃は遊んでいるだけでいいのか?と不安な顔があった先生たちも、子どもたちが黙々と楽しそうに遊び込む姿を目にし、また、先生の声がほとんど聞こえない静かな保育室で、子どもたちの静かな話し声が聞こえる穏やかで心地よい空気を実感しはじめました。
遊び込むための「おもちゃの質と量」と「時間の大切さ」を肌身に感じとり、
遊びに集中できる子どもたちと、発達課題がある子どもたちが、ともに遊び込めるよう、遊び込めない時がないよう、しっかりとフォローできる余裕もできました。

このような環境が作りあげられていく過程は、本当に感動の連続でした。

3年後に職員から、とても嬉しい言葉をもらいました。
「代表が3年後の未来を考える機会をくださったおかげで、今の環境ができました。あの時、行動変容して大変だったけれど、変化の手応えを感じながら過ごした時間がとても心地よかったです。」
 

私が行ったことは、

  • ビジョンを共有し、何が必要かを主要メンバーで考える時間を作ること。
  • 代表自ら、勉強し、伝えていくこと。
  • 研修の機会、時間をしっかりとること。
  • 保護者を疎かにしないで、しっかり意図を伝えていくこと。
  • なぜイベントが少なくなるのか?なぜ一斉保育をしないのか?小学校で大丈夫なのかを丁寧に伝えていくこと。
  • 環境構成への費用は惜しまず、積極的に使うこと。
  • 質の良いおもちゃをたくさん用意すること。

保守的な保育業界ですが、変わろうと思えば変えられます。
理事長先生、代表の先生の決意と、職員の熱意があれば変えられます!

ぜひ、子どもたちのために、保育の質を高めて行きましょう!!

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株式会社SHUHARI
元気キッズグループ 代表 中村敏也

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子どもたち、保護者、保育士にとって、とても幸せな世界になることを願って、少しでもお力になれれば幸いです。

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中村敏也メルマガ vol.40 スウェーデン視察研修 旅行記(回想3)

参考:メルマガバックナンバー 2024.9.24 配信

中村敏也メルマガ vol.40 スウェーデン視察研修 旅行記(回想3)

 


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中村敏也メルマガ vol.39
スウェーデン視察研修 旅行記(回想2)

こんにちは。
株式会社SHUHARI 中村敏也です。

先週、今年の大きな目標の一つであった
「あたらしい保育イニシアチブ2024」を開催。
今回は実行委員だけでなく、セッションリーダーという大きな役目を頂きました。
セッションは登壇者の皆様のおかげで満員御礼、立ち見、入場制限となりました。オンライン参加を含め、お聞きにいらしてくださった皆さまに心より御礼申し上げます。
また今度、そこでどんな話をしたかをメルマガにしてみたいと思っています。

さて、本日のメルマガは、
前回に引き続きスウェーデンのお話です。
障害者の支援施設
日本でいう生活介護の場所と、ジョブコーチの施設に伺いました。

日本では生活介護事業所にあたる施設である『LILJAN』

『LILJAN』

ILJANは集合住宅が立ち並ぶ駅近の住宅街のビルの中で運営されています。
利用者の皆さんは、たくさんのアクティビティから、やりたいことを選択します。

LILJANにて
LILJANにて

利用者の皆さんが制作した作品
シルクスクリーンでのプリント
シルクスクリーンでのプリント

毛糸を使っての編み物
毛糸を使っての編み物
ダイナミックでユニークな作品

休憩できる場所もお洒落
休憩できる場所もお洒落
絵画は利用者の方の作品

充実した活動プログラムの他にも、
利用者はそれぞれやりたいことをサークルとして取り組んでいます。
演劇サークルなどの作品も見せていただきました。
次回の劇に使う小物を製作中とのこと。
次回の劇に使う製作中の小物
次回の劇に使う製作中の小物

 
主活動の他に余暇の活動グループなどに属して、それぞれが自分らしくいられる場所。
何かをさせられるのではなく、自分で選ぶ世界。
日本の生活介護では、余暇と仕事に別れていますが、決まったことをルーティーンでこなす事業者が多く、大きな差を感じます。

ここLILJANで一番印象的だったのが、利用者の自治のあり方です。

支援者の隣に、利用者の方が一緒に

施設に滞在中ずっと支援者の隣に、利用者の方が一緒にいてくださいました。
この方は、全てのアクティビティの場所で、それぞれ利用者の方を紹介してくださり、作品についてもたくさん教えてくれました。

どうしてなのかなと思っていたら、
なんとここには利用者の労働組合があり、そこのリーダの方だったのです。

障害者の通所施設に、利用者の労働組合があるのってなんとも素敵な驚きです。
労働組合は、事業所の自治にしっかりと参加して、処遇の改善や、アクティビティへの意見をしっかり伝える仕組みがありました。

ただ支援を受けるだけでなく、しっかりと意見が言える仕組みに感動!
まさに民主主義が全ての領域に行き渡っていることを実感しました。

 
午後に訪問した場所は、
ジョブコーチの施設『MISA』
ジョブコーチの施設『MISA』にて
MISAにて

今年の前半に日本で職場適応援助者(ジョブコーチ)の認定を受けたばかりの私。
福祉先進国のスウェーデンの仕組みをいざ学ぼうと前のめりに話を伺う。

MISAにはジョブコーチとの面談や、机上課題のプログラムを受けにオフィスを訪れる利用者がリラックスして過ごせる環境があります。
いかにも事務所のような雰囲気が多い日本の就労支援移行の事業所に比べて、圧倒的におしゃれでした。

素敵なソファと静かなBGM
素敵なソファと静かなBGM

支援内容は、日本と大きな差がなく
利用者のニーズをふまえ、就労に必要な技能の習得
生活基盤を整える支援
そして、就労先を探す営業
がジョブコーチの役目でした。

福祉先進国のスウェーデンは、効率的な社会の仕組みに定評があります。
しかし効率性が進んだ結果、人的な資源が必要な場面が少なくなってきていて、人的資源として活用されてきた障害者の就労先が少なくなっているという。
社会課題はいつまでたってもあり続けるものなのだろう。

ジョブコーチと利用者さんと記念写真
最後にジョブコーチと利用者さんと記念写真

普段は写真はNGとのことですが、
利用者の方に気軽にOKと言っていただけました。
ジョブコーチとの繋がりの深さを感じます。

 
話は変わりますが、街を歩いていると素敵な公園ばかり
素敵な街並みに気持ちが和みます。

素敵な公園

時折、何匹もの犬を散歩している人を見かけます。
しかも何人もそのような方います。
犬のベビーシッターの方達でした。

スウェーデンには犬にも人権ならぬ、犬権が保証されていて、飼い主は6時間以上放置してはいけないという法律があるとのこと。そのため犬を飼う人で日中世話人がいない方は、犬の幼稚園や、犬シッターを雇うのだそうです。
そして、このシッターさんこそ、就労支援での就労先の受け皿にもなっているとのことです。

様々な場所、仕組みで、循環社会が形成されているスウェーデン。
循環を目指すのではなく、民主主義を進めてきた結果の姿なのだと腑に落ちます。社会民主主義こそが、次に向かう社会なのではと思います。

また次回もスウェーデンの回想録を配信予定です!

 
最後に、宣伝です。
10月7日(月) 午前9時30分より
元気キッズの保育施設、療育施設の見学ツアー第2弾
を行います。
今回は午前中のみで、私の講演などはなく、現場見学メインでのツアーです。
前回予定があわず参加ができなかった方、もっと中村と話してみたい方などいらっしゃいましたらぜひご参加ください。

▼詳細は以下リンク先をご参照ください(事前のお申し込みが必要です)
元気キッズの保育施設、療育施設の見学ツアー第2弾バナー
https://genki-kids.net/1463

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株式会社SHUHARI
元気キッズグループ 代表 中村敏也

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中村敏也メルマガ vol.39 スウェーデン視察研修 旅行記(回想2)

参考:メルマガバックナンバー 2024.9.9 配信

中村敏也メルマガ vol.39 スウェーデン視察研修 旅行記(回想2)

 


中村敏也メルマガ


中村敏也メルマガ vol.39
スウェーデン視察研修 旅行記(回想2)

こんにちは。
株式会社SHUHARI 中村敏也です。

スウェーデンの視察研修から帰国し、回想1を配信後、忙しさの波に飲み込まれてしまい2ヶ月以上メルマガを放置してしまいました。少し時間は経ってしまいましたが、回想2を書いていきます。

2日目からは
スウェーデンの保育園の就学前学校に実習へ。

こちらは、大変異例なことで、個人の人権に大きなリスペクトがあるスウェーデンで、部外者を保育に参加させるということは、かなり警戒されて難しいらしく、
国の視察団でも聞いたことがないと聞きました。

ChaCha Children & Co.の30年の海外研修の実績、スウェーデンとの結びつきで初めて実現したとのこと。そんな機会に参加できた私はなんと運の良いことか。

初日に訪問した施設は
Orgona Förskolaオルゴナ就学前学校(私立)

住宅街にある就学前学校
すぐ近くに森があり、園庭も自然があり遊びの環境が充実している。

自然が多く遊びの環境が充実の園庭
自然が多く遊びの環境が充実の園庭

 
園庭にいる子ども達の声のみ聞こえ、保育者の声はほとんど聞こえない。
とても穏やかに皆が過ごしている。

保育者の配置も5対1であり、人的にも余裕がある。

環境も人も余裕が感じられるため、子どもたちが安心して過ごせている。

補食時間になり、
園庭にてりんごが配られる。
みんなで集まって食べ、小さなサークルタイムが始まる。
先生が日本人の私たちを紹介してくれて、質問などしてくれた。
子ども達には、ポケモン、ナルトは鉄板だ。
つかみはOK。

探究学習へのアプローチ
探究学習へのアプローチ

 
保育室に入ると、
狙いのある環境、探究学習へのアプローチ。

特にレッジョエミリアアプローチを取り入れている就学前学校なので、科学的な思考と、アートへ対する取り組みが際立っている。
アートとサイエンスがしっかりと幼児教育の中心にあり、やっていこうとしていること、やりたいことなどが伝わってくる。

保護者との関わりも、保育に参加してくれる仕組み作りが上手で、
子ども達が取り組む造形課題と同じ素材を保護者会の時に用意し、親にもチャレンジしてもらったりして、いかに子ども達が素晴らしいことをしているか、大人でも難しいことにトライしているかを体験してもらっていた。

午後は、
スウェーデンと日本の教員同士でお互いにプロジェクトの発表を行った。

保育室でのプロジェクト発表
保育室でのプロジェクト発表

 
スェーデン側の発表からは、
科学的アプローチの大切さを、真実を発見する楽しさを3歳のころから積み上げて行くことの大切さが伝わってきた。
何事も育ち積み重ね、連続することが大切であることを学ぶ。

日本側も発表。
そこで私は、医療的ケアが必要な子への保育の実践例を発表。



中村の発表

 
英語のプレゼンでとても緊張したが、
発表の最後に「日本の希望だ」という言葉をいただけた。

そもそも、スウェーデンでは発達障害などの障害を抱えている子は保育を受ける順位が一番高い。障害があろうがなかろうが100%保育を受けられる。
ただし医療的ケアが必要な児童は、
特別なチームがいる施設で保育を受けるのが通常。
一般的な保育施設では安全面で難しいという発言もあった。

やはり安全への配慮問題は、世界共通だ。

そして、
保育をインクルーシブで行うことが、
当事者にも、周りの方にも、
とても良い関係が生まれることを再認識できた。

スウェーデン視察研修 旅行記は、
時を見てまた配信いたしますので気長にお待ちください(笑)

 

さて、一つ告知です。

来週9月16日(月・祝日)に、
東京大学で保育の大きなイベントがあります。
あたらしい保育イニシアチブ2024

今年で3回目となる、保育の今と未来をみんなで感じるイベントです。
保育、幼児教育に関わる方はぜひご参加ください。

多くのセッションがあり、どれも見応え、聞き応えあるものばかり。
きっと、素晴らしいインスピレーションが得られると思います。
実際に会場へ行けない方はオンラインでの参加もできます。
ぜひこの機会に、保育の『イマとミライ』を感じてください。

ちなみに私もセッションを持っておりますので、
中村の顔を久々に見ようかなって方がいらっしゃいましたら、ぜひお顔を見せてください。ものすごく喜びますw
お申し込み期限は9月12日(木)まで。締め切り間近です!!
よろしくお願いいたします!

※参加には事前チケット購入必要です
※チケットの販売締め切りはリアル参加、オンライン参加ともに9月12日(木)になります。
詳しくは以下リンク先のぺージをご参照ください。
あたらしい保育イニシアチブ2024バナー
https://hoiku-initiative.jp/event/hoiku2024/

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株式会社SHUHARI
元気キッズグループ 代表 中村敏也

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中村敏也メルマガ vol.38 スウェーデン視察研修 旅行記(回想1)

参考:メルマガバックナンバー 2024.7.6 配信

中村敏也メルマガ vol.38 スウェーデン視察研修 旅行記(回想1)

 


中村敏也メルマガ


中村敏也メルマガ vol.38
スウェーデン視察研修 旅行記(回想1)

こんにちは。
株式会社SHUHARI 中村敏也です。

6月15日~23日の間
スウェーデンに1週間の視察研修に行ってきました。
とても学びと刺激の多い体験でしたのでメルマガで共有したいと思います。

今回の研修は、幸運にも
社会福祉法人ChaCha Children & Co.
が毎年実施している海外研修に、同行させていただきました。
ただ視察に行くのではなく、ChaChaの海外研修に選抜されたメンバーと共に、事前の研修を何度も重ねてから行きました。

事前研修では
毎回数枚のドキュメンテーションを作成し、
スウェーデンのことをまとめたり、
日本でのこどもたちの園での様子を写真に納め、その瞬間の発達の意味などをみんなで意見を言い合ったりし、アカデミックなアプローチを重ねて研修準備をしていきました。
まさに現場にたつ保育士の皆の鋭い視点と、熱意に、こちらも負けじと必死についていった事前研修でした。


中村作成ドキュメンテーション 全然視点が甘くて反省

共に学びを深めて行くことで、出発前にはすでに研修メンバーと素敵な関係性ができ、多少の不安と、期待を胸に当日を迎えました。

成田発のフィンエアーでまずはフィンランドのヘルシンキへ。
23時の出発。11時間のフライトでしたが、ちょうど良い時間のためよく寝られました。でも長時間のフライトで流石におけつが痛くなりました。

ヘルシンキに到着すると、早速、色々な違いが目に入ってきた。
まずゴミ箱の分別の細かさ。
そして、トイレの表示が男女とも同じ色。
環境への姿勢、
ジェンダーへの配慮など、
すでに日本とちょっと違うと感じる。

ゴミ箱 とても細かい分別
ゴミ箱 とても細かい分別

ヘルシンキから、
いよいよスウェーデンのストックホルム・アーランダ空港へ。
初めてのスウェーデンに興奮。
朝の6時に到着し、タクシーでストックホルムの中心街まで移動。
車両がベンツで、なんだかリッチな気分(笑)

1日目は、観光の予定。
9時くらいから街へ。
まずは、1週間分のバス地下鉄乗り放題のカードを購入。
Suicaみたいな感じ。
旧市街は、まるで映画の世界。
1600年代の建物とかが普通に健在。
地震がなく、1814年のナポレオン戦争以降、戦争してなく、第二次世界大戦にも公式に中立を表明していた。そのため古い建物が現存しているとのこと。

スウェーデンの首都ストックホルムの旧市街
スウェーデンの首都ストックホルムの旧市街

世界一細い公道と言われている道
世界一細い公道と言われている道

ストックホルム市の市庁舎見学へ。
ノーベル賞の晩餐会を行う場所で、とても豪華な場所だ。
議会場で色々質問をしてみた。
そこで驚いたのは、
ストックホルム市には市長がいないということ。
様々な分野の市議会から選ばれる財務長官 (Finansborgarråd) が実質的なリーダーとしての役割を果たしている。
市議会議員は選挙で選ばれ、
85%の投票率を誇るため、市民の市政への参加が当たり前。
そして市議会議員は、フルタイムが20%、80%はパートタイムの議員。
そのため様々なバックグランドのある議員がいて、
民意がしっかりと市政に反映される仕組みがある。
デモクラシーが徹底されていることに、大変驚かされる。

ストックホルム市の市庁舎
ストックホルム市の市庁舎

すでに情報過多になったが、
地下鉄を乗ってまた気づきがある。
地下鉄の構内には、物欲を刺激するような広告はほとんどなく、
アートだったり、アート性が高い表示物ばかり。

アート性が高い広告の多い地下鉄構内
アート性が高い広告の多い地下鉄構内

ふとゴミ箱のようなものを発見。
コーディネーターの方へ質問をすると、
これはリサイクル用のペットボトルと缶の入れ物だよと。

地下鉄にあったリサイクル用のペットボトルと缶の入れ物
地下鉄にあったリサイクル用のペットボトルと缶の入れ物

1本で1クローナに換金できる。
1クローナ(1SEK)は日本円で約15.33円
以前から、資源ごみを拾い集めて生計を立てている人がいる。ゴミをあさるのは効率が悪いし、コロナの怖さもあったため、ここ数年で、その方達のために寄付みたいな感じで資源ゴミを置く場所を作っていったとのこと。
なんて優しい国なのだろう。

電車には、
犬が乗って良い車両と、乗ってはいけない車両がしっかり明示されている。
余談だが、スウェーデンでは実は犬にも人権ならぬ犬権がある。
犬を飼うためには、まずはブリーダーから買うか、動物シェルターからの引き取りという方法がある。そして、犬を家に6時間以上放置してはいけない法律があるため、犬の幼稚園がある。
街なかでは、犬を引き連れて、散歩をしているたくさんの人たちをよく見た。
障害がある方が散歩を担うことも多いらしく、障害者雇用にも一役買っているらしい。

犬が乗って良い車両(左)乗ってはダメな車両(右)
犬が乗って良い車両(左)乗ってはダメな車両(右)

街を歩くだけで、価値観の違いに驚くことばかり。

公園とゴミ箱
公園とゴミ箱

街なかにはゴミ箱が多く設置され、ベンチや公園が多い。

スウェーデンの多くの都市では、住民が自宅から300メートル以内で公園や緑地にアクセスできるように設計されているとのこと。これは、日常的に自然と触れ合う機会を提供するためのものらしい。
なんと豊かな発想だろう。

社会構造の根底にある、社会主義的な平等な世界と、民主主義が共存。
福祉が手厚いが、経済成長も維持している。
経済的な効率性と社会的な公平性を両立させることを目指している。
市場経済のメカニズムを活用しつつ、政府が積極的に介入して社会保障を提供することで、安定した経済成長と高い生活水準を実現しているとのこと。

夜はクラシックなスウェーデン料理のレストラン、ペリカンで食事。
サーモンを堪能し、大満足。

老舗レストラン ペリカン(Pelikan)
老舗レストラン ペリカン(Pelikan)

夜8時の街。白夜の中を歩く私。
夜8時の街。白夜の中を歩く私。

知的興奮と、長旅の疲れで、変なテンションの1日がすぎていきました。
次回メルマガに続きます!

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中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.37「労働」の「喜び」を取り戻す

参考:メルマガバックナンバー 2023.12.21 配信

中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.37「労働」の「喜び」を取り戻す

 


中村敏也の元気キッズ保育園の秘密


中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.37
「労働」の「喜び」を取り戻す

こんにちは。
株式会社SHUHARI 中村敏也です。

大きな時代の変化を感じています。
パンデミックから始まり、
日本全体に強制的にICTの波が起き、
ついに2023年には生成AIが突如として実用レベルにまでになりました。
大きな戦争なんて経済的に非効率だから起こるわけないなんて言っていたのに、ウクライナ問題やパレスチナ問題などで各地で戦争が起きています。

日本の急速な超少子化に、過去最多の不登校児の問題。

2023年上半期の出生数35万2240人 去年同期比4.1%減 厚労省
参考:テレ朝news

令和4年度の国立、公立、私立の小・中学校の不登校児童生徒数が約29万9千件(過去最多)
参考:文部科学省:令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果及びこれを踏まえた緊急対策等について(通知)

大きな渦のような変化に
目が回る思いをしている方が多いのではないでしょうか?
私も経営者として、どのように構えていくべきか非常に悩ましいです。

特に少子化は、私たちのような乳幼児支援をしているものからすると死活問題です。今後3年間で多くの保育事業者が立ち行かなくなるのではないかと思います。

そんな不安もあり、今年の夏まで150を超えていた私の血圧。
なんと、最近は125前後で安定しています(笑)

ストレスフルなことが起きる毎日ですが、
実は最近「あること」を積極的にするようになり、
それが自分の健康にとって良い方向に働いているのではないかと密かに思っています。

それは、
地域のマルシェに積極的に出店、参加していること。

幸運なことに、弊社は
パン好きの店主が丁寧に手作りした
もっちりベーグルの専門店
GEs BAGEL WORKS(ジーズベーグルワークス)
https://www.instagram.com/ges_bagel_works/
を運営しており、
ありがたいことに、地域で一番人気のベーグルカフェになっています。
地域・近郊のマルシェにお声がけいただくことが増え、
週末ごとに、地元に近いマルシェに出店しています。

朝4時に起きて、ベーグルの仕込みをし、袋詰めなど時間ギリギリまで作業して出発。会場につき、そこから設営をして開始時刻ギリギリに準備完了。そして一日のんびりと販売していくという流れ。

正直、体力的にはきついのですが、心がなんとも豊かになるのです。

マルシェには、
自分の好きなものを作り売っている店主。
その店主と作られたものが好きなお客様が集まります。
また、何気なくふらっと地元の人たちが覗きにきて、自分の好きなものに偶然出会って、購入していく姿があります。
売り手の顔が見えて、買い手の顔も見える関係がここにはあります。

資本主義がいき過ぎた現代、能力の高さが評価指標に組み入れられていて、効率化がすべての分野で求められる、なんとも気を抜いていられない社会に向かっている中、マルシェには好きなものを作り、その好きなものを喜んで買っていただける方たちがいます。
こんな関係性がとてもとても素敵なのです。

「マルシェに出ると身体は疲れるけれど、心が豊かになる」
と考えていた時、ふと目に止まった本があります。

『ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す』山口周 (著)
https://amzn.to/3RjVtrO

この本には、
「労働の喜び」を回復させる
生産者と消費者の顔が見える関係にすることで、労働の喜びが回復する
ということが書いてありました。

ふと心に落ちてきました。

「どうあるべきか、こうせねばならない」と自分をがんじがらめにする必要はなく、「どうありたいか」を突き詰めた先に仕事があり、その先に喜んでくれる方たちがいる関係が素晴らしいなと思うのです。

 
社会の圧力で色々なプレッシャーを受け、押しつぶされをうになっている現役世代の若者、不登校になっている子どもたちは、「こうならなければならない」という、社会からどう見られているかという基準(実は自分の作り上げた思い込みのルール)にがんじがらめにされているのだと思います。
そりゃ苦しいですよね。

もっと自分に正直になって、
自分が好きなことを認めてあげることから始めてみよう。
きっとマルシェにはそんな風に自分を認めている人たちが集まっているのではないかなと思います。

『グッド・ライフ 幸せになるのに、遅すぎることはない』
ロバート・ウォールディンガー (著), マーク・シュルツ (著)
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には、「人生を豊かに生きるコツは、贅沢をできるお金があることだったり、社会的地位というのは、そんなに大きな要因ではなく、人と人との良質な関係にある」と書いてありました。
つまり、夫婦関係、家族関係、友人関係が豊かな人ほど、良い人生だったと感じるとのこと。

こう考えていくと、やはりこれからの時代は、地域との関係、顔が見える関係がキーワードになっていくんでしょう。

労働が喜びになる仕掛け作り
を経営者は考えて行かなければなりませんね。

 
さて、話は変わりますが、
先日初めて開催いたしました
「元気キッズ施設見学ツアー」
ご参加いただいた皆様から素敵なコメントをいただきました。

アットホームな感じで非常に学びの多い時間でした。
包括的に事業を捉えることができていて、素晴らしいなと思いました。
どのように報酬改定がなされるか分かりませんが、自分たちの信念は大切にしながら、この苦難を乗り越えて、より地域社会に必要とされる事業所になるように努めて参ります。
今日見聞したことについて、質問がありましたら、質問させていただければ幸いです。
今後とも何卒よろしくお願いいたします。
中村さん、今回はこのような機会を作っていただきありがとうございました。お忙しい中、いつも視察のご対応をされている大変さ、お察しいたします。個人的には、今回有料だからこそ職員とともに参加しやすかった面もあり、有り難かったところです。
また、少人数で実施できたからこそ、時折、直接お話できたこともあり、おそらく参加される方のステージによって興味関心がちがったなかでも、貴重な学びの時間となりました。
今後、どの事業者も多機能化に迫られる中、このようなグループを試行錯誤されながらさきんじて実現されていることに本当に尊敬しております。まずできるところから、自法人も改善していきたいと思います。
などなど。

応援のメッセージ本当にありがとうございます。
開催までは実際とても不安でしたが、好意的なご意見をいただき正直安堵しました。
ご参加いただいた皆様に、この場をお借りして御礼申し上げます。

今回は日程が合わず参加できないという声もいただきました。
次の会を時期を見て実施していきたいと思いますので
またどうぞよろしくお願い申し上げます。

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株式会社SHUHARI
元気キッズグループ 代表 中村敏也

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児童発達支援実践の教科書

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中村 敏也

Nakamura Toshiya
埼玉県内に、保育園、児童発達支援施設、保育所等訪問支援事業所、病児保育室、放課後児童クラブ、放課後等デイサービス、相談支援事業所を運営。子どもが笑顔で過ごせる保育園にするためには、職員が楽しめる職場であることが重要。職員が意見を言いやすい職場の雰囲気作りや福利厚生面など、働きやすさも重視した環境作りに力をいれている。
株式会社SHUHARI代表取締役
新座市子ども子育て会議委員
中村敏也