中村敏也 ブログ コラム 保育 療育 児童発達支援

中村敏也メルマガ vol.35「保育の多機能化と児童発達支援について」

参考:メルマガバックナンバー 2023.9.7 配信

中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.35「保育の多機能化と児童発達支援について」

 


中村敏也の元気キッズ保育園の秘密


中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.35
「保育の多機能化と児童発達支援について」

こんにちは。
株式会社SHUHARI 中村敏也です。

最近、ありがたいことに
私たち元気キッズの施設への見学依頼をたくさん頂きます。
私たちのやってきたことが世間に認められてきたのかなと思うのですが、
元気キッズで行っている「保育の多機能化」が最近の保育業界のホットワードになってきたからだとも思っています。

待機児童問題が解決したと同時に、
園児をいかに集めるか
「選ばれる保育園、幼稚園」になることが
死活問題になってきた保育業界。

参考)読売新聞オンライン
待機児童が過去最少の2680人、9割弱の自治体で「ゼロ」に…保育施設定員増や出生減で

最近の保育系のセミナーで人気なのは、
いかに「選ばれる園になるか」を事例を紹介しながら解説をしていくもの。
これらのセミナーで紹介される「うまくいっている事例」は、本当にためになり、すぐにでも試してみたいことが多いです。

これからの園児獲得に課題を感じている方は、ぜひ、このようなセミナーをはじめ、他の施設の事例を研究して、どんどん取り入れていってほしいです。

保育の「多機能化」というキーワード

多くの成功事例で出てきているのが
保育の「多機能化」というキーワードです。

これは、定員が埋まらず、空き部屋などが出てきたら、そこで他の支援をやってみてはどうかな?そうすれば利用者が減った分の穴埋めができるよね、という思考です。
経営者目線で言えば真っ当だし、やるべきだと思います。

参考)産経新聞オンライン
空き目立つ保育園 多機能化が打開のカギ

この流れの中で「児童発達支援」に注目が集まっているのです。

発達支援をする場所だから、
保育園や幼稚園との相性がよいし、
自園の子ども達のためになるし、
発達に課題のある子どもも預かることができるようになるし、
利用者の保護者も助かるし、
一石四鳥だね!
まさにいいことづくめの併設型 児童発達支援。

私たちの元気キッズでも
認可保育園に併設型の児童発達支援を運営していてますが、
本当に良いことばかりなので、大いに推奨したいです。

そのために、多くの施設見学を受け入れていたのですが、
見学者のお話を聞いていると、どうしても一抹の不安を感じてしまいます。

見学されたほとんどの方が、児童発達支援を併設することは
自園の子ども達にとって有益
自園の保護者にとって助かる
自園の保育士にとってとても勉強になる!
と口を揃えたようにおっしゃいます。
素晴らしい洞察と思いますが、
2つほど、決定的にかけている視点があるのです。

1つめは、
「地域社会にとっての自園の役割」という視点

児童発達支援事業は、社会資源として、発達に困り感がある子ども、そしてご家庭への支援をする場所であり、自園の特定の子ども達だけでなく、地域にいる全児童が対象になるものです。

幼稚園や保育園に通いたくても、加配が必要だから入れないと、大きな差別を受けてきている児童へ、どうか思いを馳せてほしいのです。

2つ目は、
「多機能化」ではなく、「多事業化」という視点

空き教室があるから、子どもに関わる発達支援をやろう。
と、あたかも一時保育事業をやるイメージで児童発達支援をはじめると、間違いなく、すぐに立ち行かなくなります。

それは、発達支援自体が、
保育の分野ではなく、介護、障害福祉の分野だからです。
自治体の管轄、資金の出本、専門職員など全て別なのです。

ということは、
児童発達支援を始める事は、
新しい事業を一から始めることになるのです。

もちろん今までの経験などの資産は使える部分は多いです。
しかし、職員の質、やるべきことなどは、全く別と思っていた方がよいです。

この心構えがないと、ほとんどの方が運営開始してもきっとトラブルばかりで心を病んでしまうことになります。

少しばかり脅かしてしまいましたが、
全く新しい事業で、地域にとって何ができるかをしっかり見据えた上で、
児童発達支援への多事業化を進めてほしいと願っております。
 
 

追伸
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保育や児童発達支援の運営に関することをたくさん発信しております。
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児童発達支援実践の教科書
 
保育園の教科書 中村敏也

 
 
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株式会社SHUHARI
元気キッズグループ 代表 中村敏也

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困っている保育所の足元を見た高額な人材紹介会社に頼らず、自力で採用できる力を、すべての保育所が持つことができれば、より良い保育環境が広がるはずです。

子どもたち、保護者、保育士にとって、とても幸せな世界になることを願って、少しでもお力になれれば幸いです。

※メールが届かない場合、携帯メールの受信設定、迷惑メールの設定などをご確認ください。
@shuhari.bizからのメールを受信できるようにしておいてください。

9月10日(日)「あたらしい保育イニシアチブ」開催!

昨年大好評だった
「あたらしい保育イニシアチブ」
保育に関わる実践者たちがボランティアで立ち上げたフォーラムです。

保育の今がここにある。

私も陰ながら実行委員として携わっております。
当日会場でお会いしましょう!

今年の開催は

東京大学
TOKYO UNIVERSITY
2023年9月10日(日)
9:30(OPEN9:00)-18:00

会場にお越しになれない方は
オンラインでも聴講できます

一緒に保育業界を盛り上げていきましょう!

詳しくは「あたらしい保育イニシアチブ」のぺージをご参照ください。
https://hoiku-initiative.jp/event/hoiku2023/

 

株式会社SHUHARI
元気キッズグループ
代表 中村敏也

さいたま市に 児童発達支援施設 元気キッズ ビブリ教室 開所

2023年7月
大宮駅徒歩10分に立地するコモンプレイスBibli(ビブリ)に
児童発達支援・保育所等訪問支援
元気キッズ ビブリ教室

を開所いたしました。

大宮駅徒歩10分のBibli(旧大宮図書館)の2階という利便性の高い立地に、
作業療法士や言語聴覚士など各種専門家が常駐する施設となっております。

元気キッズとしては さいたま市での初の開所になりますが、
元気キッズの療育の質は変わらず、
エキスパートたちが行う包括的で寄り添った支援を行います。

元気キッズは、埼玉県内の保育園では先駆けて、
本格的な児童発達支援事業を開始しました。

着実に積み上げてきたその保育経験をもとに、
高い専門性をもつ職員が、
発達障がいや発達特性のある子どもの
保育、療育、子育て支援を行っています。

社会の中でも
子どもが安心して力を発揮できるよう、
私たちは、ご家族のみなさんの伴走者として
いつも一緒に考え、取り組んでいきます。

児童発達支援・保育所等訪問支援
元気キッズ ビブリ教室 詳しいご案内はコチラ
https://genki-kids.net/facilities/development/982

専門職による療育内容はコチラ
https://genki-kids.net/development/therapist

元気キッズの児童発達支援(PSCもご参照ください)
https://genki-kids.net/development
児童発達支援・保育所等訪問支援 元気キッズ ビブリ教室 さいたま市
 
保育園を平成16年に創業し、
発達支援への強い想いをもって児童発達支援を始めました。

平成27年1月に埼玉県新座市に初めて児童発達支援 元気キッズの開所にあたって
平成26年12月に開所の案内チラシを配布して、利用者を募集したところ、
そのチラシを握りしめ、保護者の方が面談にお越しになりました。

「私にとってのクリスマスプレゼントかと思いました。こんな場所をつくってくれてありがとうございます。」

と泣きながら話していただいたのが、今でも鮮明に思い出せます。

  • 保育園、幼稚園へ入れない
  • 療育は保護者の子育ての責任だという風潮がつよく、母子分離での施設が少ない
  • どこへ行くにも周りの目が気になり、子どもをどこへも連れて行けず、引きこもりがちになってしまう
  • 誰に相談して良いかわからない
  • 発達相談するにも半年待ちなどと言われてしまう

などなど、想像以上に社会は厳しいと現実を実感し、
子どものため、子育て世代のため、本気で社会を変えたいと思った瞬間です。

その後、元気キッズでは、
保育園、児童発達支援を両輪として、地域の子育て環境をやさしくしていきたいと邁進し、
令和4年6月に朝霞市に児童発達支援センター 元気キッズチルズを開所いたしました。

そして、この度、初めて、さいたま市にて児童発達支援事業をはじめました。

平成27年に児童発達支援事業所を開所したとき、
大宮から通ってくださった方がいらっしゃったこともあり、
以前からご縁を感じていた場所に新たな施設を開所できたことが、大変に感慨深いです。

  • 1人で悩まないでほしいです
  • いっしょに子育てをさせていただきたいです
  • 子育ての大変さ、楽しさを共に感じさせていただきたいです

地域の皆様に愛される施設になれるよう頑張ります。
 

株式会社SHUHARI
元気キッズグループ
代表 中村敏也

「保育博ウエスト」の登壇を終えて

参考:メルマガバックナンバー 2023.7.24 配信

「保育博ウエスト」の登壇を終えて
 


 
「保育博ウエスト」の登壇を終えて

こんにちは。
株式会社SHUHARI 中村敏也です。

先日、7月19日(水)に
保育博ウエスト2023
主催者特別セミナーに登壇してきました。

タイトルは
「今まさに地域に必要とされるインクルーシブ保育の実践」

私たち元気キッズグループが、地域の課題に対して向き合ってきた結果としての、社会モデルの構築の過程をお伝えいたしました。

初日の最終枠ということで、人出はどうかなと思いましたが、席も満員になっていたようでひと安心。

熱心に頷きながら聞いてくださる方が多く、非常に話しやすく緊張もさほどせずに無事終えることができました。
ありがとうございました。

講演の内容を少しお伝えいたします。

今まさに必要とされるインクルーシブ保育の実践

私たち元気キッズグループは、埼玉県の志木市、新座市、朝霞市という3つの隣接した自治体にて複数の事業を行ってきました。

闇雲に規模の拡大を狙ったわけでなく、その時に必要だと思った支援の形を模索してきた結果、今のネットワークができてきました。

元気キッズグループ 埼玉南部を中心に地域に根づいた28施設を運営

結果として、このように3つの隣接した自治体に、根を張ることで、保育の世界だけでは見えてこない、様々な地域の課題を自分ごとに感じ、必要な施設を作っていったのです。

保育園や幼稚園単体でできることは限られています。
地域の社会資源をネットワークで繋がり、みんなで課題に向き合って行くことが大切だと肌で感じた19年間でした。

児童発達支援事業所を立ち上げることは、インクルーシブと言いつつ、分断の始まりを作っているのではないか?と感じる方もいると思いますが、私は真のインクルーシブに近づけるために必要なステップだと考えております。

何より、保育園、幼稚園の中で、多様な子ども達が共に育つことが大切となりますが、そこには大きな理解の壁があります。

それが「3つの理解の壁」です。

インクルーシブ保育を実践するために立ちはだかる3つの理解の壁

  • 働く保育士の発達に対する知識と理解
  • 定型発達児の保護者の理解
  • 地域の理解

それぞれに対して丁寧に対応してくことがとても大切です。

いきなりインクルーシブ保育だといっても、みんなが苦しくなっちゃいます。
だから一旦、
児童発達支援事業所で、療育経験の長い保育士や、ST(言語聴覚士)OT(作業療法士)PT(理学療法士)心理士などのセラピストを法人内で確保し、
まずは法人内で発達支援への知識、経験を蓄積し、
実際の保育の現場で必要な時に、さっと相談に乗れるような体制があれば、
保育士が救われます。
保育士に自信がつけば、保育現場が安定し、
子ども達にとって安心できる居場所になるのです。

講演では
「その先の社会構造について」
多く時間をさきました。

社会には様々なレイヤーが存在します。
1つのレイヤーの中にいるだけでは、その世界観しか知ることができません。

例えば、
事故にあって車いす生活になった瞬間に、障害のある世界の当事者になりその世界線を理解します。
妊娠して、妊婦の大変さを知り、出産して育児の大変さを知ります。

それらのレイヤーに、
子どものころから当たり前に見たり触れていたとしたら、
きっと大きなギャップを感じることなく、
様々な違いを受け入れて行くことが容易になると思います。

だからこそ、子どもの世界の健常児、障害児をインクルーシブにするというだけの視座ではなく、より大きな社会の多様性を受けいれる視座で、これからの地域を変えていくことが必要だと思っています。

このような話を講演でお話ししてきました。

まだまだ発展途上の我々ですが、今日より明日が、やさしい社会になるよう頑張っていきます。

 
 
児童発達支援実践の教科書
 
保育園の教科書 中村敏也

 
 
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株式会社SHUHARI
元気キッズグループ 代表 中村敏也

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中村敏也メルマガ
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困っている保育所の足元を見た高額な人材紹介会社に頼らず、自力で採用できる力を、すべての保育所が持つことができれば、より良い保育環境が広がるはずです。

子どもたち、保護者、保育士にとって、とても幸せな世界になることを願って、少しでもお力になれれば幸いです。

※メールが届かない場合、携帯メールの受信設定、迷惑メールの設定などをご確認ください。
@shuhari.bizからのメールを受信できるようにしておいてください。

「保育博ウエスト2023」にて 主催者特別セミナーに登壇いたします。

2023年7月19日(水)~20日(木)
マイドームおおさか にて開催される
「保育博ウエスト2023」にて
主催者特別セミナーに登壇いたします。

保育博ウエストにご入場いただくには、「来場事前登録」が必要です。
名称:保育博ウエスト2023
会期:2023年7月19日(水)~20日(木)
時間:10:00 ~ 17:00
会場:マイドームおおさか

入場に際してのご注意あります

▼詳しくはコチラをご参照ください
https://hoikuhaku-west.jp.messefrankfurt.com/osaka/ja/planning-preparation/visitors.html?fbclid=IwAR0vsgACTY1ozvEdPf36PI_4KdTflqKkvEhrTRM4K4Bp1Rn6QSnojcRH9AE

私の出番は

7月19日(水)15:45~16:45
「今まさに地域に必要とされるインクルーシブ保育の実践」

開催場所:2FセミナーエリアB(100席)
地域が求める子育て支援施設を、隣接する3市において複数事業展開している中で気づいた、保育所が児童発達支援事業を行う意義、そして地域とのネットワークの中で支援することで全ての関係者にとって利がある仕組みを公開します。

お近くの方いらっしゃいましたら是非聞きにお越しくださいませ。

聴講料無料(先着順)、完全入替制
▼詳しくはコチラをご参照ください
https://hoikuhaku-west.jp.messefrankfurt.com/osaka/ja/programme-events/lecture.html?fbclid=IwAR2dXjidXKD5-k1ACqX2VdbJbQzbiJBaSn1fsbAqoCSijFLct80O0hXRLJI#accordionCollapse-606509158264

株式会社SHUHARI
元気キッズグループ
代表 中村敏也

中村 敏也

Nakamura Toshiya
埼玉県内に、保育園、児童発達支援施設、保育所等訪問支援事業所、病児保育室、放課後児童クラブ、放課後等デイサービス、相談支援事業所を運営。子どもが笑顔で過ごせる保育園にするためには、職員が楽しめる職場であることが重要。職員が意見を言いやすい職場の雰囲気作りや福利厚生面など、働きやすさも重視した環境作りに力をいれている。
株式会社SHUHARI代表取締役
新座市子ども子育て会議委員
中村敏也