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メルマガ 中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.2

参考:メルマガバックナンバー 2020.06.25配信

中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.2「「変化できる力」の話」


中村敏也の元気キッズ保育園の秘密


来年還暦を迎える施設長の「変化できる力」の話

こんにちは。
株式会社SHUHARI 中村 敏也です。

今回は、元気キッズに入社し約10年の、ある保育士の話です。

彼女は、元気キッズの何もない家庭保育室時代に、私の想いに共感してくれて、公立の保育園から転職。
4年前(平成28年4月)の元気キッズ初の認可保育園の立ち上げから、
認可保育所の施設長になり、現在にいたります。

来年還暦を迎える彼女は、もはや「元気キッズの母」といった存在ですね。。

職員からも子どもたちからも慕われている彼女も、
入社してから今まで、いくつもの壁がありました。

彼女を言い表すと、スパっとした気持ちのよい性格で、好き嫌いがはっきりしている義理人情に熱いタイプ。

入社時の保育の傾向は、先生主導型。
「先生の言うことを聞いて、言われたことをしっかりやることが善」という価値観を捨てきれずにいました。
ほとんどの職員は彼女を尊敬しついていけるが、まれに、ついていけないという職員も。

みなさんの保育所にもきっといると思います。
昔ながらの価値観をもって、良いと思って行動しているが、世代間の違いでなんだかチグハグしてきている年配の職員が。

それでも、家庭保育室時代は、とてもうまくチーム運営ができていたのですが、
認可保育所になり、マネジメントする人数が増えたとたんに、問題が出てきました。

新卒の職員は、肝っ玉母さんである彼女の愛につつまれて、しっかり育っていくものの、
中途入所職員のなかには戸惑い、やがてやめていく人が出てきたのです。

そのようなことが続くと、次第に園内の雰囲気が悪くなり、みんなが周りを気にしながら保育をするように……。

彼女はとてもとても悩みました。

「子どもたちの笑顔のために保育をしたいのに……」
「人間関係でつまずいて、保育に集中できないなんて……」と

そして、私との個人面談を何度も何度も重ねていきました。

面談では、いくつかの問題点が職員から上がっていることを正直に伝えました。

「子どもへの言葉が強い」
「昔からの職員ばかりと相談して、勝手にものごとが決まっていく」
「冷たい」など

彼女は、大変ショックだったと思います。
想いが伝わらない悔しさや、自分の至らなさに涙を流しながらの面談は続きました。

私は、「元気キッズの4つの約束(挨拶、礼節、人の話を聞く、自分の意見を伝える)を体現してほしい」
「とにかくやってみて、ダメだったら元に戻せば良いだけだよ」と伝えました。

普通に考えると、ベテラン保育士の彼女が、自分より20歳も年下の私から指摘され、
「今のやり方ではダメ」とノーを突きつけられたら、きっとやめてしまうか、逆切れしてしまったり、
「みんなが理解しないのが悪い、私は正しい」と自分の意見に固執してしまっても当然のように思います。

しかし、彼女は違いました。

「私、変わります!」と、面談の最後に宣言。

翌日から、子ども主体の保育の実現のため、働く職員の考えを吸い上げるため、積極的にコミュニケーションを開始しました。
そして、元気キッズの4つの約束を自ら実行していきました。

すると、重たかった現場に徐々に変化がおき、とてもすがすがしい、本来の彼女のような雰囲気の施設になっていきました。

認可保育所2年目のときにはじめて実習生を受入れ、実習最終日に言われた言葉が今でも忘れられません。

「元気キッズには、ありがとうが溢れています!」と。

たった1年で、元気キッズらしさである「挨拶、礼節」が浸透していました。

そして現在5年目、先日6月23日に彼女と職員たちの目標シートの評価のためのミーティングを行いました。

彼女から発せられる言葉は、すべての職員に対して、ポジティブな内容でした。
「率先して片付けや掃除をする先生ばかりで、私がやっているとすぐに仕事を奪われてしまうのです」

「縦割りの自由保育のミーティングは、はじめは私がファシリテーションしてたのですが、
いまでは先生たちが率先してやっていて、ちょっとついていけないくらいの濃い内容を話しているんです!」

「指示待ちだった中途入社の先生が、去年の年長の担任を経て、自信がみなぎっていて、すごく積極的に提案をするようになったんです」

などなど。

先生たちに訪れた数々のポジティブな変化。
でもこれは、施設長である彼女の変化が起こしたこと。

そのことを彼女に伝えました。

「いえいえ、自分の力ではないです。みんなが本当にすごいから」と。

還暦が近い年齢でも、決して奢ることなく、自ら変化をしつづける彼女は、きっとこれからも職員たちを導き、子どもたちの笑顔のために邁進してくれることでしょう。

このように、園の施設長が、その園の性格を決め、雰囲気をつくります。
人こそ宝です。

ぜひ、自分の理想の保育を実現するために、理念をつくり上げ、共感する仲間を集まってもらいましょう!

次回は、元気キッズの理念を形にしていった話を配信予定です。

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株式会社SHUHARI
保育園元気キッズ 代表 中村敏也

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中村 敏也

Nakamura Toshiya
埼玉県内に、保育園、児童発達支援施設、保育所等訪問支援事業所、病児保育室、放課後児童クラブ、相談支援事業所を運営。子どもが笑顔で過ごせる保育園にするためには、職員が楽しめる職場であることが重要。職員が意見を言いやすい職場の雰囲気作りや福利厚生面など、働きやすさも重視した環境作りに力をいれている。
株式会社SHUHARI代表取締役
株式会社sopo代表取締役
新座市子ども子育て会議委員
中村敏也