中村敏也 ブログ コラム 保育 療育 児童発達支援

「保育博ウエスト」の登壇を終えて

参考:メルマガバックナンバー 2023.7.24 配信

「保育博ウエスト」の登壇を終えて
 


 
「保育博ウエスト」の登壇を終えて

こんにちは。
株式会社SHUHARI 中村敏也です。

先日、7月19日(水)に
保育博ウエスト2023
主催者特別セミナーに登壇してきました。

タイトルは
「今まさに地域に必要とされるインクルーシブ保育の実践」

私たち元気キッズグループが、地域の課題に対して向き合ってきた結果としての、社会モデルの構築の過程をお伝えいたしました。

初日の最終枠ということで、人出はどうかなと思いましたが、席も満員になっていたようでひと安心。

熱心に頷きながら聞いてくださる方が多く、非常に話しやすく緊張もさほどせずに無事終えることができました。
ありがとうございました。

講演の内容を少しお伝えいたします。

今まさに必要とされるインクルーシブ保育の実践

私たち元気キッズグループは、埼玉県の志木市、新座市、朝霞市という3つの隣接した自治体にて複数の事業を行ってきました。

闇雲に規模の拡大を狙ったわけでなく、その時に必要だと思った支援の形を模索してきた結果、今のネットワークができてきました。

元気キッズグループ 埼玉南部を中心に地域に根づいた28施設を運営

結果として、このように3つの隣接した自治体に、根を張ることで、保育の世界だけでは見えてこない、様々な地域の課題を自分ごとに感じ、必要な施設を作っていったのです。

保育園や幼稚園単体でできることは限られています。
地域の社会資源をネットワークで繋がり、みんなで課題に向き合って行くことが大切だと肌で感じた19年間でした。

児童発達支援事業所を立ち上げることは、インクルーシブと言いつつ、分断の始まりを作っているのではないか?と感じる方もいると思いますが、私は真のインクルーシブに近づけるために必要なステップだと考えております。

何より、保育園、幼稚園の中で、多様な子ども達が共に育つことが大切となりますが、そこには大きな理解の壁があります。

それが「3つの理解の壁」です。

インクルーシブ保育を実践するために立ちはだかる3つの理解の壁

  • 働く保育士の発達に対する知識と理解
  • 定型発達児の保護者の理解
  • 地域の理解

それぞれに対して丁寧に対応してくことがとても大切です。

いきなりインクルーシブ保育だといっても、みんなが苦しくなっちゃいます。
だから一旦、
児童発達支援事業所で、療育経験の長い保育士や、ST(言語聴覚士)OT(作業療法士)PT(理学療法士)心理士などのセラピストを法人内で確保し、
まずは法人内で発達支援への知識、経験を蓄積し、
実際の保育の現場で必要な時に、さっと相談に乗れるような体制があれば、
保育士が救われます。
保育士に自信がつけば、保育現場が安定し、
子ども達にとって安心できる居場所になるのです。

講演では
「その先の社会構造について」
多く時間をさきました。

社会には様々なレイヤーが存在します。
1つのレイヤーの中にいるだけでは、その世界観しか知ることができません。

例えば、
事故にあって車いす生活になった瞬間に、障害のある世界の当事者になりその世界線を理解します。
妊娠して、妊婦の大変さを知り、出産して育児の大変さを知ります。

それらのレイヤーに、
子どものころから当たり前に見たり触れていたとしたら、
きっと大きなギャップを感じることなく、
様々な違いを受け入れて行くことが容易になると思います。

だからこそ、子どもの世界の健常児、障害児をインクルーシブにするというだけの視座ではなく、より大きな社会の多様性を受けいれる視座で、これからの地域を変えていくことが必要だと思っています。

このような話を講演でお話ししてきました。

まだまだ発展途上の我々ですが、今日より明日が、やさしい社会になるよう頑張っていきます。

 
 
児童発達支援実践の教科書
 
保育園の教科書 中村敏也

 
 
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株式会社SHUHARI
元気キッズグループ 代表 中村敏也

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中村 敏也

Nakamura Toshiya
埼玉県内に、保育園、児童発達支援施設、保育所等訪問支援事業所、病児保育室、放課後児童クラブ、相談支援事業所を運営。子どもが笑顔で過ごせる保育園にするためには、職員が楽しめる職場であることが重要。職員が意見を言いやすい職場の雰囲気作りや福利厚生面など、働きやすさも重視した環境作りに力をいれている。
株式会社SHUHARI代表取締役
株式会社sopo代表取締役
新座市子ども子育て会議委員
中村敏也