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中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.30「採用、新人育成には、いい子症候群の若者を理解すべし」

参考:メルマガバックナンバー 2022.8.11配信

中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.30「採用、新人育成には、いい子症候群の若者を理解すべし」

 


中村敏也の元気キッズ保育園の秘密


中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.30
「採用、新人育成には、いい子症候群の若者を理解すべし」

先日、就職フェアに久々に参加してきました。

フレッシュな2023年新卒予定の若者たち7割、
転職活動をしている現役保育士の皆様が3割くらいの割合でした。
たくさんの方と話をすることができ大変有意義な機会でした。

僕らが話せた新卒の9割5分がとても「いい子」たちでした。
リクルートスーツを着て、熱心に話に耳を傾けて頷き、
「質問ある?」と聞くと
「特に大丈夫です」と答え、
「ぜひ見学にいきたいです!」と言ってくれる。
そこで「いつにする?」とたたみ込むと、
「あ、バイトを調整して連絡します。」と言う。

一方、転職活動組は、同じく熱心に話を聞き、頷き、
質問は経験に基づき不安点を聞き、
意欲の高い人は体験を勧めると、その場で日取りを決める。

実は新卒のこの感じは、ここ数年感じていました。

入社後の研修でも、
熱心に耳を傾け、頷き、仲間とともに協力してワークをする。
でも積極的に自分から質問をすることはない。

仕事をすすめていくと、
「教えられていないのでできません」と訴える。
でも、質問もされてないし…と上司はとまどう。

どうでしょうか?
読者の皆様で採用活動、研修担当の方は、身に覚えがあるのではないでしょうか?

この現象を、先日読んだ本 

「先生、どうか皆の前でほめないで下さい:いい子症候群の若者たち」
 金間 大介 (著)

では、ズバリ言い表しています。

『質問のやり方を教わってないんで…』

そういうことなんです。
 
 
教えてもらってないから、できないのが当たり前なのです。

いやいやいやいや、それじゃ社会人としてダメでしょ!
って思った皆様、激しく同意します!
が、そこは若者を理解していかないと、この問題に向き合うことができません。

この本の筆者の分析では、
『若者の特徴として一番なのが「目立ちたくない」ということ。』
と書いてあります。
 
 
本のタイトルの通り、
学校生活の中で、
皆の前で褒められたりしたら意識高い系みたいに思われて辛いと感じ、
少しがんばっているやつは意識高い系と揶揄されダサい認定される。
飛び抜けて良かったら目立つ、また反対に飛び抜けて悪くても目立つ。

だから、みんな「いい子」になる技術を磨く。

学生生活、この目立つことなく「いい子」になる技術を磨いた結果、
言われたことはそつなくこなす
積極的に何かやりたいことはない
あんまり頑張らなくても、それなり頑張っているようにみえる守られた環境
=安定が良い
このようなマインドになる

とても「いい子」に見え、そつなくこなせ、
それなりにできるようにみせる技術が発達した若者たち。
これは、ますます広がっているように思います。
 
 
では、我々、昭和の世代としては、
「そんなん言ってないで、がむしゃらにやれー」
って言わねばと身構えてみても、
このような若者は素直で、けなげなんです。
ついつい大人が手をかけてあげてしまいたくなるのです。

大人側のやってあげたい欲求をとても上手に満たせてあげる技術を、学生時代に高いレベルで身につけてきたのです!!

日本の教育システムのつけが、若者に押し付けられている現実が垣間見られます。

でも、これって若者たちがどんどん不幸になってしまう気がしてしまいます。
 
 
そこで、
この本の筆者は、
若者たちへ次の3つのことを意識しろと言っています。

1.質問をしろ
 採用フェア、入社後の育成研修時、いつかくる「質問ありますか?」と聞かれる恐怖を乗り越えるためには、つねに何か質問をする準備をしておくこと。
もし質問がなければ、「●●についてわからないのでもっと詳しくおしえてください」と、単純にわからないことを聞いてみる。

2.質問するためのメモをとれ
 メモは、ただ言っている内容を書き写すのではなく、わからないと思うことをメモして、質問のためにメモをとるのだ!

3.人より半歩早く動き出せ!
 席を立つ、電話をとる、ゴミ捨てをする、など基本的なことを半歩早くすること。そのためには、先輩たちの動きを俯瞰した目でみる必要がある。
半歩早く動き出せるようになれば、おのずと仕事ができるようになる。

非常にシンプルですが、とてもエッセンシャルです。

まさに新卒に求めることです!

ん?あれ?まてよ。
30、40歳代もできてますかね??この3つのこと。

ちょっと周りを見回してみると、
仕事のできる人は自然とこの3つができていますが、
イマイチ、イマニさん達は、総じてできていないことに気づいてしまいました。

よって、今回のメルマガの気づきは、
新人も中堅も関係なく、質問、メモ、動き出しをやっていきましょう!
ということでした。

最近の若い者は、、、という前に、
自分たちの行動を見直していきましょう。
自戒の念をこめて・・・

次回は、新人の育成についてです。

夏バテに注意して楽しんでお仕事しましょう!!

 
 

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株式会社SHUHARI
元気キッズグループ 代表 中村敏也

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中村 敏也

Nakamura Toshiya
埼玉県内に、保育園、児童発達支援施設、保育所等訪問支援事業所、病児保育室、放課後児童クラブ、相談支援事業所を運営。子どもが笑顔で過ごせる保育園にするためには、職員が楽しめる職場であることが重要。職員が意見を言いやすい職場の雰囲気作りや福利厚生面など、働きやすさも重視した環境作りに力をいれている。
株式会社SHUHARI代表取締役
株式会社sopo代表取締役
新座市子ども子育て会議委員
中村敏也