中村敏也 ブログ コラム 保育 療育 児童発達支援

中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.20

参考:メルマガバックナンバー 2021.12.16 配信

中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.20 「本物になる仕組みとは?」

 


中村敏也の元気キッズ保育園の秘密


中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.20
「本物になる仕組みとは?」

日々、世界がものすごい勢いで変化する今日。
子ども達を取り巻く世界も大きなうねりの中にいます。

そんな中で、私たち幼児教育に関わるもの達は、子ども達、保護者にとって、ゆるぎのない存在になる必要が、以前にもまして大きくなっている気がしています。

そこで今回は、継続的に成長し続け、
本物になるために必要なことは何かを考えていきましょう。

基本は次の2つです。

①良質なINPUT

②積極的にOUTPUT(実践)し、振り返り、改善し、 再度実践する、
PDCA を 繰り返すこと

この2つに限ります。
そんなの当たり前じゃんて思いますよね。
そうなんです。
当たり前の基本の基だからこそ、後回しにせず、やるべきことなんですね。

なので、もう少し詳しく考えていきましょう。

まず、
①良質なINPUTについて
どうしていくべきかとというと、

例えば、職員に課題図書を渡して、さぁ読んできてって言っても、ちゃんと読んでくれるとは限りませんよね。
いや、感想文を提出してって言えば、嫌々ながらも読んでくれると思いますが、本当に身につくかは別です。

もっと乳児保育のことを勉強しなさいって、ただ乱暴に言い放っただけでは、きっと何も前には進まないです。

だって、先生達、毎日本当に忙しいんです。
余裕なんか本当にない中、頑張っているんだもの。
さらに、追加で勉強しろっていうのは、ほんとムリゲーってみんな思います。

では、園(会社)として、どうしたら良いかというと
それは、「研修」を組み立てることです。

良質な研修を設計し、
職員に対して研修のための時間をとって受講させる。
そして振り返ることができるよう、レポートの提出を求めましょう。

次に向かうべき組織の姿を想像し、
今何が足りないか見極めた上で、研修を設計しましょう。
なんとなくの研修こそ無意味です。

必ず、研修を受けた職員に行動変容が起きるような研修を設計しましょう。
そして、十分な時間を研修に当てましょう。

日常の業務から離れた場所で、
自分に向き合えるように
研修を受けられる配慮が必要です。

研修を受けた後は、必ず研修レポートを作成してもらいましょう。
この「文章を書く」という行為は、頭の中で情報が整理されていないとできません。

質の高い仕事をする人は、文章力の高い方が多いです。
文章が苦手な人も、「量は質に転化」しますので、とにかく書いてもらいましょう。
初めはできなくても、量をこなした後、振り返って見ると、きっとレベルが上がっている自分を実感できます。

特に新卒の職員はスポンジのような吸収力で、どんどん知識を取り入れ、またレポートの質も3ヶ月ごとにレベルアップしていきます。
ぜひ、文章を書かせることをおすすめします。

良質なINPUTを得たら、
次はOUTPUTです。
どんどん実践してきましょう。

ただ、ここで大切なのは、事前に何を考えたかです。
そう「仮説が大切」なのです。

そこで、昔からよく使われる考え方が、
②PDCAサイクルです。
Plan(仮説) Do(実践) Check(検証) Action(再度実践)

質の良い情報を元に「こうしたら良い結果が生まれるのではないか」と仮説をたて、実行してみる。
そして、それが本当に良い結果をもたらせたかを振り返り検証。
そこで、良い部分、良くない部分を見つけて、修正し、再度実践します。

話は少し変わりますが、保育の世界では、近年、ドキュメンテーションというものが大切だと認識されてきました。
日々の保育の記録を写真などを使って、保護者、保育者と情報を共有するために使います。

保育者は、日々、試行錯誤や工夫をこらしてドキュメンテーションを作成していると思います。
そして、ある程度の期間で、このドキュメンテーションの振り返りをします。
これをリフレクションといいます。

この振り返りをすることで、
ドキュメンテーションが「教育的ドキュメンテーション」へ昇華します。

日々の振り返りが、骨太の保育計画に繋がっていくのです。

療育の世界では、「個別支援計画にある目標」に対して、手立てを仮説し、それを日々の指導で実践し、指導記録にまとめていきます。
そして、アセスメントの際に、指導記録を振り返り、仮説に照らし合わせ、見直す。
より良い手立てをまた仮説をたて実践し、検証していくことが療育の考え方です。

日々、PDCAをやり続けることが必要不可欠な世界が療育の世界です。
地道にしっかりと日々の指導を振り返り、文章で記録をとり、次の支援に生かすことが療育支援の根幹といえるでしょう。
知識だけでなく、その知識を生かして実践し、結果を考察することのみが、良い支援につながるのです。

つまるところ、本物になるためには、
良質なINPUTと、
頭を使った実践と振り返り
が大切ということです。

現状に満足することなく、
常に頭を働かせて、改善をしていくことが、
本物になるための唯一1本の道なのではないでしょうか?

千里の道も一歩から、まさにローマは1日にしてならずです。

ぜひ共に、良い保育、良い療育、良い社会を作っていきましょう!!
 
 

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株式会社SHUHARI
保育園元気キッズ 代表 中村敏也

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中村 敏也

Nakamura Toshiya
埼玉県内に、保育園、児童発達支援施設、保育所等訪問支援事業所、病児保育室、放課後児童クラブ、相談支援事業所を運営。子どもが笑顔で過ごせる保育園にするためには、職員が楽しめる職場であることが重要。職員が意見を言いやすい職場の雰囲気作りや福利厚生面など、働きやすさも重視した環境作りに力をいれている。
株式会社SHUHARI代表取締役
株式会社sopo代表取締役
新座市子ども子育て会議委員
中村敏也