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中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.34「出生数78万人の衝撃」

参考:メルマガバックナンバー 2023.6.29 配信

中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.34「出生数78万人の衝撃」

 


中村敏也の元気キッズ保育園の秘密


中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.34
「出生数78万人の衝撃」

こんにちは。
株式会社SHUHARI 中村敏也です。

令和4年度の出生数が先日発表されました。
薄々感じていましたが、実際の数を認識すると衝撃がすごいです。

新生児出生数 78万人 出生数 1.26ポイント
*参考:日本商工会議所 トレンドボックス
22年の出生数は80万人割れ、出生率は過去最低の1.26(厚労省人口動態統計)

人口を維持するための合計特殊出生率は2.06~2.07ポイントが必要だと言われており、明らかに急激な人口減となっています。
この出生率の低下は、日本だけでなく、先進国と言われている多くの国々で大きな問題となっているため、各国で様々な施策がすでに行われています。

世界で行われている施策は、大まかにいうと以下のようなものです。

  1. 育児支援の充実
  2. 労働条件の改善
  3. 住宅環境の改善
  4. 税制の見直し
  5. 教育制度の改革
  6. 社会的な意識の向上

出生率が改善している国は、積極的に上記なようなことを行っており、特に「6.社会的な意識の向上」「社会で子育てをすることを当たり前」な空気感をつくることが大きな効果につながっていると思います。

では、先日、6月13日に日本政府が発表した
『異次元の少子化対策』はどんなことかというと、
まずは3つの柱からなる『こども未来戦略方針』が閣議決定されました。

こども・子育て政策の強化は3つの基本理念を元に作成されています。

  1. 若い世代の所得を増やすこと
  2. 社会全体の構造・意識を変えること
  3. 全てのこども・子育て世帯を切れ目なく支援すること

とても素晴らしい理念です。

そして以下のような内容がつづきます。

  • 児童手当の拡充
  • 出産等の経済的負担の軽減
  • 高等教育費の負担軽減
  • 個人の主体的なリスキリングへの支援
  • 「年収の壁」への対応
  • 全ての子育て家庭を対象とした保育の拡充
  • ひとり親家庭の自立促進
  • 男性育休の取得促進
  • 育児期を通じた柔軟な働き方の推進 ~利用しやすい柔軟な制度へ~

*参考:補助金ポータル
異次元の少子化対策の具体例が明らかに!こども未来戦略方針とは

本当に素晴らしい内容で、私は大変期待感を持っています。

しかし、本当にこのような施策をして出生率は改善するのでしょうか?

アメリカ出身のお笑い芸人のパックンが
テレビでこんなことを言っていました。
「異次元感はあまりないと思うんですよね。今の少子化対策を少し拡充した気がしますけど」としたうえで、“そもそも論”として「日本の皆さんは子供の多い国を目指しているかどうか。そういう文化があまりをあまり感じないんですね。子供が欲しい、子供を持っている家庭は偉い、お母さん頑張ってる、凄いという雰囲気があまりないから。お金の問題の前に文化的な問題で子供を持ちたくない家庭が多いんじゃないかなと思いますね」

まさに私もここだと思います。

やはり今、社会全体が子育てを「自己責任」として、「家庭の問題」にしてしまっていると思います。これを、日本全体で「子育てはみんなで社会のみんなでやっていくんだよ」って変えていかなければならないと切実に思っています。

さて、そんなことを考えながら、日々モヤモヤしていたのですが、あることで、頭の中の雲が晴れていきました。

今月に入り2回鹿児島に視察に行く機会に恵まれ、
障害者への支援で日本、いや、世界からも注目を浴びる「しょうぶ学園」や、
就労支援事業とデザインを介して社会の繋がりが生まれるチョコレートを販売している特定非営利活動法人 Lankaが運営している「kiitos」

「しょうぶ学園」
https://shobu.jp/
「kiitos」
https://kiitos-cacao.com/

鹿児島市で、障害者支援の変化の中心にいる、ひろみよ株式会社が運営しているクラフトビールを製造販売している「ひろみよブリューイング」や、スパイスカレーを製造販売している「ちゃぶや咖喱堂」、障害がある方がライターとなり運営しているメディアの「HIFUMIYO TIMES(ひふみよタイムス)」

「ひろみよ株式会社」
https://hifumiyo.co.jp/
「HIFUMIYO TIMES」
https://1234times.jp/

などなど、思いっきり個性的で(特に代表がみんな癖が強い 笑)、それぞれが好きなことをやり、みんなが幸せな社会を作っている方々にお会いしてきました。

そこには、
何かができるからエライとか、何かプレッシャーを与えてやるとかいう概念ではなく、
できることの中から価値を生んでいたりとか、
とても自然で、そしてかっこいい世界がありました。

たくさんの情報を頭に詰め込みすぎて、ちょっと胸焼けしてしまったのですが、
ふと見上げた桜島をみて思いました。
桜島

あー、誰に対しても受け入れてくれる環境があることが、人を輝かせてくれるんだなと。

何かを比べたりすることで生まれる優越感とか、よりよく生きるためにという呪文に縛られて、「働くとはこういうことだ」「学ぶとはこういうことだ」って縛られないことが、いかに大切で、クリエイティブにもなれるのだと、ふと納得できました。

このような気持ちになった理由はなぜか?

それはどの施設でも、障害のあるなしにかかわらず、皆が笑顔で時間を過ごしていたこと。
障害のある方が一般の社会に行くためにストレスフルに多く頑張るのでなく、一般の人たちが、障害がある方たちの社会に出向き、そこのルールの中で過ごすことで、平和になる世界線があるのです。

そういう世界線があるということの理解がすすめば、インクルーシブなんて言葉はきっとなくなり、みなで支えあう社会が当たり前になるのだと思います。

話は戻りますが、
子育て環境についても、子育て最中の立場を、今の時代背景の中で、全ての世代が理解をすることがとても大切であり、それがなければ安心して子育てできる世界にはならないのだと思いました。

このメルマガの読者の皆様は、保育や福祉に興味がある方がほとんどと思いますが、保育や療育、教育などのジャンルだけで物事を考えずに、いろんな世界を見て、体験して、そして行動をすることが、きっと優しい社会へ繋がっていくのだと思います。
私自身ももっともっと自由な発想で、行動して行こうと思いました。

さて、最後に本の告知です。

私の第3冊目となる書籍が本日発売となりました!

書名:
『地域を変える施設になる 児童発達支援実践の教科書』
著者:中村敏也

3冊目は、児童発達支援施設の運営に関するノウハウが詰まった本です。

「社会性」と「事業性」を両立させる!
26事業所を展開するグループが実践してきた
地域に喜ばれる施設運営に必要なことすべて

地域を変える施設になる 児童発達支援 実践の教科書 中村敏也著

多くの失敗と、そのたびにチームで考え抜いて培ってきたノウハウ、様々な試行錯誤をしてきた、いま伝えられることを惜しみなくすべて詰め込みました。
まさに元気キッズグループ児童発達支援チームのすべてをお伝えします。

出版記念キャンペーン!本日6/29まで!
元気キッズの施設見学ツアーへのご招待や、
中村とオンライン上で直接お話しする相談会
などの特典をご用意しております。

期間:
2023年6月23日(金)~6月29日(木)
▼出版記念キャンペーンはコチラから!
中村敏也 書籍出版キャンペーン2023
(キャンペーンは終了いたしました)
 

6月29日発売
書名:『地域を変える施設になる 児童発達支援実践の教科書』
著者:中村敏也

詳しくはキャンペーンぺージをご参照ください。
ぜひともよろしくお願い申し上げます。

 
 
児童発達支援実践の教科書
 
保育園の教科書 中村敏也

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株式会社SHUHARI
元気キッズグループ 代表 中村敏也

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子どもたち、保護者、保育士にとって、とても幸せな世界になることを願って、少しでもお力になれれば幸いです。

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中村 敏也

Nakamura Toshiya
埼玉県内に、保育園、児童発達支援施設、保育所等訪問支援事業所、病児保育室、放課後児童クラブ、相談支援事業所を運営。子どもが笑顔で過ごせる保育園にするためには、職員が楽しめる職場であることが重要。職員が意見を言いやすい職場の雰囲気作りや福利厚生面など、働きやすさも重視した環境作りに力をいれている。
株式会社SHUHARI代表取締役
株式会社sopo代表取締役
新座市子ども子育て会議委員
中村敏也