参考:メルマガバックナンバー 2022.6.16 配信
中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.28「保育施設がフォーラム(公共広場)として機能する未来に向けて」
中村敏也の元気キッズ保育園の秘密
中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.28
「保育施設がフォーラム(公共広場)として機能する未来に向けて」
保育施設の量的供給のフェーズがいよいよ終了です。
東京都 待機児童激減 8500人⇒300人
https://www.fnn.jp/articles/-/368891
(参照先:FNNプライムオンライン)
そして、21年の出生率が1.30と6年連続で前年を下回っている状況。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA02A7D0S2A600C2000000/
(参照先:日本経済新聞)
これからの保育業界は、少子化と、施設の供給過多のダブルの影響で、非常に運営側にとって難しい時代が来てしまいました。
小規模保育のこれからを、どうするのか?
幼稚園の認定こども園化、
保育園はどう対応していくのか?
さまざまな課題があります。
使い古された感のある言葉ですが、
「選ばれる保育園」
にならなければならないのは誰もがわかっていることでしょう。
では、そこで、どのようにしていくべきか?
いくつかの団体が声をあげているのが
「保育所の多様化」
今までの多様化の国のメニューとしては、
- 延長保育事業
- 障害児保育事業
- 地域子育て支援事業のための園庭解放
- 地域子育て支援事業のための相談支援
- 一時預かり事業
- 不適正な養育が疑われる家庭への介入
- 病児保育事業
などでした。
ここで、NPO法人フローレンス代表の駒崎氏が、
国へ働きかけ提言したのが
「みんなの保育園」構想
要は就労条件がなくても誰もが保育を利用できるようにすることで、
24時間ストレスフルな育児中の家庭に、これから起こりうる保育所の定員割れの枠を自由に利用できるようにすることです。
これは非常に理に適っていると思います。
子どもを所得制限、労働の有無などで差別することなく、国の宝として大切にしていく文化が育まれていくと想像できます。
「みんなの保育園」のような施策が広がっていくと、子育てに関わる人が保育園に自然と集まってくることになるでしょう。
レッジョ・エミリアの実践の中で生まれた本
「保育の質」を超えて:「評価」のオルタナティブを探る
この本は、
保育所が地域の中のハブになることで、いかに子どもにとって、社会にとって好循環が生まれてくるかを伝えてくれています。
P.125
『市民社会フォーラムとして機能している保育施設は、ローカルな民主主義の再構築でなく福祉国家の再建に貢献する』
保育施設が真の民主化の出発点になる可能性について言及しています。
P.207
『ネットワーキングの保育施設』
『保育施設長と地区の乳児サービスのマネージャー、政治家との交流が必要!』
自治体の中でさえ部署間が連携されていなく、どこも他人事に感じてしまうことが多い日本、子ども中心にするためには繋がり合わないと何も変わらない!
P.223
『教育ドキュメンテーションが教育実践を可視化し、民主的で開かれた議論の対象とすることによって保育施設は社会にとって新たな生産性を得る。』
これですね。
まさに保育施設が、地域におけるフォーラム(公共広場)となり、
教育や民主主義を大いに対話できる場所になり、
そこに親と子どもたちという、これからの日本を支える人が集っている
という形。
これらのことを、イタリアの都市 レッジョ・エミリアや、
その手法を取り入れているスウェーデン、ストックホルムでは
1980年、1990年代には実装しているのです。
日本は、20年30年遅れているのです。
しかし、ここで勇気を貰えるのは、他国でできているということです。
諦めることなく対話を重ね、
自治体の保育課を巻き込み、
子ども関連の部署を巻き込み、
地域の教育機関を巻き込むことができれば、
一つの自治体が変わります。
一つの自治体の成功体験ができれば、
他の自治体に広がっていき、
日本中に広がっていくというビジョンが見えてきませんか?
そして、それが一つの保育施設から始まるストーリーが想像できませんか?
と、とても興奮します。
今ある暗い雰囲気に流されるか、
「次の時代を作る」という意志を持って前へ進むか。
それによって選ばれるかどうかが決まってくると思います。
まずは、私たちから地域に働きかけていきましょう!!
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株式会社SHUHARI
元気キッズグループ 代表 中村敏也
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困っている保育所の足元を見た高額な人材紹介会社に頼らず、自力で採用できる力を、すべての保育所が持つことができれば、より良い保育環境が広がるはずです。
子どもたち、保護者、保育士にとって、とても幸せな世界になることを願って、少しでもお力になれれば幸いです。
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