中村敏也 ブログ コラム 保育 療育 児童発達支援

「児童発達支援での保育型療育」と「保育園での職員加配での保育」の違い

今回は少し攻めた内容をお話しします。

私たち元気キッズは、保育所と児童発達支援事業所を運営しています。

保育所を運営していると、発達が気になる児童に出会います。
保育士たちは、発達が気になる子供達に対して、十分な配慮をして保育をしていきたいのが本当の気持ちです。

しかし、人手の問題で、なかなか十分と言えるケアができないのが現状です。

保育所では、発達が気になる児童に対して、自治体と保護者が発達の遅れがあると判断した場合、保育士の加配をつけて保育を行います。
すると、対象の児童に対してケアが十分にできるようになると一見思えるのですが、実際は、加配担当で配置された保育士も、他の児童の保育も必然的に行う必要がでてきて、1対1で対応することは難しいのが現状です。

一人一人に十分な働きかけが難しくなるので、
多動傾向がなく自閉傾向が強い児童だとおとなしいので、そうすると危険が少ないと判断され、悪く言うと「ほっとかれてしまう」可能性も出てきます。
おとなしい児童こそ、多くの働きかけで、言葉や社会的スキルを身につけるようしなければならないにも関わらず、それができない現状があります。
すると、このような状況を肌で感じている保育士たちは、また十分な療育的活動ができていないと悩みます。

このようなループが現場で起きています。

私どもが行っている児童発達支援事業では、職員1人対して2人までの児童の割合で保育型の療育を行っています。
そうすると、一人一人に十分な関わりができ、たくさんの働きかけができます。
できること、苦手なことを詳細に把握、記録し、毎日多くの経験を積み重ねていくことができます。
また大きな集団では、周りの音や、意思決定の早さについていけない児童も、その子なりの理解の仕方に配慮して、ゆっくりと指示をすると、きちんと理解していきます。
このようなゆとりある環境が、療育には必要なのではないかと日々実感しています。

保育所での発達が気になる子への配慮した混合保育も有効だと思いますが、
無理に混合保育を目指すのではなく、小さな集団でその子たちに会った指導方針の療育を行う方が、子供達により寄り添っていけるのではないかと思います。

保育園、児童発達支援事業所
元気キッズ 園長 中村敏也

中村 敏也

Nakamura Toshiya
埼玉県内に、保育園、児童発達支援施設、保育所等訪問支援事業所、病児保育室、放課後児童クラブ、相談支援事業所を運営。子どもが笑顔で過ごせる保育園にするためには、職員が楽しめる職場であることが重要。職員が意見を言いやすい職場の雰囲気作りや福利厚生面など、働きやすさも重視した環境作りに力をいれている。
株式会社SHUHARI代表取締役
株式会社sopo代表取締役
新座市子ども子育て会議委員
中村敏也