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中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.13

参考:メルマガバックナンバー 2021.4.1 配信

中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.13 地域社会を変える保育園への道8

 


中村敏也の元気キッズ保育園の秘密


中村敏也の元気キッズ保育園の秘密 vol.13 地域社会を変える保育園への道8

「まだまだ足りない社会資源! 医療モデルと社会モデルでみんなに笑顔を」編です。

ふぅ。
「地域社会を変える保育園への道」が
やっと現在取り組みはじめていることを書ける段階にきて
ホッとしている中村です。

前回は、保育と療育の違いや
子ども達に療育施設の外や、どんな場所でも笑顔になってほしい
という活動を書きました。

保育園や療育施設は、基本的には子ども達の発達を促すことを目的としています。
様々な活動を通じて、その子なりの発達を促し、見守る場所です。

創業当時から、子ども達が最高の笑顔になる場所を増やそうと考え、
地域から求められる場所へ施設を増やしていきました。

子ども達にとっても、保護者にとっても
良い環境になっているはずだと信じ、施設を増やしていったのです。

そんな風に活動していく中で、
「ある講演」に参加した時に、
自分には『ある一つの視点』が足りていなかったと気づかされました。

その講演の登壇者は、
自身が新生児仮死で生まれ脳性まひとともに生きてきた、
東京大学准教授の 熊谷 晋一郎 氏でした。

講演の中で熊谷氏は
「障害者と健常者の違いって何でしょうか?」と問いました。

私は
「できないかことが多い?」
「周りと違う?」
「意思とは違う行動をしてしまう?」
などといろいろと考えてみました。

熊谷氏 曰く

「私は小さい頃からリハビリの毎日でした。指なんて思うように動かない。
それを15年位かけてやっとペンを持てるようになりました。

頑張って発達したということは、それはそれでとても良いことだと思う。

本人が頑張って改善していくことを
『医療モデル』といいます。

しかし、とにかく15年毎日リハビリはしんどいのです。
当事者はきついんです。

そこで、例えば持ちやすいペンのデザインを開発し使いやすくしたり、
ロボットアームみたいなものができて、
簡単に意図したことを代替的に行ってくれることがあれば、
非常に楽に生活が送れるようになります。

本人ではなく周りの物や環境が変わることこのことを
『社会モデル』といいます。」

また、このようにも語っています。

「健常者と障害者を分ける基準は、その人がつながる頼れる糸の数です。

健常者の方は、例えばどこかへ行きたい場合、
自分で歩く、走る、車で行く、電車で行く、タクシーを使う、
親に頼んで送ってもらうなど、
たくさんの選択肢(=細い糸)があります。

障害者は、親に頼む、ヘルパーさんに頼む、などの
限られた選択肢(=太い糸)しかない場合が多いのです。

この頼める先をつなぐ糸の数が多ければ多いほど、健常者です。
少なくて太い糸が限られた数しかないほど、障害者です。」

そこで、ハッとしました。

私が保育や療育施設の運営でやっていることは、
『医療モデル』だと。
子ども達に「ちょっとでもできる」になるため頑張れー! と背中を押している。

また一方で、
『社会モデル』として、
子どもがどんな場所でも笑顔になる活動として、毎日通える保育型の療育施設や、
通っている幼稚園、保育園で生活しやすくするサポートの保育所等訪問支援、
障害者のサポート計画を作成する相談支援事業などをやっているのだと。

改めて、
素敵な「気づき」をいただきました。

『医療モデル』も『社会モデル』も両方必要だと思います。

障害を抱える人だけがより健常者へ近づけるよう頑張るのではなく、
周りが変われば簡単に障害度合なんて下がっていきます。

地域社会が、より多様性を受入れ、分断するのではなく地域で共生していくことを、自然と受け入れていく社会になれたら素晴らしいですね。

そんな想いをこめて事業を運営していきます。

今回で「地域社会を変える保育園への道」シリーズは一旦終了です。

次回からは、また保育所の経営ノウハウなどをお伝えしていきます。
引き続き宜しくお願いします。

 

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保育園元気キッズ 代表 中村敏也

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中村 敏也

Nakamura Toshiya
埼玉県内に、保育園、児童発達支援施設、保育所等訪問支援事業所、病児保育室、放課後児童クラブ、相談支援事業所を運営。子どもが笑顔で過ごせる保育園にするためには、職員が楽しめる職場であることが重要。職員が意見を言いやすい職場の雰囲気作りや福利厚生面など、働きやすさも重視した環境作りに力をいれている。
株式会社SHUHARI代表取締役
株式会社sopo代表取締役
新座市子ども子育て会議委員
中村敏也