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中村敏也メルマガ vol.40 スウェーデン視察研修 旅行記(回想3)

参考:メルマガバックナンバー 2024.9.24 配信

中村敏也メルマガ vol.40 スウェーデン視察研修 旅行記(回想3)

 


中村敏也メルマガ


中村敏也メルマガ vol.39
スウェーデン視察研修 旅行記(回想2)

こんにちは。
株式会社SHUHARI 中村敏也です。

先週、今年の大きな目標の一つであった
「あたらしい保育イニシアチブ2024」を開催。
今回は実行委員だけでなく、セッションリーダーという大きな役目を頂きました。
セッションは登壇者の皆様のおかげで満員御礼、立ち見、入場制限となりました。オンライン参加を含め、お聞きにいらしてくださった皆さまに心より御礼申し上げます。
また今度、そこでどんな話をしたかをメルマガにしてみたいと思っています。

さて、本日のメルマガは、
前回に引き続きスウェーデンのお話です。
障害者の支援施設
日本でいう生活介護の場所と、ジョブコーチの施設に伺いました。

日本では生活介護事業所にあたる施設である『LILJAN』

『LILJAN』

ILJANは集合住宅が立ち並ぶ駅近の住宅街のビルの中で運営されています。
利用者の皆さんは、たくさんのアクティビティから、やりたいことを選択します。

LILJANにて
LILJANにて

利用者の皆さんが制作した作品
シルクスクリーンでのプリント
シルクスクリーンでのプリント

毛糸を使っての編み物
毛糸を使っての編み物
ダイナミックでユニークな作品

休憩できる場所もお洒落
休憩できる場所もお洒落
絵画は利用者の方の作品

充実した活動プログラムの他にも、
利用者はそれぞれやりたいことをサークルとして取り組んでいます。
演劇サークルなどの作品も見せていただきました。
次回の劇に使う小物を製作中とのこと。
次回の劇に使う製作中の小物
次回の劇に使う製作中の小物

 
主活動の他に余暇の活動グループなどに属して、それぞれが自分らしくいられる場所。
何かをさせられるのではなく、自分で選ぶ世界。
日本の生活介護では、余暇と仕事に別れていますが、決まったことをルーティーンでこなす事業者が多く、大きな差を感じます。

ここLILJANで一番印象的だったのが、利用者の自治のあり方です。

支援者の隣に、利用者の方が一緒に

施設に滞在中ずっと支援者の隣に、利用者の方が一緒にいてくださいました。
この方は、全てのアクティビティの場所で、それぞれ利用者の方を紹介してくださり、作品についてもたくさん教えてくれました。

どうしてなのかなと思っていたら、
なんとここには利用者の労働組合があり、そこのリーダの方だったのです。

障害者の通所施設に、利用者の労働組合があるのってなんとも素敵な驚きです。
労働組合は、事業所の自治にしっかりと参加して、処遇の改善や、アクティビティへの意見をしっかり伝える仕組みがありました。

ただ支援を受けるだけでなく、しっかりと意見が言える仕組みに感動!
まさに民主主義が全ての領域に行き渡っていることを実感しました。

 
午後に訪問した場所は、
ジョブコーチの施設『MISA』
ジョブコーチの施設『MISA』にて
MISAにて

今年の前半に日本で職場適応援助者(ジョブコーチ)の認定を受けたばかりの私。
福祉先進国のスウェーデンの仕組みをいざ学ぼうと前のめりに話を伺う。

MISAにはジョブコーチとの面談や、机上課題のプログラムを受けにオフィスを訪れる利用者がリラックスして過ごせる環境があります。
いかにも事務所のような雰囲気が多い日本の就労支援移行の事業所に比べて、圧倒的におしゃれでした。

素敵なソファと静かなBGM
素敵なソファと静かなBGM

支援内容は、日本と大きな差がなく
利用者のニーズをふまえ、就労に必要な技能の習得
生活基盤を整える支援
そして、就労先を探す営業
がジョブコーチの役目でした。

福祉先進国のスウェーデンは、効率的な社会の仕組みに定評があります。
しかし効率性が進んだ結果、人的な資源が必要な場面が少なくなってきていて、人的資源として活用されてきた障害者の就労先が少なくなっているという。
社会課題はいつまでたってもあり続けるものなのだろう。

ジョブコーチと利用者さんと記念写真
最後にジョブコーチと利用者さんと記念写真

普段は写真はNGとのことですが、
利用者の方に気軽にOKと言っていただけました。
ジョブコーチとの繋がりの深さを感じます。

 
話は変わりますが、街を歩いていると素敵な公園ばかり
素敵な街並みに気持ちが和みます。

素敵な公園

時折、何匹もの犬を散歩している人を見かけます。
しかも何人もそのような方います。
犬のベビーシッターの方達でした。

スウェーデンには犬にも人権ならぬ、犬権が保証されていて、飼い主は6時間以上放置してはいけないという法律があるとのこと。そのため犬を飼う人で日中世話人がいない方は、犬の幼稚園や、犬シッターを雇うのだそうです。
そして、このシッターさんこそ、就労支援での就労先の受け皿にもなっているとのことです。

様々な場所、仕組みで、循環社会が形成されているスウェーデン。
循環を目指すのではなく、民主主義を進めてきた結果の姿なのだと腑に落ちます。社会民主主義こそが、次に向かう社会なのではと思います。

また次回もスウェーデンの回想録を配信予定です!

 
最後に、宣伝です。
10月7日(月) 午前9時30分より
元気キッズの保育施設、療育施設の見学ツアー第2弾
を行います。
今回は午前中のみで、私の講演などはなく、現場見学メインでのツアーです。
前回予定があわず参加ができなかった方、もっと中村と話してみたい方などいらっしゃいましたらぜひご参加ください。

▼詳細は以下リンク先をご参照ください(事前のお申し込みが必要です)
元気キッズの保育施設、療育施設の見学ツアー第2弾バナー
https://genki-kids.net/1463

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株式会社SHUHARI
元気キッズグループ 代表 中村敏也

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児童発達支援実践の教科書

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中村 敏也

Nakamura Toshiya
埼玉県内に、保育園、児童発達支援施設、保育所等訪問支援事業所、病児保育室、放課後児童クラブ、放課後等デイサービス、相談支援事業所を運営。子どもが笑顔で過ごせる保育園にするためには、職員が楽しめる職場であることが重要。職員が意見を言いやすい職場の雰囲気作りや福利厚生面など、働きやすさも重視した環境作りに力をいれている。
株式会社SHUHARI代表取締役
新座市子ども子育て会議委員
中村敏也